The real basic Denim 1st model

ドゥニームの1stモデルはトレンドの波に飲まれない「真の定番デニムジャケット」

トレンドを経験してきたからこそ、オーセンティックな〈ドゥニーム〉のデニムジャケットが気になる。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : DENIME

結局、人は定番の良さを再認識するタイミングがある

ファッション業界は「これが今のトレンドですよ」「これを買わないと世の中に乗り遅れますよ」と消費者に訴えかけることで、トレンドを作り上げてきた。しかし、セレブと言われる歌手や俳優などの芸能人をトレンドセッターに据えて「憧れ」を具現化し商売をする時代はゆるやかに終わりつつある。SNSの普及で誰もが発信者になり得る時代になり、テレビの中でしか見ることのできなかった「憧れ」ではなく、より私たちに近い立場(あるいはまったく同じ立場)の人たちが「憧れ」の対象になる時代。ファッションにとって必要不可欠な要素であるトレンドの扱い方と受け止め方は、変化しつつある時代になってきた。
しかし、「映える」ことを最重要視する今の時代にも疑問を感じることはないだろうか?目立ってナンボの価値観は虚飾の世界で、モノの本質…自分は本当に何を大切にしていて、何が欲しいのかという本質的な価値観からは離れているように思う。トレンド自体はファッションを楽しむひとつの選択肢としていつだってアリだし、それ自体は決して否定しない。ただ、トレンドを経験してきたからこそ定番の良さを再認識するタイミングが必ずある。
この記事では老舗ブランド〈DENIME(ドゥニーム)〉の1stモデルを取り上げ、ベーシックの良さを再認識したい。


小細工なしの直球デザイン。片ポケットが1stタイプのトレードマーク。

背面にシンチバックが付くのも1stタイプの特徴。続く2ndと3rdにはこの仕様はない。


XXタイプのデニムを使うウェアには紙パッチではなく革パッチが縫い付けられる。ナチュラルカラーの革パッチは、着用と洗濯を繰り返していくうちに飴色に変化していく。

13ozの生機デニムはジャケットとして非常にバランスが良い。重過ぎず軽すぎないオンスなので、他ブランドも13oz前後のデニムを採用することが多いのだ。

〈ドゥニーム〉特有のエイジングを楽しめるデニムジャケット

ヴィンテージの1stタイプをモチーフに、〈ドゥニーム〉のアレンジを加えた1stモデルはまさにオーセンティックな逸品だ。生地は66タイプと同じ旧式力織機で織られた13ozの生機デニム。ナチュラルなムラ糸を使い、テンションを調節することでザラついた質感を出すことに成功した〈ドゥニーム〉を代表するデニムである。もちろん〈ドゥニーム〉特有の点落ちも健在。他のブランドにはない強烈な点落ちと色落ちを楽しめるのも魅力だ。
デザイン的には直球の1stタイプでリラックスしたシルエット。インナーにフーディーのような厚みのあるインナーも着用できるくらいゆとりがあるので、狙ったわけではないだろうがトレンドのオーバーサイズを主体とした着こなしもできる。
とはいえ、このデニムジャケットを購入する方のほとんどは古き良きデザインと仕様へのこだわりが強いはず。フラップ付きのポケットや背面のシンチバックといった1stモデルを象徴するアイコニックなディテールを楽しみながら、ベーシックでオーセンティックなモノとして付き合っていくのが正解だろう。


濃紺のデニムは着用から数ヵ月はびくともしないほど濃い色を保つ。

旧式のシンチバックは打ち抜きリベットで補強されている。マニアはここでサイズ感の調整をし、独特の色落ちを楽しむという。


ポケットのフラップをめくるとそこにも補強のためのリベットが。ポケットに縫い付けられる赤タブもオールドファン泣かせの仕様。

当然セルヴィッジデニムなので、内側を見ると耳が見える。〈ドゥニーム〉の耳の色は時代やモデルによってわずかに色味が変わるが、このデニムはゴールドとオレンジの中間のような明るいカラー。

トレンドがどう変わろうとも着続けられる
「真の定番デニムジャケット」

流行り廃りを経験し、それなりにトレンドも経験してきたからこそ〈ドゥニーム〉が掲げる「The real basic(真の定番)」というコンセプトがグッとくる。定番アイテムはトレンドがどう変化していこうとも必ずワードローブに残り続けるものだし、いつだって着続けられるモノだからだ。
ヴィンテージをモチーフにしたオーセンティックな1stモデルは使い勝手も良く、経年変化を楽しむにもうってつけ。普段使い用にリアルベーシックなデニムジャケットをもう一着追加してみてはいかがだろうか。

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