ヴィンテージ・ロレックスとの愛のある20年間 – mazik_mineさんのロレックスGMTマスター

ファッションを楽しみながらライフスタイル全般にこだわりを持つ。男女問わず理想的な「モノとの暮らし」だ。インスタグラムでご縁があり親しくなったmazik_mineさんは、そんな暮らしを送る筆者憧れの方。本日はLIVE IN RUGGED初のインタビュー形式で、mazik_mineさんが初めて手に入れたロレックスGMTマスターを紹介する。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : mazik_mine

LIVE IN RUGGED初のインタビュー!

mazik_mineさんのページをインスタグラムで発見した時のことはよく覚えている。ロレックス関係のハッシュタグをクリックし、上から順にざっと眺めていて一瞬で目に飛び込んできたからだ。まず惹かれたのは写真の構図。思わずスクロールする手が止まるほど腕時計が美しく撮影されていた。ユーザー名をクリックしページに遷移すると、喉から手が出るほど欲しい機械式時計がズラリ…しかも、どの写真も変化を持たせながらやっぱり美しく撮影されている。ひとつひとつ投稿を見ていくと、日々の暮らしやモノへの愛情が優しく、時にユーモアを交えた調子で綴られていた。
インスタグラムでは膨大な数のユーザーが「モノ自慢」をしている。高価なモノ、レアなモノをひけらかすような投稿が多い中、mazik_mineさんの良い意味でマイペースな空気感はとても心地良い。
実はウェブマガジン「LIVE IN RUGGED」をスタートする前の構想段階から、いつか自分が好きな人のインタビューや愛用品紹介をしたいと妄想していた。第1回目は絶対にmazik_mineさんがいい…そんな思いで先日掲載のオファーをしたところ、ありがたいことに快くご了承いただいたため、本日はmazik_mineさんが初めて手に入れたロレックスであるGMTマスターをフィーチャーしてお届けする。


黒・白・赤で構成される男らしさたっぷりのルックス。2時間刻みで数字が刻まれるベゼルは誕生時から世界のパイロットたちに愛用されてきた。

程よい厚みのケースとぷっくりと膨らむプラ風防。ヴィンテージだが、タイムレスなデザインだ。

ファーストロレックスとして手に入れ、約20年間苦楽を共にしてきた相棒

mazik_mineさんがGMTマスター(Ref.16750)を手に入れたのは今から約20年前。初めてのロレックスだった。
「20歳からの付き合いのバースデーイヤーのGMTマスター。歳を重ね、疲れやすい身体になっても、家事や育児中心のライフスタイルになっても、腕につけるとあの頃の気持ちを思い出させてくれるアイテムのひとつ」
バースデーイヤーというだけでも思い入れがひとしおだと思うが、20年間という長い期間を共に過ごしてきたので、思い出もたくさんあるそう。赤ん坊が成人するまでの時間もあっという間だが、成人してから40歳を迎えるまでの時間もまさに矢のように飛んでいく。良いことも悪いことも一緒に乗り越えてきた…そんな相棒のような存在なのだろう。


季節や気分でブレスレットからレザーストラップに交換して楽しむのもmazik_mineさんのこだわり。飴色に焼けたレザーが愛用歴を物語る。

大きな傷がないことからもオーナーの腕時計への愛を感じさせるショット。光の当たり具合が実に美しい。

引き算の美学

スイス製高級時計メーカーの大筆頭であるロレックスは「憧れのブランド」として世界中の時計ファンから常に羨望を受ける。それゆえ、ステータス性ばかりがもてはやされる一面があるのは時計好きであればご理解いただけるだろう。高額品を自慢するように腕時計と付き合うスタイルは、正直言ってあまりカッコ良くない。
mazik_mineさんの腕時計やファッションとの付き合い方はそれとは真逆で、もっと自然な形だ。
「アウターや時計、アクセサリーの小物類は、長く使える品を購入しています。もちろん分相応、もしくは背伸びをして購入できる物ですが、今の自分には充分なくらいのラインナップが揃いました。数百万の時計をサラッと身につける方もいらっしゃるでしょうし、数千円の時計で充分という方もいらっしゃいます。
海外のビリオネアの方って、車や時計が意外とシンプルで質素な物を好んで着けてる方がいますが、そちらの方が逆に気になってしまいます。なのに、カッコよく見えるのは内面からの雰囲気による影響が大きいのではないかと考えます。結局のところは、ヘアスタイルや小物類を含む雰囲気、洋服のサイズ感、靴の清潔感に勝るオシャレはないかと」
ハイブランドの高額品に頼るのではなく、ちゃんと自分のフィルターを通してモノを選ぶ。個人的にはこういうことをナチュラルにできる人がファッション上級者なのではないかと思う。それでは、mazik_mineさんがオシャレだと思うのはどういう人だろうか?
「今の流行を作っている著名人やブロガーの人たちは、元から家が金持ちが多くて生活に余裕があるから、ファッションや好きなことを続けられることが多いのでは。個人的には、そういうのはお金持ちの余興に付き合わされている感じがして苦手です。海外のストリートスナップなども、極端にその差が出てきます。
セレブ系のスナップは一切興味ないのですが、ダンサーやジャズマン、理髪屋、バーテンダーなどの私服のスナップを見ると、メチャクチャカッコいい。
以前見たスナップですが、履き込んだジーンズにTシャツ、小物類はバックポケットに無造作に突っ込んだバンダナと腕に入る無数のタトゥーのみ。ロールアップしたデニムから見える足元は、デザートブーツでキメてる姿はメチャクチャカッコよく見えました。
結局、足し算よりも引き算が上手い人が、一番オシャレに見える気がします」
足し算よりも引き算が上手いこと。これは酸いも甘いも経験した大人じゃないと難しい。若い頃は勢いもあるので何かとプラスする足し算のスタイルをしてしまいがち。しかし、ある程度落ち着いた年齢になると、一歩引いた引き算のスタイルに潔さや美しさを感じるようになるのだ。本当に良いと思うモノを自分なりのセンスで着こなすスタイル。これこそが大人のファッションの楽しみ方なのかもしれない。


1980年前後に登場したGMTマスターの第3世代、Ref.16750。デザイン面は前モデル(Ref.1675)から大きな変更はないものの、ムーブメントをハイビート仕様のCal.3075へ変更。より高精度に進化した。ちなみにCal.3075を搭載するロレックスはこちらのGMTマスターだけ。

mazik_mineさんが所有する腕時計コレクションの一部。今回ご紹介しているGMTマスター以外のモデルたちも、また機を改めて。

ヴィンテージ・ロレックスが自然に溶け込むライフスタイル

ファーストロレックスとして選んだGMTマスター以外にも数多くの機械式時計を所有するmazik_mineさん。現在は子育てをしながら自分なりに腕時計を楽しんでいるという。
「今の僕にとって日常生活のささやかな贅沢と幸せは、月に1~2度だけ忙しい合間を縫って静かな珈琲店へ向かい、落ち着いて妻と話したり、読書をすることです。
アンティークなカップとジャズの音色、香ばしい珈琲の香りは、僕の心を休めてくれる。もちろんお店へ行く時は、ヴィンテージ ロレックスを着けて行くのも楽しみのひとつなんですよ」
ごく自然な形で古いロレックスを愛用し続けるスタイルは、ファッションとライフスタイルが溶け込んでいて素敵だ。流行や周囲に流されることなく本当に良いモノと一緒に年齢を重ねていく…GMTマスターも、これ以上ないほど良い主人に見初められて幸せを感じているに違いない。

ITEM CREDIT
  • ROLEX:GMT Master (Ref.16750)

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