クルマ好きが心底憧れる世界 – 自宅ガレージでフルカスタムされたダットサン240Z
自宅のガレージで憧れのクルマを思う存分カスタムできたら…クルマ好きであれば誰しも一度は夢見ることを本当に実践してしまう人が世の中にはいる。友人と一緒にほぼすべてを自分たちで作り上げてしまったZ使いの愛車をクローズアップする。
男の子の夢を叶える幸せ
そもそも日本の狭い土地ではクルマをいじれるほどのガレージを持てないことが圧倒的に多いため、残念ながら「自宅ガレージで愛車をカスタム」を実践できる人はごく少数なのが現実だろう。しかしアメリカには広大な土地を活かし、広いシャッター付きのガレージで機材を揃えてコツコツと組み上げるエンスーたちが多くいる。特にスポーツカー、クラシックカーを自分好みにフルカスタムする猛者は日本では考えられないほど多く、「自宅で生まれ変わった愛車」がSEMAなどのカーイベントで注目を集めてしまうこともあるのだ。
クルマ好きにとっては子供の頃の夢を叶えてしまうような話。本日は自宅ガレージで夢を実践したDominic Le(ドミニク・リー)の愛車、ダットサン240Zを紹介しよう。
クルマ好きにとっては子供の頃の夢を叶えてしまうような話。本日は自宅ガレージで夢を実践したDominic Le(ドミニク・リー)の愛車、ダットサン240Zを紹介しよう。
ほとんどすべてを独学で作り上げた真のクルマ好き
オーナーのドミニク・リーと友人は自宅ガレージで約6ヵ月という短期間でこのZをカスタムしたという。しかも、クルマ屋で働く専門家ではなく、カスタムの知識はほぼ独学。この時点で信じられないような話だが、アメリカにはそういう大胆な男たちが本当に多い。チタン溶接や塗装などのいくつかの専門的な仕事は外部に委託したものの、できるだけ自分たちで学習しながら組み立てていく…この情熱とやる気の高さは真のクルマ好きの証だ。
ご覧の通り、エクステリアはごくシンプルなルックスを保っている。いたずらにローダウンするわけでも、ド派手なオーバーフェンダーを装着するわけでもない240Z本来のルックスを活かしたデザイン。好みが分かれるところだが、クラシックな雰囲気を活かした仕上げは好感度が高い。ただ、オーバーフェンダーはオリジナルではなくややワイドなタイプを採用したという。それによって好みのホイールをセットできるようになり、よりワイルドなイメージになっている。
真紅に塗られたモダンとクラシックが共存するZ
エクステリアはクリムゾンレッドカラーでペイントしている。要所要所にカーボンファイバーのパーツが装備されており、レーシーさを増した。深みのある真紅のカラーは一見攻撃的な印象を与えるが、よく見るとそれほどド派手な色ではないことが分かる。カーカスタムの世界ではカラーリングは生命線のひとつ。オーナーのドミニク・リーはスポーティーでクラシックな世界観を出したかったのではないだろうか。ちなみに、カーボンファイバー製のパーツはドアハンドルやOEMフェンダーミラー、JDMリアライトなど内外装の色々な箇所で使われており、カーボンのブラックカラーによる引き締め効果がてきめんに効いていることも追記しておきたい。
「もし壊れたらまた直せばいい」…吊るしのクルマでは味わえない憧れの世界
エンジン周りや吸排気系まで徹底的にこだわることでパワーアップも実現。オリジナルよりも遥かにパワフルな428馬力を出力するという。元々軽いZを更に軽量化し、よりパワーのあるエンジンで武装する…チューニングの王道を現実的な形で実現したドミニクと友人、恐るべし。大規模なショップではなく、個人レベルでこれらを成し遂げてしまったのだから本当に凄い。
日本で同じことをやることは本当にハードルが高いだけに、余計に羨ましく感じてしまった。憧れのクラシックカーを自分の解釈で好きなようにカスタムする。お金も時間も掛かる趣味かもしれないが、精神的な豊かさがある行為だと思う。利便性や経済面だけを見れば軽自動車やハイブリッドカーの方が遥かに良い。それは間違いないけれど、クラシックカーのカスタムには夢やカッコ良さ、そして持続的なワクワク感がある。最後に、ドミニクの言葉をひとつ紹介したい。
「車を激しく運転したいんだ。万が一何かが壊れたら、また直せばいいのさ」
「車を激しく運転したいんだ。万が一何かが壊れたら、また直せばいいのさ」
CAR CREDIT
- DATSUN:240Z Full custom