【第1回】腕時計とスター – ジョージ・クルーニー
ハリウッドスターやミュージシャンたちはどんな腕時計を着けているのだろう。連載「Watches & Stars」第1回目はハリウッドスターのジョージ・クルーニーを紹介する。
過酷な経験と不遇の時代を乗り越えて栄光を掴む
ジョージ・クルーニー。1961年5月1日生まれなので、もうすぐ58歳になる。アメリカに生まれ、俳優として4回、監督として1回、脚本家として2回、製作として1回アカデミー賞にノミネートされ、アカデミー助演男優賞、アカデミー作品賞、ヴェネツィア国際映画祭脚本賞などを受賞してきた。名実ともにハリウッドを代表するスターの一人だ。
1978年にテレビドラマで俳優デビューを果たして以来、1994年から1999年までは医療ドラマ「ER緊急救命室」で主要キャラクターのダグ・ロス医師役でレギュラー出演。「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」(1997年)、「アウト・オブ・サイト」(1998年)などで様々な役柄をスマートにこなしてきたが、日本では2001年の「オーシャンズ11」の大ヒットで特に知られている。「シリアナ」(2005年)でアカデミー賞助演男優賞を受賞。「フィクサー」(2007年)や「ファミリー・ツリー」(2011年)などで主演男優賞にノミネートされたほか、プロデューサーとしては「アルゴ」(2012年)でアカデミー作品賞を受賞。物凄い経歴だ。
1978年にテレビドラマで俳優デビューを果たして以来、1994年から1999年までは医療ドラマ「ER緊急救命室」で主要キャラクターのダグ・ロス医師役でレギュラー出演。「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」(1997年)、「アウト・オブ・サイト」(1998年)などで様々な役柄をスマートにこなしてきたが、日本では2001年の「オーシャンズ11」の大ヒットで特に知られている。「シリアナ」(2005年)でアカデミー賞助演男優賞を受賞。「フィクサー」(2007年)や「ファミリー・ツリー」(2011年)などで主演男優賞にノミネートされたほか、プロデューサーとしては「アルゴ」(2012年)でアカデミー作品賞を受賞。物凄い経歴だ。
俳優として演技をするクルーニーは常に華やかさに溢れている。顔がハンサムであるのは言うまでもないが、落ち着いていて知的な印象を受ける。でも生真面目ではなく、男から見てもセクシーで、思わず惹きつけられてしまう魅力がある人だと思う。ハリウッドスターの中で「なりたい顔」ランキングなるものがあれば上位を争うのではないだろうか。
幼少時代からさぞかし充実した人生だったのだろうと思いきや、実は苦労人でもあった。中学時代には顔面神経が炎症で麻痺するというベル麻痺を患い、いじめられた経験もし、かなり辛い時代を過ごしたという。2003年に「デイリーミラー」誌のインタビューでその時のことをこう語っている。
「私の人生の中で最悪の時間だった。あなたは残酷な子供たちがどれだけ残酷か知っているだろう。私は嘲られ、なじられたが、この経験は私をより強くした」
幼少時代からさぞかし充実した人生だったのだろうと思いきや、実は苦労人でもあった。中学時代には顔面神経が炎症で麻痺するというベル麻痺を患い、いじめられた経験もし、かなり辛い時代を過ごしたという。2003年に「デイリーミラー」誌のインタビューでその時のことをこう語っている。
「私の人生の中で最悪の時間だった。あなたは残酷な子供たちがどれだけ残酷か知っているだろう。私は嘲られ、なじられたが、この経験は私をより強くした」
前述の通り1978年にテレビドラマで俳優デビューするが芽が出ずしばらく停滞期が続く。ようやく苦労が報われるのが1994年より放映した人気テレビドラマ「ER緊急救命室」のオーディションだった。このオーディションで主演のダグ・ロス医師役を勝ち取るが、これがダメなら故郷のケンタッキーへ戻ろうと、ズボンのポケットにケンタッキー行きの長距離バスのチケットを忍ばせてオーディションにのぞんだという。結果的にこの役柄がクルーニーの人生を大きく変える。エミー賞、ゴールデングローブ賞にノミネートされ、大ブレイクしたのだ。
日本にも遅咲きの俳優はたくさんいるが、ジョージ・クルーニーもそうだったのは意外だった。子供時代の過酷な経験と、役者として10年以上もの間まったく評価されない不遇の人生。そこからの大逆転は、ファンならずとも痛快さを感じてしまう。
月面着陸に思いを馳せた少年時代
クルーニーは数年前からオメガのアンバサダーをしているが、オメガとの出会いは幼少時代までさかのぼるという。父のニック・クルーニーは映画評論家兼ニュースキャスターで、ジョージが幼いころからオメガの腕時計を愛用していた。また、叔父もオメガを愛用していたという。クルーニー家にとってオメガを身に着けるのは伝統の一部のようだ。ブランドのアンバサダーで契約があるから身に着けているのではなく、子供の頃から大好きだったというエピソードは時計好きも嬉しくなってしまう。
オメガ・スピードマスター・プロフェッショナルはNASAが唯一宇宙空間へのミッション時に公式に採用する腕時計として知られているが、宇宙飛行士たちが月面着陸を果たした時、当時8歳のクルーニーは自宅のテレビにかじりついて中継を見ていた。その時の思い出を以下のように語っている。
「望遠鏡を覗き、『月を歩いている人たちが見える』と両親に言った。もちろん見えるはずがないんだけどね。誰もが宇宙計画に夢中になっていた。スティック状の宇宙食も食べたよ。想像力の可能性に誰もが魅了されていた。父も叔父も、誰もがオメガの時計を身に着けていたよ」
「望遠鏡を覗き、『月を歩いている人たちが見える』と両親に言った。もちろん見えるはずがないんだけどね。誰もが宇宙計画に夢中になっていた。スティック状の宇宙食も食べたよ。想像力の可能性に誰もが魅了されていた。父も叔父も、誰もがオメガの時計を身に着けていたよ」
知性と男らしさを同時に出す極上の伊達男
俳優や監督として輝かしいキャリアを築き、ファッション面でも常に国内外のメディアから注目されてきたクルーニー。もちろんオメガだけを愛用しているわけではないだろうが、スピードマスターやシーマスターのタフで男らしいデザインを完璧に着けこなしている姿はとてもカッコいい。
オフの日はタキシードを着て映画を観に行くこともあるとインタビューで語っていた。なるほど、カッチリしたスーツの印象は確かに強い。しかしハーレー・ダヴィッドソンを長年愛用してきたことからも分かるように、ジーンズを主体にしたカジュアルな恰好も好んでいる。きっとその時の気分やTPOに応じてお気に入りのコレクションの中から腕時計もピックアップしているのだろう。スピードマスター・プロフェッショナルを愛用している私としては、調べれば調べるほどジョージ・クルーニーのことが大好きになってしまった。
不定期の連載になってしまうが、「Watches & Stars」第2回目もお楽しみに!
不定期の連載になってしまうが、「Watches & Stars」第2回目もお楽しみに!
ITEM CREDIT
- OMEGA:Speedmaster Professional / CO-AXIAL Chronograph / Seamaster