世界に誇るメイドインジャパン品質 – GANZO(ガンゾ)

最高の素材を一流の職人がハンドメイドで一点一点製作すること。このアナログなやり方を極めたGANZO(ガンゾ)は世界最高峰の品質を手に入れた。本日は、ガンゾの卓越した技術力や審美眼、センスに迫り、魅力を解剖していく。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : GANZO

世界トップレベルのエイジングを味わうならガンゾ

皮革製品がもっとも魅力を発揮するのはオーナーが使い込んだ後の経年変化にある。これは革が好きであれば誰もが認める世界共通の美意識だ。それでは、魅力的な経年変化に必要な要素は何だろうか?
この課題に真摯に向き合い、技術力を高めてきたのがガンゾである。1999年にブランドを設立した時点でライバルたちを上回るクオリティの商品を多数リリースしていたが、年月を追うごとにそのスキルが向上。極上のエイジングを味わえる名ブランドとして国内外に知られるようになった。


シュリンクレザーをカジュアル感のあるベーシックアイテムにまとめた7QS(セブンクオリティーズシリーズ)。きめの細かいキップレザーはシボ感のある質感。現在はバイブルサイズのシステム手帳を販売中。

外装にブライドルレザー、内装にショルダーヌメを合わせたシンブライドル。異なるレザーのエイジングを同時に楽しめる人気シリーズだ。

100年企業が満を持して生み出した渾身のブランド

ガンゾは1999年に突然生まれたブランドではない。運営会社の株式会社味岡は今から102年前の1917年に東京都中央区日本橋蛎殻町に設立。都内唯一の皮革袋物専門製造卸売業として全国の著名な百貨店と取引をしてきた実績がある会社なのだ。モノ作りの世界で100年もの間続いてきたのは、常にハイクオリティの製品を作り続けてきたから。もちろん会社自体に商才があったのだろう。
ガンゾは100年企業の株式会社味岡が満を持して生み出した渾身のブランド。最良の素材を知り尽くし、実際に極上のレザーを皮革業者から仕入れるネットワークがあり、それを最高の形で製品化できるデザイナーと職人を抱えていること。つまり、レザーブランドに必要なすべてを高いレベルで有していることが、今日のガンゾの発展の礎になっているのだ。


イタリアにあるトスカーナ地方の伝統的ななめしを施した、バダラッシィ・カルロ社のミネルバリスシオを使ったブリーフケース。しなやかさと硬さを併せ持つミネルバリスシオは傷に強く、ビジネスバッグにも最適なレザー。

大人気のコードバンシリーズは水染めを施し、オイルグレージングフィニッシュを経たコードバンにソフトな牛ヌメ革を内装に合わせるという手間の掛かる工程を経て製品化される。シューホーンのような小物は価格が抑えめなので気軽に購入可能。

手間も時間も惜しまない職人技をありったけ注ぐ

良質な素材があっても料理方法のレベルが低ければ台無しだ。ガンゾは一流の職人による縫製と磨き、仕上げをすべての商品に徹底し、高い品質をコントロールしている。例えば得意とするのが「切り目本磨き仕上げ」。革製品のコバ(革の裁断面)の処理方法として日本の伝統技法のひとつに数えられている仕上げ法で、高いスキルが必要なのと手間も時間も掛かるためわずかなブランドしか行っていない。
コバをヤスリ掛けした後に布海苔(ふのり)を塗布し、乾燥させた後に布などで磨く。この工程を数回繰り返して表面を滑らかにするのが切り目本磨き仕上げだ。布海苔だけだと革の筋目が透けて見えることが多いので、最近は染料を加えることも多い。顔料や化学系仕上げ剤を使ったものとは異なり、ヒビ割れや剝離がおきにくく、耐久性に優れる利点がある。良い革小物はコバを見れば分かると言われるが、ガンゾが一貫して行う切り目本磨き仕上げはコバ処理の中でも特に優れた手法なのだ。


イタリア語で「匠」の意味を持つ「マエストロ」の名を冠したシリーズから。ペリカンM200など115~120mmの万年筆を収納可能。カラーバリエーションが豊富なので色で遊ぶのも面白い。

コードバンやブライドルレザーといった定番のレザー以外に、ガンゾではリザードやクロコダイルといったエキゾチックレザーも扱う。ともすれば悪趣味になりがちなエキゾチックレザーもガンゾの手に掛かればご覧の通り上質感溢れる佇まいに。

世界トップレベルのメイドインジャパン品質に酔う

素材やデザイン等によってシリーズが細分化されているので調べてみると、ガンゾは現在18種類ものレザーをシリーズによって使い分けていることが分かった。以下が2019年3月現在の取扱いレザーの一覧だ。
・国産のコードバン
・グレージングカーフ
・ホーウィン社のシェルコードバンとクロムエクセル
・ブライドルレザー
・コンチェリア・グイディ&ロゼリーニ社製カーフレザー
・飛騨牛のカーフレザーとそれをベースに独自に開発した牛革ヌメ
・ディアスキン
・バダラッシィ・カルロ社のミネルバボックス
・イタリアベジタブルタンニンレザー
・ボックスカーフ専門のタンナーDUPUY社のカーフレザー
・上質なカーフにたっぷりとオイルを含ませてなめし、ディアスキンのような柔らかな風合いを出すカーフディア
・国産カーフヌメ
・キップレザー
・クロコダイル
・リザード
・国産の高密度ナイロン(東レのN66プロミランナイロン)とレザーを合わせた素材
革キチであれば歓喜するレベルのラインナップ!この豊富なラインナップを見るだけで心が躍ってしまう。しかも、ガンゾの場合いたずらに種類を増やしたのではなく、どれも「ガンゾの一級品質に見合う素材」だけを厳選しているのだから、いざ購入しようとすると果てしなく迷ってしまう。
日本人特有の勤勉な姿勢と研究熱心さはあらゆるジャンルで世界トップレベルのモノ作りを実現しており、「Made in Japan」は世界中で高品質の象徴として知られるようになった。
革製品の分野ではガンゾが間違いなく日本トップクラス=世界トップレベルの実力。異様なほどのこだわりが注がれた商品たちは吊るしの状態で完璧な美しさがあるが、オーナーが使い込むことで唯一無二のエイジングに成長していく。ガンゾを手に入れる際に注意すべきことはただひとつ。あなたはもう他のブランドの商品では満足できなくなるかもしれない。

ITEM CREDIT
  • All items made by GANZO