Made in Malibu Bill Wall Leather

シルバー界の巨匠、ビル・ウォール・レザーの魅力(パート1・ヒストリー編)

地元を愛し、マリブ生まれであることを誇りに世界へ向けて今日もシルバーとレザーのクリエイティブを行うビル・ウォール・レザー。ここ日本では特に絶大な支持を集め続ける「シルバー界の巨匠」の意匠に迫る。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : BEAMS

マリブのローカルから世界へ

1985年にアメリカ西海岸の小さな町、マリブで産声を上げたBill Wall Leather(ビル・ウォール・レザー)。今年でブランド誕生から34年を数える老舗ブランドだ。ごく少数の職人たちがハンドメイドで作るジュエリーや革製品は地元マリブのローカルたちはもちろん、日本のストリートも席巻。90~00年代にかけて爆発的なヒットしたシルバーブームの中心的存在として君臨した。また、ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズやダフ・マッケイガンといったスターミュージシャンからハリウッドのムービースターの多くを顧客に抱えている。
そういったスターからも愛されているのは、アメリカのショービジネス界に生きるセレブたちが多く住むマリブという土地柄のせいもあるだろう。ただ、星の数ほど多く存在するジュエリー/レザーブランドの中でも際立って個性的であるがゆえの当然の結果だと個人的には思っている。ビル・ウォール・レザーはそれほどユニークでクールなブランドなのだ…昔も今も。


若かりし頃のビル・ウォール。地元マリブの海岸で撮られた貴重なショットである。

50代を超えた今も率先してジュエリーや革製品の製作に没頭するスタイルを貫く。古いバイクやクルマいじりは今でも続けている。

DIY精神を武器に「本物のシルバージュエリー」を作り続ける

ブランド設立前のマリブは今よりもずっと何もない町だったという。デザイナーのビル・ウォールはティーンエイジャーの頃からバイクやクルマを自分で整備する手先の器用さとDIY精神を兼ね備えた性格だった。母や叔父がジュエリー製作を行っていたこともあり、早い頃からビルも自分でデザインし、作ることをごく自然な流れで覚えていったようだ。
このDIY精神はアメリカ西海岸を拠点に活動するアーティストが共通して持つスピリット。バイク事故でしばらく入院することを余儀なくされた若かりし頃のビルは、「他にやることもないので」本格的にバイク用のウェアを製作し始める。初めは自分のために。徐々に周囲の友人や知人のために。クロムハーツがそうだったように、ビル・ウォール・レザーも始まりはそんな小さな世界だったのだ(もっとも、ブランドの設立はクロムハーツよりもビル・ウォール・レザーの方が数年早い)。
シルバーパーツがセットされたライダースジャケットやパンツ、ベスト、そしてジュエリーの評判はジワジワと口コミで広がっていった。伝説的なシルバーブランド「ガボール」のガボール・ナギーや「トラヴィス・ワーカー」のトラヴィスとはブランド設立前から切磋琢磨し合った仲。2019年の今、80年代に生まれた伝説的なシルバーブランドのつながりを見ると、運命というのは確かに存在するのかもしれないとすら思う。ビル・ウォールとガボールやトラヴィスの出会いはまさに必然だった。
誰もが初めは「ローカルの中のローカル」だったが、いつの時代も世の中は「本物の中の本物」を見過ごすことは決してない。ロサンゼルスを拠点に活動するロックスターやハリウッドスターから見出され、噂は噂を呼び、敏感な一部の日本のバイヤーたちにも注目され、やがてここ日本にも上陸。メンズジュエリーの世界を塗り替えるムーブメントを生み出すことになる。


地元のサーファーや釣り人たちで賑わうマリブの海岸線。ビル自身は昔も今もフィッシングに夢中で、海の生物や釣り道具などをモチーフにしたジュエリーも多く生み出してきた。

ローカル感の強いアトリエ。ここでビル・ウォール・レザーのすべてのアイテムが生まれる。

ビル・ウォール自身のライフスタイルから生まれる至極のデザイン

ビル・ウォール・レザーには定番のクロスやスターといったゴシック系モチーフもあるが、「らしさ」を強く感じるのはやはり海や自然のモチーフと、スカルモチーフだろう。両方ともビル自身のライフスタイルに根付いたデザインだが、前者はよりパーソナルな趣味で受けた影響が大きい。フィッシングに欠かせないフィッシュフックやウェーブ(波)などは、まさにマリブでの生活からインスピレーションを受けて生まれたモチーフだ。
一方スカルモチーフはごく初期の頃に製作していたものの、早い時点でラインナップから消す。その理由はガボールだった。親友のガボール・ナギーが作るスカルモチーフのジュエリーがあまりに最高だったため、ビルは自身のブランドからスカルデザインをリリースする必要を感じなかったという。
再びビル・ウォール・レザーにスカルモチーフのハードコアなジュエリーが復活したのは00年代に突入してからだった。90年代後半にガボール・ナギーが突然死去し、親友への追悼と「自分がガボールの代わりに最高のスカルを生み出してやろう」という意気込みを感じたから、と過去に語っている。


キャストされたクロスやスカル、アニマルなどのモチーフやパーツがゴロゴロと。外注をせずにすべての工程を自社工房で製作するスタイルを今も貫いている。

18kゴールドとシルバーを組み合わせるゴージャスなジュエリーもビル・ウォール・レザーの得意とするところ。こういったハードコアでボリュームのあるスタイルからミニマムなデザインまでラインナップは豊富だ。


成功を収めてもビル自身が今も工房で他のスタッフと同じデスクやチェアで製作する。自分の仕事を愛しているがゆえのスタイル。

手作り感あふれるデザインと作りもビル・ウォール・レザーの魅力。カッチリし過ぎず、どこか温もりを感じるジュエリーは男女問わず幅広く支持されている。

どれほど人気が出ても変わらないアルチザンスピリットがファンを魅了する

ビル・ウォール・レザーにはいくつも魅力があるが、ブランド設立当初からほとんど変わっていないところがファンを魅了する理由のひとつなのではないだろうか。つまり、地元を愛し、地元で作り、自分のライフスタイルから生まれるリアルなモノ作りを続けているということ。規模は多くなっても設立当初のアルチザンスピリットは変わらず持ち続けているのだ。それこそがビル・ウォール・レザーをビル・ウォール・レザーたらしめている最大の理由なのかもしれない。
本日はビル・ウォール・レザーというブランド自体について記事にしたが、パート2の次回はジュエリーや革製品をいくつか紹介しながら、プロダクトの魅力に迫ろうと思う。お楽しみに!

ITEM CREDIT
  • All items made by:Bill Wall Leather

2件のフィードバック

  1. 匿名 より:

    いつも拝見しております。 よく勘違いされる人がいるみたいですがビル・ウォール・レザーのデザイナーの名前はビルさんでなくウィリアム・クレイグ・ウォールさんのはずですが?

    • wpmaster より:

      こんばんは。もちろん存じ上げております。ただ、一般的にはあまりにもビル・ウォールという名前で知られている方なので、敬愛を込めてニックネームの方で書かせていただきました。ただ、紛らわしさがあったようで失礼しました。

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