ダルチザンからブランド誕生40年を祝う記念モデルが登場

「古き良き服を再構築し、今に伝える」をコンセプトに1979年に誕生したSTUDIO D’ARTISAN(ステュディオ・ダ・ルチザン)が今年40周年を迎えるにあたり、続々と記念モデルを発表している。ジャパンデニムという概念すらなかった時代から確かなモノ作りを貫くダルチザンの記念碑的限定モデルに迫る。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : STUDIO D’ARTISAN

4つのキーワードを体現する記念モデル

デニムに特化したアパレルブランドが40年も第一線で活躍していること自体が非常に稀有なことだ。ダルチザンと同時期に生まれたブランドのうち、いくつが今も残っているだろうか?ファッションは10年サイクルで回り続けると言われているが、ダルチザンの場合少なくともその長いサイクルを4回は経験していることになる。そして、安易に流行に迎合せずに信念を持ってモノ作りをしてきたこと、それが国内外のファンに支持されてきたことが何よりも素晴らしい。
先日発表された40周年記念モデルは4つのキーワードを体現している。「HERITAGE」「WORLD WAR」「GOLDEN AGE」「GENT」…どれもアメリカンカジュアルとは切っても切り離せない強いキーワードだ。本日の記事では、多数登場したモデルの中からデニムに絞ったアイテムを紹介する。
まずは40thヘリテージジーンズから。1920年代にダンガリーズと言われたビブオーバーオールをデザインのベースとし、ラギッド極まりない太いシルエットが特徴。当時の労働者向けに作られたジーンズを参考にしてため、股上は動きを妨げないよう深く設定。ヒップはゆとりをもたせた大きいシルエットにし、全体的にゆったりとした形で仕立てられている。
デニムは13ozのジンバブエコットン100%。綿が品種改良されて完全に白くなる前のものを再現し、通常の糸よりも茶色に見えるというマニアックな素材が使われた。シンチバックが付いていることもこのジーンズをクラシカルなルックスに昇華している。加えてサスペンダーストラップやカラカン始末の裾、股の部分に打ち込まれたクロッチリベット、サビ加工を行ったタックボタンとリベットなど、細やかなディテールやパーツに至るまで徹底的に20年代のジーンズの雰囲気を再現。「HERITAGE」のキーワードを代表するアイテムであると共に、今回の記念モデルを象徴する極めて特別なジーンズだ。


ストンと下に落ちるクラシカルなストレートシルエット。バックポケットに打たれた打ち抜きリベットも古き良き時代を彷彿させる。

こちらは「WORLD WAR」を代表する40th大戦ジーンズ。いわゆる大戦モデルで、簡素なディテールを再現したジーンズだ。デニムは荒々しさのある15ozを採用。


40th大戦ジーンズのバックショット。股上は大戦モデルらしく深めに設定されている(30インチで29.5cm)。革パッチには「FOR THE DURATION(戦争が終結するまで)」のメッセージ入り。

「HERITAGE」から登場した40thヘリテージデニムジャケット。1900年代初頭の通称1stタイプをダルチザン流にアレンジ。ジーンズ同様100%ジンバブエコットンを採用し、泥臭くも洗練された雰囲気を感じる。

40年の歩みがあるからこそ生まれる強い説得力

1950年代以前のジーンズをモチーフにクリエイトするブランドは数え切れないほど多いし、それがデニム業界の王道だったりするわけだが、ダルチザンの完成度の高さは業界随一だろう。元々フランスで学んできたデザイナーが立ち上げた背景があるため、今回の記念モデルも無骨な中に高級感や洗練された雰囲気がある。一見相反するような要素が反目することなく共存させてしまうのがダルチザンの凄いところだ。


40thヘリテージシャツは20世紀初頭のヴィンテージバンドカラーシャツがモチーフ。珍しいバンドカラーがヨーロッパ的な印象で面白い。生地は6.5ozのジンバブエコットンで、ストーンバイオウォッシュ加工を施している。柔らかな質感を持つデニムは着込むことで更に表情を変える。

こちらも40thヘリテージデニムジャケット。ゴツゴツとしたデニムの質感がたまらない。ヴィンテージ加工を施したタックボタンやシンチバックもラギッドさを盛り上げる。ジャケットの内側に贅沢にセルヴィッジを使うなど、デニム狂が歓喜するディテールを備える逸品。

今後全サイズSOLD OUTになる可能性あり

40周年を祝う記念碑的なモデルであることと、デザインも作りも超一級であることを考えると、今後これらの限定アイテムが全サイズSOLD OUTになる可能性は高いだろう。早くも人気のあるサイズから在庫がなくなっているので、ダルチザンファンはもちろん、デニムファン、アメカジファンは手に入るうちに購入しておいた方が良さそうだ。そういう私も変えるうちに買っておこうかと画策中…問題はどれを買うかを決められないほど各アイテムの完成度が素晴らしいことだろうか。

ITEM CREDIT
  • STUDIO D’ARTISAN:40th Heritage jeans / 40th World war jeans / 40th heritage denim jacket / 40th heritage shirt

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