自然素材×ハンドメイド – カリフォルニアの美しい手仕事が光る ERL のムートンコート

ファッションの本場がフランスであることは否定しないけれど、近年ますますアメリカのブランドが面白い。歴史のある大御所ブランドから、地元のスケーターから支持されているような超ローカルブランドまで、アメリカには本当に色々なブランドが存在しているのはご存じの通り。そして、規模の大小を問わず多くのアメリカンブランド共通しているのが、ローカル精神を大切にしていることではないだろうか。マスに寄りすぎたり、気取ったハイファッションを目指すのではなく、ストリート精神にあふれていること。ここでいう “ストリート精神” とは、洋服のデザイン性のことを指すのではなくて、ブランドとしてのメンタリティのことだ。これはファッションブランドだけではなく、家具やオーガニック食品、雑貨などジャンルを超えて共通する “アメリカの美学” のように感じることが多い。

Eli Russell Linnetz（イーライ・ラッセル・リネッツ）が手掛ける〈ERL（イーアールエル）〉も、アメリカで活動していることに誇りを持っているブランドだ。Levi’s® との2度目のコラボレーションコレクションの発表や、2024年4月に待望のオンラインストアを開設したこともニュースになっており、今年もっとも注目度の高いファッションブランドのひとつである〈ERL〉は、オンライン限定で “Made in California” コレクションを発表。イーライ・ラッセル・リネッツが生まれ育った地元、カリフォルニアの農家で発生した羊毛の廃棄物や、〈ERL〉のスタジオの周りを歩き回っていた羊から採取した羊毛を用いたアイテムを中心に展開される “Made in California” コレクションには、ハンドメイドの美学と深い地元への愛情が詰まっている。
本稿では “Made in California” コレクションを象徴するCALIFORNIA SHEARLING COAT（カリフォルニア シェアリング コート）をフィーチャー。間もなく本格的なサマーシーズンが到来するタイミングでモコモコのコートを紹介することに若干迷いを感じてしまったが、この手のアイテムはいつまで販売されるか分からないのが常。それでは、以下のフォトギャラリーとともにピュアなハンドメイドムートンコートをご堪能あれ。

美しい発色のイエローカラーに染め上げられた本モデルは、先に述べたようにカリフォルニアの羊毛を100％使用。これぞムートン！と言える毛足の長さとモコモコ感を思う存分堪能できる逸品だ。SDG’s的に動物の皮革を用いることに抵抗を感じてしまう時勢になってしまったけれど、〈ERL〉の羊毛を使ったアイテムはすべてカリフォルニアの厳しい審査をクリアしていることも付け加えておきたい。

ちなみに同ブランドは〈COMME des GARÇONS Parfums（コム デ ギャルソン・パルファム）〉や〈DIOR（ディオール）〉、先に述べた〈Levi’s®（リーバイス®）〉とのコラボレーションのほか、第104回の「Pitti Immagine Uomo（ピッティ・イマージネ・ウォモ）」ではゲストデザイナーとして参加。同会場のインスタレーションを手掛けるとともに、ブランド初のランウェイショーを実現させている。そう聞くと制作されるアイテムはモードブランドに近しいのか？と思われるかもしれないが、良い意味でアメリカンブランドであることを強く感じるデザインも〈ERL〉の強烈な個性だったりする。

まるでコミックの世界から飛び出してきたかのようなポップなデザイン・フォルムも〈ERL〉ならではの魅力だ。本稿で紹介しているシェアリングコートもご覧の通りモコモコとした質感を最大限に活かしたオーバーサイズで制作されており、ファッションアイテムとしての存在感も抜群。好き嫌いが激しく分かれる点もアメリカンブランドらしくて最高じゃないか。
希少なカリフォルニア産の羊毛を100％使いハンドメイドで制作されるCALIFORNIA SHEARLING COATの価格は、1,389,100円。凄まじいプライスが掲げられているが、我こそはという方はERL 公式オンラインサイトをチェックしてみよう。

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