For unchanging style DENIME 66 XX

「マイスタイル」を追求するこだわり派が愛するジーンズ – DENIME 66XX

ヴィンテージディテールを備えつつ美麗なシルエットで構築された〈ドゥニーム〉66XX。上質を知る大人にこそふさわしい66XXの魅力にフォーカス。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : DENIME

大人になるほど欠かせないのが、定番の5ポケットジーンズ

地味な服を着ていても目立つ人。派手な服を着ていても品がある人。正反対に見えるようだけれど、両者に共通しているのは自分らしさがあることなのではないだろうか。風のように過ぎ去っていくトレンドに翻弄されず、自分が本当に好きなものを大切にすること。そういう人が一見普通に見える服を着ていても、何となくいいモノ感が漂っていたりする。大人になればなるほどそういう雰囲気を漂わせている人への憧れは募っていく。きっとLIVE IN RUGGED読者にもそんな大人に憧れる方がいらっしゃるはず。
ワードローブの中にたくさん洋服が詰まっていても、つい着たくなってしまうモノは何だろう?そう考えた時に絶対に欠かせないのは定番の5ポケットジーンズだ。それも、ごくごくベーシックな一本がいい。
DENIME(ドゥニーム)〉のブルージーンズはアメカジ好きはもちろん、上質を知る大人にとっても昔から定番のアイテム。ヴィンテージジーンズを知り尽くしたうえでオリジナルであり続けてきた老舗デニムブランドの〈ドゥニーム〉は、ジャパンデニムが海外で爆発的な人気と知名度を集めるよりずっと昔からベーシックな5ポケットジーンズにこだわり続けてきた。90年代のレプリカジーンズブームのパイオニアであり、日本のジーンズを盛り上げてきた立役者でもある。
本日は老舗ブランド〈ドゥニーム〉の代表モデルのひとつである66XXタイプにフォーカス。永遠の定番品として今も売れ続けている5ポケットジーンズの魅力を探る。


ちょっとやそっとでは色落ちしない濃紺に染められたデニム。66XXタイプは全体的に細身なのでコーディネートを問わず合わせやすい。

ボタンフライ、耳付きコインポケット、打ち抜きリベットなど、ヴィンテージジーンズのディテールは漏れなく完備。


創業当時から変わらないロゴが入るレザーパッチ。選択するたびに色が濃くなり重厚感を増していく。

オリジナルの銅製打ち抜きリベットは光沢感がありながら渋さも残した色味。

日本人男性にもっとも似合う60年代のヴィンテージジーンズをミリ単位でブラッシュアップ

66XXタイプは1960年代のヴィンテージジーンズがモチーフ。太腿周りが細身で、裾に向かってテーパードする美麗なシルエットが特徴だ。一般的にヴィンテージジーンズの最高峰と評価される40~50年代頃の〈LEVI’S(リーバイス)〉501XXの素晴らしさについては何の異論もないけれど、やや太めのシルエットは合わせやすさを考えると実は難易度が高い。また、アメリカ人の体型に合わせて作られていた40~50年代の501XXを我々日本人が穿いた場合、狙い通りのラインになりにくいという問題もある。その点60年代の501XXは全体的にやや細身でテーパードしているため、欧米的な体型ではなくても自然と綺麗に穿きこなせるのが最大の魅力だ。
やりすぎじゃない細身のシルエットはボトムラインをスッキリ見せてくれるので、トップスの合わせ方もより幅広くなる。タイトめのジャケットやシャツを合わせればヨーロッパ的な上品さを演出できるし、オーバーサイズのフーディーを着れば細めのボトムラインとコントラストが生まれて今っぽい雰囲気に。ジャストサイズのライダースジャケットを羽織ればカフェレーサー風のブリティッシュスタイルを楽しむこともできる。
ヴィンテージのディテールがありながら野暮ったくないシルエットというわがままな欲望を叶えられるのが66XXタイプと言ってもいいだろう。当然足元はブーツ、革靴、スニーカー、サンダルなど何でもOK。少し短めに裾上げすればよりオシャレな雰囲気になる。〈ドゥニーム〉66XXタイプは60年代のヴィンテージジーンズを参考にしつつ、細部のサイズ感とバランスをミリ単位で調整。今も10年後もスタイリッシュに穿けるシルエットに仕立てている。


