生涯頼りになるツールウォッチ – ロレックス・エクスプローラーⅡ

長い間兄弟機の人気の陰に隠れていたエクスプローラーⅡが、近年めきめきと人気急上昇中。ファッショニスタたちからも絶大な支持を集める。突き詰めて調べるほど、「良いモノは良い」という結論に落ち着くのだった。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : HODINKEE

エクスプローラーIと同様、探検家のために生まれたモデル

洞窟など人類未踏の地に旅立つプロフェッショナルのために生まれたエクスプローラーI。エクスプローラーⅡはその上位機種として1971年に誕生した。デザイン自体がエクスプローラーIとは異なるが、最大の特徴は昼夜の区別をするための24時間針が備わっていること。2代目からは第2時間帯を同時に表示可能なGMTを搭載し、更に機能的な進化を遂げた。
しかし、エクスプローラーⅡは間違いなくスポーツロレックスの花形のひとつであるにもかかわらず、長い間市場的な人気が低かった時期がある。最大の理由はユニークなデザインだろう。発売当時は特にルックス面の評価が低く、ロレックスファンの間でも兄弟機であるエクスプローラーIの方が遥かに高額で取引されていた。
ところがここ数年は正当な評価がされるようになり人気が急上昇。初代は軒並み200万円を超える相場になった。


ステンレス製ベゼルの24時間表示と漆黒の文字盤がクール。ただ、オレンジの24時間針がポップなポイントとして効いている。

ケース径は39mm。日本人の腕回りにも理想的なサイズだ。着用時の収まり具合も非常にバランスが良い。

ファッショニスタから愛されるロレックス?

エクスプローラーⅡは昔から洋服関係者の間で人気が高いモデルだったと言われている。日本を代表するヴィンテージショップ「ベルベルジン」のディレクターである藤原裕氏の愛用モデルとして知られるほか、アパレル関係のショップスタッフでも着用者が多いという。推測になってしまうが、恐らくロレックスの中でもデザイン的に差別化を図れるところが重宝されてきたのではないだろうか。洋服にこだわりがある男たちは人と同じモノを嫌う傾向があり、「少しマニアック」なエクスプローラーⅡはそんな彼らにとって「オシャレな高級時計」だったのかもしれない。
エクスプローラーIは王道の中の王道。デイトナは(普通の人間にとっては)手が届かない。一方エクスプローラーⅡはロレックスならではのクラス感とスポーティーさ、若々しい雰囲気があり、カジュアルな洋服との相性も抜群だからだ。サブマリーナ愛用者もファッション関係者には非常に多いが、よりニッチでクールなモデルがエクスプローラーⅡだったのではないだろうか。


いかにも堅牢なケースに守られるエクスプローラーⅡ。ヴィンテージらしくぷっくりとしたプラ風防も魅力だ。

どことなくフューチャリスティックな雰囲気が漂う。インデックスの白と黒のコントラストが精悍。

エクスプローラーⅡならではのデザインの違いを楽しめる

通常ロレックスは人気のあるなしにかかわらずモデルチェンジを繰り返してもデザイン的には大きく変化を加えないのに対し、エクスプローラーⅡは時代ごとにバリエーション豊かなラインナップが揃う。初代と2代目では大きく見た目が異なり、文字盤の色の違いで選択肢がある点もこのモデルならでは。黒文字盤は精悍で男らしいイメージで、白文字盤はより上品で落ち着いた雰囲気が漂う。モデルチェンジを繰り返すたびに現代的に進化しているが、一目見てエクスプローラーⅡと認識できる個性がしっかりあることも人気の秘訣だ。
例えばビジネスシーンでも過不足なく使いたいのであれば、スーツとの相性、TPOを考慮して白文字盤を選ぶのも良いだろう。清潔感と高級感のバランスが良く、ロレックスであっても嫌みがない。プライベートメインか、仕事中の服装がカジュアルであれば黒文字盤をおすすめする。デニムやレザーとの相性が良いのはもちろん、腕元に程よいヴィンテージテイストを演出してくれるはずだ。エクスプローラーⅡはオーナーのライフスタイルに沿った選択肢が広がっている。


状態の良い初代は200万円を超えることが当たり前になってしまった。「あの時買っておけば良かった…」という漠然とした後悔を感じるのはロレックスならでは。

Cal.1575を搭載。当然クロノメーター検定をクリアしている。自動巻きとはいえこの時代のムーブメントはシンプルな構造なので、万が一不具合が生じても時計店でメンテナンスできる。

ツールウォッチは生涯頼りになる「相棒」になる

私たちが日本で生活するうえでツールウォッチとしての機能を日常的に使いこなす機会は少ないかもしれないが、探検家のために作られたスポーツウォッチであることはすなわちタフであることの証明でもある。少々の雨や衝撃ではビクともしないし、ヴィンテージであっても正確に時間を刻む姿には感銘を受ける。まさに上質な機械式時計でしか味わえない、人間と機械の特別な関係だ。
上品を極めたような繊細な腕時計にも特別な魅力があるが、ツールウォッチには物理的にも精神的にも頼りになる「相棒感」が強い。男が無意識でモノに求める条件を生まれながらに備えている…ロレックス・エクスプローラーⅡはそんな腕時計なのだ。

ITEM CREDIT
  • Rolex:Explorer Ⅱ Ref.1655

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