ヴィンテージと現代を見事に繋げたフルカウントの大戦モデル

第2次世界大戦時に作られた特殊なディテールを持つ「大戦モデル」。当時を経験したリーバイスのみならず、ジャパンデニムブランドからもいくつも大戦モデルがいくつも誕生した。本日はフルカウントが過去にリリースした魅力的な2100 WWII MODEL(25周年記念モデル)に迫る。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : Fullcount

戦時中だからこそ生まれた特異なモデル

まずは大戦モデルについて簡単に説明しよう。
第2次世界大戦に連合国側から参戦したアメリカは、他国と同様戦時中は武器や兵器製造などの費用や物資を捻出するため、様々な規制を企業・国民に課す。デニム産業においても、リベットやボタンなどの金属パーツはもちろん、生地や縫製糸に至るまで節約を余儀なくされた。
節約を課されながらもジーンズが軍需工場の作業服に指定されていたことから、当時のデニムメーカーは仕様の簡素化と大量生産を両立させることが求められたのである。
この戦時中だけに起きた特殊な条件はレアな仕様を持つジーンズやデニムジャケットの誕生に繋がる。雑な縫製、重要な仕様の省略、汎用的な金属パーツの流用など、メーカーとしては不本意そのものだっただろう。それでも「デニムはタフで丈夫であること」という命題を守るべく色々な工夫を施していたのが大戦モデルであり、歴史的に見ても非常にレアなアイテムが揃う。
結果的にデニム狂たちが血眼で探すようになった大戦モデル。ジャパンデニムのクオリティでマニアックな仕様を再現しているフルカウントの2100 WWII MODELは、かつて存在した厳しい時代の仕様を丁寧になぞりつつ、独自の解釈も取り入れた傑作に仕上がっている。


革パッチには大きく「WWII」のスタンプが。人から見られる箇所ではないが、自己満足的には嬉しいアレンジだ。

フルカウントスタッフによる着こなし。ヴィンテージリーバイスの大戦モデルはボックス型のシルエットなので着こなしが難しい。フルカウントの現代的なシェイプはまさにちょうど良いバランス。

マニアックな仕様がてんこ盛り

ヴィンテージディーラーが所有する当時物に基づいて作られた2100 WWII MODELは、当然大戦モデル特有の仕様が多い。
通常5つ付けられるフロントボタンは4つに減少。ボタン自体もフルカウントオリジナルのものではなく、月桂樹ボタンが採用されている。この月桂樹ボタンはいかにも大戦モデルらしいので、デニム狂は思わずニヤリとしてしまう。
ステッチはイエローベース。濃紺のインディゴとの鮮やかなコントラストが美しい。ほぼ中央に付いたフロントポケットはむき出しのリベットで補強されている。


コーティング処理された月桂樹ボタン。デニムジャケットのボタンはかなり目立つパーツゆえ、月桂樹ボタンになると表情が一変する。

むき出しの打ち抜きリベットはデニム狂のマニアックな心を満たしてくれる仕様だ。フルカウント特有の赤いピスネームもデニムに映える。

細部にまで徹底的にこだわることで唯一無二のジャケットへ

また、ダブルステッチ部分やポケット周りなどアタリを出したい部分はしっかりとうねりがでる縫製にしていたり、ボタンの受け(裏側)に厚みを持たせているのも特徴。単純にパーツを大戦モデルらしいモノに換えるだけではなく、見た目以外にも注力する本物のデニムブランドであることを感じさせる。


身幅や着丈を現代的にアレンジしつつ、極端にタイトにはしない絶妙なさじ加減。インナーを選ばない汎用性も素晴らしい。

新品状態でうねりのあるアタリが期待できるデニムの質感。

絶え間ないアップデートが積み重なって生まれる極上の大戦モデル

フルカウントはジャパンデニムブランドの中でもかなり早い段階で大戦モデルに注目していた。90年代のレプリカデニムブーム時、他の多くのブランドが501XXの復刻にだけ熱くなる中、フルカウントはその時点で大戦モデルにもフォーカスしていたのだ。
定番モデル化せずに限定モデルとしてほぼ毎年リリースしていることも面白い。生地やシルエット、ディテールを1年ごとに見直して少量生産するスタイルは、アイテム自体の絶え間ないアップデートに見事につながっているし、ファンを楽しませる姿勢の現れだと思う。
ちなみにこちらのデニムジャケットの生地はオリジナルで開発した13.7ozのジンバブエコットン100%。デニムジャケットに使うには最適な重さ・厚みだし、ジンバブエコットンはエイジングが進むほど快適な着心地に変化していくだろう。
フルカウントがデニム初心者からマニアックなファンまで分け隔てなく愛されているのは、デニムへの深い愛情をブランド側が常に持っているからだ。老舗ブランドとして積み重ねてきた豊富な経験が惜しみなくプロダクトに注がれていることも、すべてのアイテムから感じることができる。マニアックな仕様が魅力の大戦モデルは、「New vintage(新しいヴィンテージ)」と呼びたくなる逸品。数十年前のヴィンテージと21世紀の今の時代の架け橋のようなアイテムだ。

ITEM CREDIT
  • Full Count:2100 WWII MODEL

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