Let's delusion the journey after Corona

コロナ終息後の旅を妄想しよう

10年前に訪れたヨセミテ国立公園~デスバレーの思い出を振り返りながら、旅に出たい衝動に駆られる。


Written / Photo : LIVE IN RUGGED

コロナ終息後にどこに行きたい?

1年以上も続く新型コロナウイルスの影響で大打撃を受けている観光業界。LIVE IN RUGGED読者の皆様も大好きな旅行に行けないストレスを抱えていらっしゃるのではないだろうか。常夏の南の島。果てしない水平線が広がる深遠なる山々。オーロラが見える寒冷地。温泉と郷土料理…。我慢に我慢を重ねた後に行けば、行先にかかわらずこれまで以上に楽しめるだろう。とはいえ都心部を中心に緊急事態宣言が延長され、心置きなく旅行に行けるのはまだまだ先になりそう。そこで本日は筆者秘蔵の過去の旅行写真を見ていただきながら、コロナ終息後の旅を一緒に妄想していただこうと思う。

超巨大なスケールに圧倒された初めてのヨセミテ国立公園

本日紹介する写真は2011年5月、アメリカ西海岸旅行時のもの。ちょうど10年ほど前に初めてサンフランシスコ~ヨセミテ国立公園~デスバレー~ラスベガス~ロサンゼルスを巡る旅に出た。仕事の都合でニューヨークに住んでいる兄とロサンゼルス国際空港で待ち合わせ、当時リリースされたばかりの〈シボレー〉カマロをレンタルしサンフランシスコへ。今考えるとまさに典型的なお上りさんだったわけだが、カリフォルニアの陽気の下では浮かれた者勝ち。サンフランシスコの港町で美味しいシーフードランチをいただいた後、数時間ドライブしてヨセミテ国立公園へ移動する。
ユネスコの世界遺産に指定されているヨセミテ国立公園は3081平方キロメートル(東京都の約1.4倍)という広大な面積があり、私たちが足を踏み入れたのは他の環境客と同様ヨセミテ渓谷とその周辺のみだったが、それでも自分の中の常識が覆されるほどの圧倒的なスケールのある場所だった。巨大すぎる花崗岩の絶壁とそこから流れ落ちるこれまた巨大な滝。ちょうど春先だったので、あちこちに雪解け水で増水した川が勢いよく流れている。日本では考えられないほど巨大なジャイアントセコイアの林の中には、世界でもっとも巨大な木として認定されている「シャーマン将軍の木」がとてつもない大きさで堂々と空に向かってそびえたっていた。


サンフランシスコの港町。レトロなサインが立ち並ぶ昔ながらの町並みで、新鮮な魚が並ぶ市場では活気があふれていた。

塩味が効いたシーフードパスタ。写真には写っていないが、アメリカの食事は一人前でもドン引きするレベルの量で色々と出てくるので注意されたし。


5月のヨセミテ国立公園はまだまだ雪が残る。トレッキングシューズがあればベストだが、この時の私は真っ黒の〈NIKE(ナイキ)〉エアフォース1。とはいえエアフォース1でも雪道を含めてまったく問題なし。

「シャーマン将軍の木」。あり得ないレベルの大きさは地元アメリカ人も驚愕していた。


2002年時点で1487立方メートルの体積を持ち、地球上でもっとも大きな木であると同時に、もっとも大きな生命体であると考えられている。樹齢はおよそ2200年(!)。

公園の東側にある巨大な岩盤。命知らずのクライマーが今でも制服を目指して登っているとか…。


公園内のホテルでは日本では見ることのない銘柄のビールをいただく。「ROLLING ROCK」。そのままだがロックなネーミング。

旅の伴はレンタカーの〈シボレー〉カマロ。2011年当時は発売されたばかりの新型で、道中数え切れないくらいアメリカ人からサムアップされた。


カマロは前方視界はそこそこ良いのだけれど、斜め後ろは絶望的に見づらかった。

一面が塩で覆われる塩湖。歩きすぎて迷うと遭難して死ぬ可能性もある。


「悪魔のゴルフ場」の異名を持つゴツゴツした塩湖。塩分と岩石が固まってできる不思議な場所が地平線遠くまで続く。大自然の妙だ。

塩湖を上から眺めるとスケールの大きさを俯瞰的に実感できる。

10年後も鮮明に心に残るほど美しく神秘的な砂漠地帯、デスバレー

ヨセミテ国立公園に宿泊後はラスベガス方面に移動し、砂漠地帯へ。この旅の最大の目的のひとつであるデスバレーは想像以上に広大で神秘的な場所だった。カリフォルニア州シエラネバダ山脈東部に位置するデスバレー国立公園は、総面積13,158平方キロメートル。アメリカの国立公園の中で最大の面積を持ち、もっとも気温が高く、もっとも乾燥した地域という事前知識はあったのだけれど、5月初旬に訪れたデスバレーはやはり暑かった。空気が極端に乾燥しているため東京の真夏よりも過ごしやすいのでは?と思ったのもつかの間、長時間デイタイムで歩き回っていると暑さのレベルがちょっと違うのだ。
デスバレー(死の谷)という恐ろしげな名が与えられたこの場所、過去に実際に死者が出たこともある。私たちはホテル近くの砂漠だけではなくもっと離れた岩山で囲まれる場所にまで足を延ばしたのだが、確かにここで遭難したら数日で死ぬだろうなとリアルに感じた。水を携帯していなければ2~3日かもしれない。
ただ、そんな過酷な環境でも景色の素晴らしさは異次元だった。朝日が昇る砂漠は静寂で神秘的。ゆるやかなカーブを描く砂丘の美しさは息を呑むレベルだ。アメリカ西海岸に旅行に行き、わざわざ辺鄙な砂漠地帯に行く観光客は少数派なのかもしれないが、クルマで何時間も掛けて訪れる価値は絶対にあると断言しよう。できればもう一度訪れたい。


夏場は生命の危険があるため立ち入り禁止になるデスバレー。

極度に乾燥した地域でも草木はしっかり生えている。数千年以上の時間を掛けて特殊な環境に適応した生命が多くあることも不思議な光景だった。


朝日が昇る時間帯と夕日が沈む時間帯がもっともデスバレーが「映える」時。

ガラガラヘビに注意しながらいくつもの砂丘を歩き回る。


自然が作り出す光景の美しさは言葉にならない。

個人的に、あまりにもデスバレーが気に入ってしまったので、次に行く時はここにだけ3~4泊してもいいかなと思ったり。

コロナ終息後、あなたはどこに行きたい?

1週間と少し滞在した初めてのアメリカ西海岸旅行は10年経った今も鮮明に記憶に残っている。当然国内旅行よりも出費は多くなるが、これほど思い出深ければまさにプライスレス。コロナ禍の今は海外旅行など夢のまた夢だが、終息後最初に行く旅行先を妄想するのもきっと楽しいはず。さあ、あなたはコロナ終息後にどこに行きたい?
自粛生活を頑張るあなたへ、自宅で快適に過ごす10のアイデアをまとめた記事もご覧いただきたい。

WHERE TO VISIT
  • United States:San Francisco – Yosemite National Park – Death Valley – Las Vegas – Los Angeles