当然縫製はチェーンステッチを多用。66モデルなのでバックポケット裏に補強用の隠しリベットはないが、それもヴィンテージジーンズを強く意識した仕様なのだ。

セルヴィッジの色はチェーンステッチとの相性が良いオレンジ~ゴールドの中間色。


着用時のシルエットはご覧の通りスッキリしていて美しい。決して細すぎないところが大人からも支持されている理由だ。

リアルヴィンテージを穿くと高確率でもたつきがちなヒップ回りもこんなにスッキリ。こういった細やかな設計もジーンズ作りのあらゆるノウハウを持つ〈ドゥニーム〉の強みのひとつ。

数十年前に稼働していた旧式力織機をメンテしながら作られるオリジナルのセルヴィッジデニムを使用

もちろんデニムの製造には旧式力織機を使用。生産速度が遅い旧式力織機をわざわざ稼働させるのは、ジャパンデニムに欠かせない要素のひとつだから。デニム自体にはナチュラルムラ糸を使用。タテ糸のテンションを甘くし、ヨコ糸には本数を増やすことでざらつきの強いデコボコした質感にしている。言うまでもなく耳付きのセルヴィッジデニムだ。〈ドゥニーム〉のデニムは耳の幅もごくオーソドックス。耳の幅はブランドによって極端に細かったり、逆に太かったりと個性を出しやすいディテールなのだが、ベーシックであることを最大の美徳とする〈ドゥニーム〉は耳の幅も細すぎず・太すぎずの絶妙なバランスで設定されている。


幾度も洗濯を繰り返しエイジングさせた色落ちサンプル。

レザーパッチは洗濯時の水分を強く含む時間と着用時の乾燥した時間を繰り返すことで、いかにも味のある色合いに変化する。


コインポケットにもウネウネしたパッカリングが表れている。

艶を残したままブラウンカラーに変化したレザーパッチ。

〈ドゥニーム〉らしさを強く感じる「点落ち」も健在

上のエイジングサンプルにも注目しよう。いわゆる「根性穿き」ではなく適時洗濯を繰り返してきたと推測できるこちらのジーンズは、全体的に爽やかなブルーにフェイドしている。しかし色が落ちるべき箇所はしっかり落ちているところもポイントだ。〈ドゥニーム〉が開発した14.7ozのデニムは歴代モデルと同様、線ではなく点で色落ちしていく。
旧式力織機で丹念に織られたデニム特有のスラブ感があってこそ、無数の色落ちした点が隣り合うことで〈ドゥニーム〉らしい点落ちに成長していく。筆者はこれまで数本の〈ドゥニーム〉のジーンズを育ててきたが、XXタイプのモデルは特に点で色落ちしていく様子を感じられる。この明らかな点落ちにフェイドするデニムも〈ドゥニーム〉らしいアイデンティティのひとつなのだ。

自分のスタイルを追求するこだわり派のあなたへ

一見普通に見えたとしても、実は上品かつ上質なジーンズ。オーセンティックな作りと現代的な着こなしにも対応できる洗練されたシェイプも備えた〈ドゥニーム〉66XXタイプは、酸いも甘いも知る大人にこそふさわしい。いつの時代も変わらない普遍的な5ポケットジーンズがワードローブに一本あれば、きっとついつい脚を通してしまうはず。自分のスタイルを追求するこだわり派のあなたにこそ似合うジーンズだ。
筆者が長年愛用している〈ドゥニーム〉662もスタイリッシュなシルエットながらヴィンテージディテールを兼ね備えた一本。まだご覧になられていない方は併せてチェックしていただきたい。

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