Ken Block

ラリー/ジムカーナのレジェンド、ケン・ブロック氏が死去

天才的なドライビングで世界中のファンを夢中にさせたケン・ブロック氏が、1月2日(月)スノーモービルの事故により逝去された。


Written : LIVE IN RUGGED

エクストリームスポーツ業界で頭角を現し、〈DC SHOES〉の成功によりモータースポーツの世界へ

死は突然訪れるものだが、Ken Block(ケン・ブロック)氏がこれほど早く亡くなられることは誰も予測できなかっただろう。
主にアメリカを舞台にラリーやジムカーナの世界で活躍してきたケン・ブロック氏が、スノーモービルの事故により逝去されたという速報が1月2日(月)に報じられ、世界中のファンを驚かせた。自動車競技の際は生と死の狭間を攻めるようなドライビングを見せながら、いつだって笑顔で戻ってきたケン・ブロックがスノーモービルの事故で亡くなるなんて、とてもじゃないが信じられない。しかし、それはガセネタではなく本当に起きたことだった。
ケン・ブロック氏は1967年11月21日、アメリカ・カリフォルニア州に生まれる。幼少時からクルマの運転に並々ならぬ興味を持っていたケン・ブロック氏は、運転免許証を取得すると同時に両親のクルマを拝借してドリフトなどの過激な走行を練習したという。と言ってもそのまますぐにモータースポーツの世界のドアを叩いたわけではない。まずはもっと気軽に始められて資金も掛からないスケートボードやモトクロス、スノーボードといったエクストリームスポーツに本格的に取り組み、その世界において頭角を現す。運転技術だけではなく、身体能力と運動神経自体が並外れた人だったのだ。
モータースポーツの世界に移行するための大きなエピックは1994年に起きた。スケートボードのプロ選手であるColin McKay(コリン・マッケイ)らと共に、スポーツ用品メーカー〈DC SHOES(DCシューズ)〉を共同設立。ストリート、スケート、レース、スノーなど、ジャンルを超えた様々なカテゴリに対応する商品ラインアップを展開する〈DCシューズ〉はビジネス的にも大成功をおさめ、モータースポーツの世界のドアを開ける準備が完全に整うことになる。

Ken Block
Ken Block

WRCでの活躍、そしてカースタントで世界を魅了する

WRC(世界ラリー選手権)に参戦してからは自身が立ち上げたレーシングチーム「フーニガン・レーシング・ディビジョン」などで活躍。総合タイトルこそ獲得することはなかったが、派手さがありながら堅実にポイントも獲得する高いスキルが世界的に高く評価されている。
そして、ラリーと同じかそれ以上に世界の注目を集めたのがスタントドライバーとしての活動だろう。〈DCシューズ〉のプロモーションフィルムやディスカバリー・チャンネルでの常軌を逸したカーアクションは大いに話題を呼び、その後自身のYoutubeチャンネルにて更新された「ジムカーナ」シリーズは、時に1本で1億回以上の再生を記録するほどの注目を集めた。2008年に最初のエピソードが公開されて以降、現在までにトータルで5億回を大きく超える視聴数を記録している。

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驚異的なドライビングスキルで世界を永遠に変えた、紛れもない天才

都市を丸ごと封鎖して行うこともある「ジムカーナ」シリーズこそがケン・ブロック氏の才能をもっともストレートに世界に知らしめたと言っていいだろう。大胆かつ繊細なドリフト走行と信じられないほど的確な車両感覚、映画を観ているような作りこみのレベルの高さなど、すべてがこれまで誰も観たことがなかったほどの次元だった。モータースポーツやカースタントはともすればクルマ好きだけが楽しめるマニアックな世界になりがちだが、ケン・ブロック氏のカースタントはクルマにまったく興味がない人が観ても一瞬で夢中になるほどの分かりやすさと迫力がある。「ジムカーナ」シリーズは、競技だけではなく、「魅せること」「楽しませること」を突き詰めるケン・ブロック氏のストイックな姿勢が120%反映された企画なのだ。
筆者もWRCでの走りや「ジムカーナ」シリーズの動画はこれまで何度も視聴したことがある。一度見たことのある動画を繰り返し見たくなるのがケン・ブロック氏の走りだった。エクストリームな世界で常に上を目指し続けたケン・ブロック氏が志半ばで逝去されたことは本当に心が痛むし、今後新たな動画を観ることができないことも残念だ。しかし、ケン・ブロック氏がクルマの世界の一部を変えたことはずっと記憶されるだろう。自分の体よりもはるかに大きく、大パワーを発揮するモンスターマシンを手足のように操る姿は衝撃的という言葉では足りないほどだった。まさに不世出の天才だった。
ケン・ブロック氏のご冥福を心よりお祈りいたします。
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