オールスター生誕100周年記念モデル – コンバース・タイムライン

ローテクスニーカーの絶対王者として世界中のアメカジファンから愛され続けるコンバース・オールスター。生誕100周年を記念して2017年に発売された「Timeline」シリーズから、白のハイカットを紹介。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : Converse

生誕100周年を記念してジャパンメイドで作られたオールスター

アメカジが好きでコンバースを履いたことがない人はほとんどいないだろう。特にオールスターは完全に定番化した名品であり、その完成されたデザインはファッションの流行がどれほど移り変わっても常に売れ続けてきた。
ハイテクスニーカー全盛期には売れ行きが鈍ったこともあるようだが、絶対的定番はちょっとやそっとではなくならない。レッドウィングのアイリッシュセッターも同じような立ち位置にあると思う。基本的にトレンドとは関係のない世界に生きているのだ。
2017年3月に発売された「Timeline」は、オールスター生誕100周年を記念し、1950年代のモデルを再現したシリーズ。ヒールラベル、アンクルパッチ、プレイヤーズネームのほか、ラインなしの下テープ、テープの高さ、トウキャップの大きさ、羽根の形状など、当時のデザインを何とメイドインジャパンで再現したという。
しかも、ただ単に過去のアーカイブを日本で復刻しただけではなく、ジャパンメイドであることを随所に感じさせるアレンジが施されている。インソールのコンバースロゴはホワイトキャンバスに赤字で印し日本の国旗をイメージ。そしてアッパーキャンバスには紡績から製織までジャパンメイドにこだわる帆布「富士金梅」を採用した。
オールスターJ VTG 50 HIはナチュラルホワイト一色展開。白・赤・青のカラーコンビがいつも以上に日本らしい傑作だ。


高さのある形状は足へのフィット感が高く、ハイカットならではの履き心地がある。サイドアングルの爽やかなデザインがローテク好きにはたまらない。

50年代と同じコットン素材のシューレースを採用。トップアングルから見ると真っ赤なラインが際立って見える。

とことん50年代のデザイン!コンバースの気合いが感じられる

ヒールラベルも50年代のクラシカルなデザインを採用し、MADE IN JAPAN表記がさり気なく入る。側面に誇らしげに入るアンクルパッチにも、星の中にChuck Taylorの文字が入る50年代のデザインだ。他にも、タンには50年代のプレイヤーズネームを再現したプリントが入っていたりと、要所要所にクラシカルなディテールが隠されていて面白い。ヴィンテージファンがこのタイムラインシリーズを見てどう思うかは分からないが、コアじゃないコンバースファンの私から見ると非常に魅力的なディテールが備わっているように感じた。


レッド・ホワイト・ブルーはアメリカ国旗を彷彿させるカラーリングゆえアメリカを指す場合が多いが、このオールスターは日米合作のようなイメージ。

ボックスもクラシカルなデザイン!スニーカーの箱は捨ててしまいがちだけど、これは飾っておきたくなる。

いつの時代も、いくつになっても履けるローテクスニーカーの金字塔

基本的にオールスターというスニーカーは完成されているため、ベーシックなモデルに則ったアイテムであれば、限定モデルであっても大きく見た目を変えることはない。そういう意味ではとてもマニアックだし自己満足度が高い商品と言えるかもしれない。しかし、コンバースファン、もしくはローテクスニーカー好きであれば思わず前のめりになってしまう魅力がタイムラインシリーズにはある。
価格は18,000円(税抜き)なのでベーシックなオールスターよりも遥かに高額だ。ただ、生誕100周年記念モデルであること、日本製であること、上記のように細かいディテールまで特別なパーツやデザインが反映されていることを考えると、法外な値段ではないと思えてくる。きっとコレクターは2足購入して1足は保管しているのではないだろうか。
私自身、10代の頃からスニーカーと言えばコンバースを選んできた。アディダスやナイキも履いてきたが、オールスターから離れたことは一度もない。そういえば20年以上玄関からオールスターがなくなったことがない。そこまで溺愛できているのは、オールスターが100点満点のデザインであることと、流行や年齢を超えて履き続けられるクラシカルな存在だから。きっと40代を迎えても変わらず履き続けていることだろう。

ITEM CREDIT
  • CONVERSE:ALL STAR J VTG 50 HI