So rugged yet so clean less is more

自分への最高のご褒美として購入したクロムハーツのベルト

ゴツゴツした彫り込み。深く燻されたシルバーのコントラスト。クロムハーツのベルトには時代を超えた普遍性がある。


Written / Photo : LIVE IN RUGGED

精一杯働いたご褒美として選んだクロムハーツのベルト

このベルトを手に入れる前からクロムハーツのアイテムはいくつか愛用していたが、私にとってこのベルトは価格以上に価値があるとても大切なものだ。新卒で入社したシルバージュエリーの制作・販売会社を4年半勤め、転職が決まったタイミングでクロムハーツ東京で購入。よくある自分へのご褒美だ。新卒でたった4年半働いたご褒美としては贅沢過ぎると思うだろうか?もしかしたらそうかもしれない。しかし、当時の私にとってはこのベルトを買うことはこれ以上ない最高の選択だったのだ。
デザイナーとして新卒で入社したジュエリー制作会社はわずか20数名しかいなかったため、当然のように「ジュエリーのデザイン」以外の仕事も対応した。企画、ブランディング、撮影、カタログ作成、ディレクション、採用業務、取引先とのやり取り、プレゼン資料作成、取引先でのプレゼン、工場への指示、工数の調整、ウェブサイト設計やデザイン、そしてもちろんジュエリーデザイン。商品のデザインは手描きがメインだったがイラストレーターやフォトショップを使うことも多々あった。デザイナー自体が2名しかいなかったため毎日日付が変わっても残業続き。当時は車通勤だったので、真冬の深夜2時過ぎに帰宅途中に疲労で眠くなり、極寒の中眠気を飛ばすためにウインドウを全開にしたことを鮮明に覚えている。今振り返ると感覚が少し麻痺していたのかもしれない。新卒で若かったことと、若さゆえの経験不足で自分の至らなさを自覚していたため、残業自体はそんなもんだろうと思っていた。
だから、たまに奮発して買い物をすることが何よりも楽しかった。物欲の高さは今も昔も変わらないけれど、今とは単純に給料が違う。給料も低かった私にとってはベルトに約17万円(当時の価格)は贅沢と言う概念を超越した高額だったのだ。でも、だからこそ大好きなブランドの大好きなデザインを4年半頑張ったご褒美として選んだ。


ヨーロッパ的なデザインと厚みのあるゴツゴツした造形。クロムハーツのベルトには機能性を超えた美しさが備わっている。

しっとりとしたしなやかさとタフさが共存するレザーの質感もたまらない。ハードユースしたため縫製は一部切れてしまったが、手に入れてから12年以上経っても当たり前のように着用できる。

17万円でも安い!そう断言できるクロムハーツのベルトの魅力とは

クラシックOTJフィリグリーベルトは今も継続して作られる定番アイテムのひとつ。クラシックオーバルやガンズリンガーなどの不動の人気モデルに比べると影の薄さは否めないものの、クロムハーツらしいデザインと合わせやすいバックルの形状で実は愛用者も多い。実はクラシックオーバルとガンズリンガーも購入候補だった。でも当時の私にはクラシックオーバルは主張が強すぎたし、ガンズリンガーは大人しすぎたのだろう。両者の良さを合体させたようなクラシックOTJフィリグリーベルトはまさに理想的なデザインで、手に入れた時は本当に嬉しかったことを覚えている。
シャツインで主張するのが正しい使い方のようなベルトかもしれないが、誰かに見せびらかすような着こなしをしなくても楽しめる。本当に大切なのはモノを愛する気持ち。遠いアメリカで銀職人と革職人が手作業で作ったモノが海を越えて今自分の手元にあるという幸せは何物にも代えがたい。クロムハーツは創業当初からすべてのアイテムをひとつひとつ人の手を介して制作するスタイルを一貫している。アメリカのブランドの多くが生産拠点を人件費の安いアジア圏に移す中、そんなことはあり得ないと言わんばかりに頑なに100%自国生産にこだわる姿勢も、このブランドの魅力のひとつだろう。12年間以上ハードに使い込んだのでベルトの縫製が一部切れてしまってはいるものの、今でも当たり前のように着用できるタフさも素晴らしい。そう考えると約17万円というびっくりするような価格も安いものではないか。


ドゥニーム662と一緒に。どんなボトムスとも合うがやっぱりジーンズが一番しっくりくる。旧式力織機で織られたセルビッジデニムとクロムハーツのシルバー&レザーの組み合わせはタイムレスの一言。

使い込むほどダメージも蓄積されていく。それでも使い続けるのはその先にある経年変化の美しさゆえ。

今までもこれからもずっと大切に使い続けられる大切な相棒

このベルトは社会に出てから初めて経験した辛さや楽しさの結晶のように感じる。久しぶりにスターリングシルバー製のバックルをシルバーポリッシュで磨き、当時の思い出やこれからの生き方について考えてみたりもする。間違いないのは、これからどんな仕事をして何を買っても、このベルトは必ずこれからも私のそばに寄り添い続けるということだ。

ITEM CREDIT
  • CHROME HEARTS:Classic OTJ filigree leather belt
  • DENIME:662

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