ハンドダイ(手染め)で作られるMOTOのホースバットエンジニアブーツ
モーターサイクルカルチャーやネイティブアメリカン、ミリタリーなどをテーマにありとあらゆる物をレザーで作ってしまうMOTO。イタリアンホースバットを贅沢に使用したエンジニアブーツはこれからのシーズンに完璧な逸品だ。
40年代のヴィンテージをベースにした最高に美しいエンジニアブーツ
見た瞬間に心が奪われるモノ。そしてスペックを調べてますます惚れてしまうモノ。この両者を満たすアイテムにはなかなか巡り合えない。
この美しいエンジニアブーツは日本のレザーブランド、MOTOのアイテム。正しくは、MOTOの中でも代表の本池秀夫氏がディレクションを行う”MOTOR NEW VINTAGE”からリリースされたドレスエンジニアブーツである。
この美しいエンジニアブーツは日本のレザーブランド、MOTOのアイテム。正しくは、MOTOの中でも代表の本池秀夫氏がディレクションを行う”MOTOR NEW VINTAGE”からリリースされたドレスエンジニアブーツである。
エンジニアブーツにしてはやけにスッキリしているな…それが最初の感想。このブーツは本池氏が所有する40年代頃のエンジニアブーツをベースに製作しており、スッキリしている理由はトゥにある。レッドウィングやウエスコなどアメリカンブランドではトゥ(つま先)に必ずと言って良いほど先芯が入るのだが、本池氏が所有するヴィンテージはそれがなかった。それに倣い、元から先芯を抜いた状態で設計したため、ドレスシューズのようにすっきりとしたナローラストシルエットになったというわけ。
写真を見れば一目瞭然だが、真横から見ると爪先から足首に掛けてグイッと急激に立ち上がって行く。まるでビッグメゾンが作るロングブーツのような気品あふれるオーラが本当に美しい。
イタリアンホースバットをこれでもか!というほど贅沢に使う
見た目の美しさと履き心地の両立のため、MOTOは試行錯誤を繰り返したようだ。土踏まずに重心が乗るように制作した木型と立体感のあるインソールにより、足についてくるようなフィット感を実現。また、甲をスッキリと立ち上げることで足入れの良さも感じられるという。
このエンジニアブーツの強烈な売りのひとつが使われるレザーだ。フルベジタブルタンニンなめしのホースバットを前面に採用。産地はイタリアだ。イタリアンホースバットは肉厚で堅牢さに長けており、タフさと上質さを求められるMOTOのエンジニアブーツには最高の素材と言えるだろう。
ちなみにこのホースバットは傷や色ムラ、トラ模様などの個体差をあえて活かし、素上げ(クラスト)状態のまま仕上げられる。神経質すぎるほど革本体に美しさを求めるのではなく、自然発生的にできる模様や傷を活かして作る。個人的にはレザー製品はそれこそが正しい姿勢なのだはないかと思う。
ちなみにこのホースバットは傷や色ムラ、トラ模様などの個体差をあえて活かし、素上げ(クラスト)状態のまま仕上げられる。神経質すぎるほど革本体に美しさを求めるのではなく、自然発生的にできる模様や傷を活かして作る。個人的にはレザー製品はそれこそが正しい姿勢なのだはないかと思う。
また、ソールにはヨーロッパのドレスシューズに使用される最高級ランクのベンズ、イタリアンオイルドオークバーグを採用。反り返りの良さはもちろん、歩きやすさと疲れにくさに直結するソール部分にもコストを惜しまずに高級素材を使う辺り、MOTOのこだわりと気合いが伺える。
作りはグッドイヤー製法。ソールはBILTRITEセパレート仕様。履き始めはやや硬めだが、徐々にオーナーの足に沿った馴染み方をしてくれる。
作りはグッドイヤー製法。ソールはBILTRITEセパレート仕様。履き始めはやや硬めだが、徐々にオーナーの足に沿った馴染み方をしてくれる。
極めつけはハンドダイ!手染めで一点一点染められ完成する
そして、このエンジニアブーツはハンドダイ(手染め)で一点一点染められる。MOTOには財布などの革小物でもハンドダイシリーズが作られているが、エンジニアブーツのような比較的大きいアイテムで手染めされているのはまさにリッチ。濃度の異なる染料を重ねることで、ひとつの色味でも奥行きのあるカラーに仕上がるのがハンドダイの特徴だ。
大切なのは技術はもちろん、センス。濃度の異なる染料をどこにどの程度塗るか。どんなバランスで重ねていくか。そうやって手染めで染められた結果美しく仕上がるにはセンスが必要なのだという。なので、ハンドダイシリーズはただ単に技術がある職人なら対応できるというわけではないらしい。
最高級の素材を惜しみなく使った美しいシェイプのエンジニアブーツ。バイクはもちろん、乗馬のライディング時に履くのも最高にクールだ。もちろん街履きにも最適。深みのあるグリーンカラーが経年変化していく様を想像するだけでワクワクしてしまう。
ITEM CREDIT
- MOTOR:Italian horsebutt dress engineer boots -green-