
【プレイバック】A BATHING APE x UNDERCOVER が95年に発売した Beck Tシャツ
〈A BATHING APE®〉マニアが今でも「発見→即購入」する〈UNDERCOVER〉コラボのBeck Tシャツは、発売から30年を経ても変わらない魅力を持つ
ファッションに目覚めた頃に夢中になった〈A BATHING APE®〉
何事においても初めて体験した時の衝撃は忘れられない。ファッションに目覚めたというと大げさかもしれないけれど、中高生の頃に洋服に目覚めたきっかけのひとつが〈A BATHING APE®(ア ベイシング エイプ®)〉だった。当時、裏原宿系ファッションのブームの真っ只中だった90年代後半~2000年代初頭の頃、〈ア ベイシング エイプ®〉は間違いなくもっとも人気の高いファッションブランドのひとつだった。猿を主役にしたオリジナリティ抜群のグラフィックデザイン、数量限定の購買意欲を刺激する販売方法、他ブランドとの魅力的なコラボレーション…。生産数を限定することは当初狙ったものではなく、単純にお金があまりないからたくさん作れなかっただけらしいのだが、結果的に「欲しいものが簡単には手に入らない」状態を生み出し、それがさらに熱狂的な人気を呼び起こした。当時の〈ア ベイシング エイプ®〉の直営店である「BUSY WORK SHOP(ビジー ワーク ショップ)」には多くの行列ができ、文字通り争奪戦の様相だったことをよく思い出している。
当時筆者はいくつも同ブランドのウェアを並んで購入していたのだが、欲しくても手に入らず悔しい思いをしたのが、本稿で紹介する〈UNDERCOVER(アンダーカバー)〉とコラボレーションし、Beck(ベック)の写真をプリントしたTシャツだ。




夢か幻のように市場に出てこない激レアTシャツ
1995年に発売された本モデルは、ベックの憂いのある表情を捉えたモノトーン写真を主役にしたシンプルなデザイン。写真の下には「UNDERCOVER BECK A BATHING APE」とコラボを示すタイポグラフィがプリントされた、ファン垂涎の逸品だ。私が〈ア ベイシング エイプ®〉を知る前に発売され、すでに完売していたことと、当時はネットで洋服を買うというシステム自体が皆無に等しかったこともあり、本モデルの存在を知った時に手に入れることはかなり難しかったと記憶している。現在はフリマアプリなどでごくまれに出品されることがあるが、高値でもすぐに売り切れてしまうので、やはり手に入れることは難しい。
ティーンエイジャーだった頃に憧れていたこの激レアTシャツは、もし今販売されていたら金銭的には購入できる。しかし、まるで夢か幻のように市場に出てこない。30年前に日本のキッズたちを熱狂させたこのネオヴィンテージTシャツは、きっと5年後、10年後にはもっと価値が出ていることだろう。90年代の裏原宿系ファッションをリアルタイムで経験した人間にとっては、いくつになっても憧れの逸品なのだ。
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ITEM CREDIT
- A BATHING APE® x UNDERCOVER:Beck T-Shirt