コアなデニム狂も納得する日本製プレミアムジーンズ – ビッグジョン「レアジーンズ」
老舗デニムブランドBIG JOHNのフラッグシップモデル「RARE」は尋常じゃないほどこだわりが注ぎ込まれている。コアなデニム狂からリスペクトされる「レアジーンズ」とは?
国産初のジーンズを開発したジャパンデニムのパイオニア
Quality comes first(品質はすべてに優先する)。これはBIG JOHN(ビッグジョン)の経営理念であり、同社とユーザーの間の信頼関係を表す約束事でもある。このウェブマガジンをご覧いただいている大多数の方(もしかしたら全員)が生まれる前、1940年にできた小さな縫製工場「マルオ被服」の時代から、戦後の混乱期を乗り越え、コツコツとモノ作りを行ってきた同社。国産初のジーンズをCANTONブランドでリリース。ボリュームゾーンも拡充し、徐々に規模を広げながら1976年には売上額100億円を達成した。まさに国産デニムメーカーの生き字引。それがビッグジョンというメーカーなのだ。
数十年間の歴史を持つ同社が定期的に作り続けているのが「RARE」シリーズ。リリースの度に毎回仕様を変更しているフラッグシップモデルである。レアジーンズというシリーズ自体はビッグジョンのファンでなければ聞いたこともないかもしれないが、近年はコアなデニム狂から注目されるジャパンデニムのひとつ。「採算を度外視している」と評されることもあるレアジーンズの魅力を紐解いていこう。
レアジーンズは長年の知識と経験を凝縮した集大成
レアジーンズを一言で表すと、前述したQuality comes first(品質はすべてに優先する)を愚直なまでに追求し、そのまま形にしたジーンズということになるらしい。まず、デニムを染める藍へのこだわりが尋常ではない。ヴィンテージデニムを永く見てきた坂本デニムの坂本恭士氏監修のうえ、本藍の藍色をピュアインディゴのみで再現。レアジーンズは何百、何千というブルーデニムを研究してきた坂本氏が「最高の蒼」と称したほど美しい色と色落ちが楽しめる。
また、縫製は手間の掛かる本縫い(一本縫)だけで仕上げる。デザインはビッグジョンらしさのあるスタンダードなものだが、シルエットやフィット感、各部のディテールは時代ごとに細かくアップデートしてきた。レアジーンズのようなモデルを作ると値段が必然的に高くなるので、一部のユーザーからは「儲けに走っている」と揶揄されることもあるだろう。しかし実際はそんなことはないのではないだろうか。なぜなら、通常のモデルよりとは比較にならないほどの開発費が必要だからだ。時には外部のプロフェッショナルと共に手間と時間を掛けて研究を重ね、納得できたモノを商品化する…単純なお金儲けではなく、自社の経験等を凝縮した集大成を具現化したいという純粋な希望がそこにはあるはずだ。
日本のクラフトマンの技術が詰まったコアなプレミアムジーンズ
目先の利益よりもこだわりをいかに具現化するかに注力したマニアックなジーンズ。素材から開発し、専用のデニムを用意してしまうあたりはビッグジョンの企業としての底力を感じさせるエピソードだったりもする。こういうことをできるのはある程度以上の歴史のあるブランドだからこそ。逆に言うと、歴史の長いブランドが自らフラッグシップモデルと名乗るジーンズのレベルが低ければ、即悪評に繋がると言って良いだろう。
言うまでもなくレアジーンズはビッグジョンのブランド価値を高めた名モデルであり、コアなデニム狂からも尊敬を集めている。これは日本製のプレミアムジーンズなのだ。
ITEM CREDIT
- BIG JOHN:RARE Jeans