PRADA x Axiom Space

NASA のアルテミス計画で使われる宇宙服を PRADA がデザイン

〈PRADA〉が月面ミッション用の宇宙服開発に携わる


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : PRADA

初の有人月面着陸となるアルテミス III 月面ミッションにて使用

宇宙開発の歴史に新たな1ページが刻まれる。イタリアを代表するラグジュアリーブランド〈PRADA(プラダ)〉が、アメリカの宇宙開発企業〈Axiom Space(アクシオム スペース)〉と共同で開発した宇宙服を発表。アポロ17号のミッションが終了した1972年12月以来、初の有人月面着陸となるアルテミス III 月面ミッションにて使用されるという。
〈アクシオム スペース〉は2016年にアメリカ・テキサス州のヒューストンで設立。民間宇宙旅行の運営や民間宇宙ステーションの開発などを行っており、2022年にNASA公式の宇宙服開発委託企業に選定された。
〈プラダ〉と共同開発した宇宙服は、NASAが主導する国際的な有人月面着陸計画「Artemis program(アルテミス計画)」での着用を目的に開発。このミッションでは日本人2人を含む様々な人種と性別の飛行士が月面活動を行うため、身長や体格が異なる宇宙飛行士でも問題なく着用できるように設計されている。身体状態を管理する生命維持装置を搭載し、高温や月の粉塵から身を守るため、全身にホワイトの素材を採用。過酷な宇宙空間で約8時間もの長い時間活動できる耐久性を持つという。〈プラダ〉のトライアングルロゴは見当たらないものの、アクセントとして採用されたレッドラインが静かに〈プラダ〉のアイデンティティーを主張している。

PRADA x Axiom Space
PRADA x Axiom Space
PRADA x Axiom Space
PRADA x Axiom Space
PRADA x Axiom Space

〈プラダ〉は原材料、製造技術、デザインの知識とノウハウで貢献

ラグジュアリーファッションブランドが宇宙服の開発?
疑問を感じるのはある意味で当然のことだが、〈プラダ〉は私たちが想像する以上に開発に貢献しているようだ。同ブランドのエンジニアは〈アクシオム スペース〉のチームと協力し、原材料、製造技術、そしてデザイン面においても、類まれな専門知識と開発能力を提示。その結果、宇宙飛行士を宇宙の過酷な環境から保護し、初めて月の南極への人類の探査を可能にする宇宙服が完成したという。衣服の設計~開発~製造技術において世界的なノウハウを持つ〈プラダ〉の技術が宇宙服開発でも遺憾なく発揮されているなんて、ファッション好きであれば思わずワクワクしてしまう話じゃないか。
テクノロジー、イノベーション、創造性において世界をリードする〈プラダ〉と〈アクシオム スペース〉のコラボレーションは、ファッションと宇宙開発双方の歴史にエピックな出来事として記憶されるに違いない。
なお、この宇宙服は2024年10月18日からイタリア・ミラノの中心部で開催されるIACイベントの延長として、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世ガッレリアで展示され、一般公開されている。更なる情報はプラダ 公式サイトをチェックしよう。
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