実用時計の本質が詰まったモデル – ロレックス・エクスプローラー1

ロレックスの定番中の定番モデルにして、常に高い人気を持つエクスプローラー1。1950年代に誕生して以来、基本的なコンセプトとデザインを変えずに作り続けられている「ザ・オーソドックス」に迫る。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : Monochrome Watches

シンプルを極めているロレックス

日付表示なし。黒文字盤のみ。ステンレス素材のみ。この3点において誕生以来変わることなく作り続けられているロレックス・エクスプローラー1。兄弟モデルであるエクスプローラー2が白文字盤と黒文字盤が用意されているのに、不思議とエクスプローラー1は黒文字盤しか作られたことがない。また、他モデルの多くがステンレス以外の素材…ゴールドやプラチナといった貴金属でも作られているのに、やはりステンレスの一種類のみ。
素材やカラーにバリエーションを持たせると他モデル(オイスター・パーペチュアルなど)との差別化ができなくなってしまうから、という事情もあるのだろうけど、恐らくロレックス自身がエクスプローラー1は黒文字盤とステンレスのみで充分だと考えているのだろう。
デイトナやサブマリーナといったスポーツウォッチと比べ、エクスプローラー1は非常にシンプルだ。時間を知ること以外の機能を一切備えておらず、多機能であることを正義と見なす今の時代においてやや時代遅れであるように見えるかもしれない。しかしエクスプローラー1がシンプルさを貫いている理由を探ると、この時計が入門用ロレックスとしても、生涯愛す相棒としても最適な選択であることに気付く。


精悍なルックス。シンプルであるからこそ高いデザイン性が感じられる。3・6・9の数字は視認性に富んでおり、いかなる状況でも正確に時間を知ることができる。

堅牢な3連ブレスレットがもっとも似合う腕時計のひとつと言って良いだろう。ケースからスムーズに伸びるブレスレットの造形美もファンにはたまらない。

極限状況のために作られた腕時計

エクスプローラー1がここまでシンプルなのは、冒険家のために作られた腕時計だからである。黒文字盤の上に乗るシルバーの針や数字は見事なコントラストとなり、あらゆる状況…例え北極圏であろうとも正確に時間を知ることができるのだ。
「いついかなる状況でも正確に時間を確認できる」ことがエクスプローラー1の根底に潜むコンセプト。誕生以来それは一度もぶれたことがない。
針や数字、アワーマーカーには長時間青い光を放つルミネッセンスが採用されている。ロレックス独自のクロマライトディスプレイは夜間の視認性においても死角がない。ヴィンテージウォッチにはトリチウムが塗布されており、それらは経年変化で茶色く変色するため腕時計ファンから愛されるポイントになっているが、実際の機能性においては最新モデルがベストであることは言うまでもない。


完全自社設計・生産だからここまで美しい文字盤を作ることができる。

着用時の佇まいも完璧の一言。エレガントにもカジュアルにも対応できる懐の広さもエクスプローラー1の魅力。

エクスプローラー1は、実用性の高さ=正義と感じる傑作時計

本日紹介しているRef.214270は2016年に登場した現行モデルで、先代に比べてケースサイズが大きく変わった。Ref.114270はケース直径が約36mmとやや小ぶりなサイズだったが、214270は39mmにマイナーチェンジ。一気に3mmもケース径が大きくなり、ファンを驚かせた。
もしあなたが「エクスプローラー1は小ぶりこそ正義」と強く信じるなら、現行モデルを選ぶべきではない。腕時計において3mmの差は数字で感じる以上に大きいからだ。また、エクスプローラー1のようにシンプルを極めているデザインの場合、ケース径は小さめの方が間延びした印象がない分スッキリして見える。着けた時の印象としても36mmの方が過度な主張が少ないのでしっくりくるかもしれない。
ただ、重ねてになってしまうが、現行モデルは特に機能面において過去のモデルを凌いでいる点がいくつかあることは忘れないようにしたい。
例えばブレスレット。先代のRef.114270はオイスターブレスレットのフォールディングクラスプ(折りたたみ式留め具)がダブルロックだったが、現行のRef.214270はオイスターロックに変更されている。オイスターロックにもダブルロック機能があるが、ストッパー機能として更に進化しており、着け心地と耐久性が向上した。夜光塗料も214270はすべての生産モデルで半永久的に光り続けるクロマライト。実用性においてはやはり現行モデルに軍配が上がるのだ。
細かい点を比較すると違いはあるものの、製造年に関係なくエクスプローラー1がシンプルかつエレガントな腕時計であることに変わりはない。極致を探検するために生まれた歴史はお飾りなどではなく、実際に名だたる探検家に愛用されていることも、エクスプローラー1の高い実用性を証明している。
私たちは北極にはいかないかもしれないが、ロレックス史上もっともシンプルなモデルのひとつを日常的に使うことはできる。「変わり映えしない」と揶揄する人は放っておこう。エクスプローラー1には実用時計の本質が詰まっているのだから。

ITEM CREDIT
  • ROLEX:EXPLORER 1 Ref.214270

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