タフなのにカジュアル – レッドウィング8172はラギッドなスタイルに最適なワークブーツ

「普段着」的に履くワークブーツのベストオブベスト。長年レッドウィングを愛用し続けてきて、私はそう結論づけつつある。


Written / Photo : LIVE IN RUGGED

カッコいい、履き心地が良い、安い。

某牛丼店の謳い文句のようだけれど、レッドウィングの魅力はまさにこの3つだ。ワークブーツとして文句の付けようがないほどカッコいい。レースアップブーツ、エンジニアブーツ、ぺコスブーツ、短靴など様々なモデルがあり、ひとつとして「これはイマイチだな」と思うモデルがない。これは他ブランドと比べても驚異的だ。お金さえあればすべて試してみたいと思えるブランドはレッドウィングだけかもしれない。
これは単純にレッドウィングのデザイナーの手腕が優れているだけではなく、マーケティングスキル等を含めて相当なレベルなのだと思う。ユーザーが求めるニーズを的確に把握し、それに合わせたシューズを非常に高いレベルで実現できるのがレッドウィングというブランドである。過去の遺産を大切にしつつ(これは他のどのワークブーツブランドも基本的にはそうしている)、時には当時のまま復刻させ、また時にはアップデートさせてリリースしている。
履き心地の良さに関しても他ブランドを一歩リードしていると言えるだろう。例えばウエスコやホワイツといったライバルたちは履き始めに「通過儀礼」と呼ばれる痛みを伴う。ブーツが足に馴染むまでは脱ぎ履きはもちろん、歩いているだけでも痛さを感じる期間があって当たり前なのだ。レッドウィングにそれがないとは言わないが、主観では痛みの少ないブーツが多いと感じてきた。そして、一定時間経過すると更に履き心地が良くなっていく。重量が比較的軽めなのも履き心地に良い影響をもたらしている。
値段が安いことはもっとも多くの同感を得られるかもしれない。アメリカ製のワークブーツがいまだに3万円台で購入できることは、私がずっとファンでいることの大きな理由だ。標準的なレースアップブーツを2足購入しても、ウエスコやホワイツの1足の値段にも満たない。素晴らしいことだ。


直近の数年間でもっとも穿いたシューズである8172。プレーントゥとビブラムソールの組み合わせはラギッドそのもの。

雑に扱ってもへこたれないタフさもワークブーツの魅力だ。雨の日も雪の日もガンガン履いて、何事もないように耐えてくれる頼りになる相棒。

一度も人と被ったことがないマニアックな8172

ところで、8172というモデルを知る人がどれくらいいるだろうか?日本では875や8179といったモックトゥか、プレーントゥでも8165や8081などのアイアンレンジがメジャー。オフィシャルサイトを確認しても8172という型番が現在は製造されていないことが分かる。
8172はプレーントゥ&ビブラムソールという組み合わせがデフォルトで、簡単に言うと8165のクレープソールをビブラムソールに変えたモデルということになる。ブラックウェルトではなくベージュスウェードと同じストームウェルト製法で作られているのが特徴だ。ストームウェルトはアッパーと中底の間に隙間ができないように片側を丸めたウェルト(細い革帯)を使って仕上げる製法で、形崩れを防ぐなどの効果がある。ビブラムソールの頑強さと相まって、何年も酷使しても型崩れが起きる気配がない。
日本ではクレープソールのアイリッシュセッターが爆発的に売れたこともあり、ビブラムソール自体の人気が低かったのかもしれない。8172はヒットアイテムになることなくレギュラーラインから姿を消した。もっとも個人的にはこれほどカッコいいのにマニアックなモデルであることも気に入っているので、まったく気にしていない。


イケメン過ぎる正面図。ワークブーツの王道デザインは眺めても履いても飽きることがない。ビブラムソールのしっかりとした感覚も天候を問わず信頼感を感じる。

ラギッドなレッドウィングがあればそれで充分

とことん褒めちぎっているが、レッドウィング8172に欠点があるかを自問してみても見つからなかった。もちろん数年間履き続けてきたため愛着バイアスが掛かっていることは否定しないが、客観的に見て非常にバランスの取れたワークブーツだと思う。
レッドウィングはタフさが足りないと思う人には特におすすめだ。クレープソールのアイリッシュセッターや、アイアンレンジよりも少しだけタフでラギッドなブーツが欲しい…そのニーズにハマるのが8172ではないだろうか。コストパフォーマンス的にもほぼ無敵であり、買って後悔をしない確率は高い。

ITEM CREDIT
  • Red wing:8172