写真家の篠山紀信が死去
半世紀にわたり、写真界の第一線で作品を発表し続けた巨星
Written : LIVE IN RUGGED
時に社会現象を引き起こしながら、時代を象徴する写真を残してきた偉大な写真家
日本を代表する写真家であり、時代を象徴する数々のポートレートを多く手掛けた写真家の篠山紀信氏が1月4日(木)に死去した。享年83。
1940年に東京都新宿区に生まれ、日本大学芸術学部写真科で学ぶ傍ら、広告制作専門会社のライトパブリシティに入社した篠山紀信氏は、広告写真の撮影からキャリアをスタートさせた。在籍中に発表したヌード写真が注目を集め、新鋭写真家として1961年に「日本広告写真家協会展公募部門」APA賞を受賞。その7年後となる1968年に独立してからは「週刊プレイボーイ」のヌード写真や青年誌「GORO」での「激写」シリーズ、「週刊朝日」の「女子大生」シリーズなどを手掛けている。
写真を中心とした著書を300冊以上刊行する精力的な活動でも知られる。世界的な知名度を上げたジョン・レノンとオノ・ヨーコの写真をはじめ、作家の三島由紀夫や山口百恵、坂東玉三郎など、時代を象徴する著名人を撮影。宮沢りえをモデルにした「Santa Fe」や樋口可南子を撮影した「water fruit」では社会現象を起こすほどの話題を集めた。先に述べた「激写」シリーズではアイドルの水着姿から一般人までを対象にアーティスティックな写真を撮影し、後進の写真家たちに多大なインスピレーションを与えてきた。