You can be happy with few friends

友達が少なくても幸せに生きていける3つの理由

たくさんの友達に囲まれていなくても人生は充分幸せを感じられるようにできている。


Written : LIVE IN RUGGED

「友達は多い方が幸せ」という固定概念から抜け出そう

「友達100人できるかな」
日本人であれば小学校に上がる前くらいに誰もが聞いたことのある歌の一節。あの歌に罪はないが、大人になってから振り返ると「友達は多ければ多いほど素晴らしい」という価値観が押し付けられているように感じるのは私だけだろうか?私はこれを密かに「友達100人の呪い」と呼んでいるのだけれど、自分が小学生になった頃から30年以上が経った今の時代でも、この呪いはいまだに日本に定着しているように思う。SNSが定着し、承認欲求を前面に出すことが当たり前になった現代。Facebookでは友達の数が多いほど、Instagramでもフォロワーが多ければ多いほど「リア充」と見なされている。ただ、その一方で「一人の方が気が楽だ」「友達は少なくていい」という価値観を持つ人もかつてより増えたようにも感じる。
友達が多い方が良いのか、少なくても良いのかという問い自体は無意味だ。結局のところ人それぞれ価値観が違うので、多くの人に囲まれている方が幸せを感じるのであれば友達をたくさん作ればいいし、一人の時間の方が大切であればごく少ない友達だけいればいいからだ。それを言ったらおしまいよ、になってしまうので、子供の頃からおひとり様が大好きだった筆者が友達が少なくても幸せになれる理由を3点に絞って書こうと思う。友達が100人以上いる方は回れ右をして他の好きなことをしよう。本記事はいまだに日本を陰から支配している「友達100人の呪い」にNoを唱えるアナーキーな内容となる。

1.友達が少ないと、誰にも邪魔されない自分だけの時間を持てる

友達が少なくても幸せになれる理由その1。
誰にも邪魔されない自分だけの時間を持てる。仕事を終えた夜の時間や週末の2日間、あなたは誰にも邪魔されずに自分だけの貴重な時間を過ごすことができる。平日の夜中にお酒を飲みながら好きな映画を観てもいいし、読書に没頭するのもいい。ペットを飼っているのなら愛すべきパートナーに思いっきり甘えさせてあげるのもいいだろう。恋人や結婚相手がいるのであれば、一緒にご飯を食べたりとりとめのない会話をしてささやかな幸せを感じるのもいい。大切なのは自分の時間を思いっきり好きに過ごすことなのだ。もちろん、たまには数少ない友達と食事をしたり長電話をして、相手がいかに自分にとって大切な存在であるかを噛みしめるのもいいだろう。友達が多すぎると飲みや遊びの誘いが多くて自分だけの時間を作るのが困難になることがある。

2.友達が少ないと、お金が貯まる

友達が少なくても幸せになれる理由その2。
余計な人間関係がない分お金を自分に使うことができる。気乗りしない飲み会に誘われる機会が少なくなり、気乗りする飲み会への参加頻度も少なくて済む。社会生活を送るうえでどうしても避けられない、振り返って考えると時間の無駄だったと感じてしまう人付き合いの機会は少ない方がありがたいと思う人は、恐らく友達が多くてもたくさんいるのではないだろうか。少し苦手なあの人との飲み会なんて誰だって行きたくないはずだ。先に述べたように、友達が少なければ誘われる機会自体が少ないはず(人から誘われなくて寂しいなんてわがままは言わないように!)。であれば、理由その1に書いた自分だけの時間を持てることに自動的につながっていく。これは健全で嬉しい無限ループだ。余計な人付き合いが少ない分、あなたは自分で稼いだお金を自分のために使うことができるだろう。好きな洋服を買うのもよし。目標額を決めて貯金に励むもよし。付き合いが悪いと陰口を叩かれる?そんな人間は放っておけばいい。

3.友達が少ないと、数少ない友達のありがたみを感じられる

友達が少なくても幸せになれる理由その3。これが一番大切なことだ。
少なければ少ないほど、その友達がどれだけ自分にとって大切なのかを心の底から感じることができる。人と人との出会いは偶然に支配されており、狙って出会えるものでもない。あの人と友達になりたい!と思っても相手は自分に興味がないこともあるだろう。もちろん友達になりたいと自然に思える相手とは時間を掛けて友情を育む努力が必要になるが、特に人であふれる都会に住んでいると誰かとの出会いは奇跡のようなものだということがよく分かる。自分が相手を好きで、相手もなぜか自分のことを好きであることは奇跡のようなものなのだ。「一人の時間が好きだぜ」とカッコつけてみても、人間である以上誰かとの友情を感じられることは人生の幸福度に影響するのではないだろうか。
友達は少なくていいなんて思っているへそ曲がりのあなた(筆者もね)と良い友人関係を築ける人なら、きっとあなたがマイペースで自分なりの価値観を大切にしていることをよく分かっているはずだ。そのことに感謝しつつ、時々時間を作ってゆっくりと友情を育んでいこう。

幸せの基準は世の中ではなく、自分の中にある

ジェンダーフリーが叫ばれる現代においても、友達は多い方が幸せだという旧来の価値観は社会の中に根強く残っている。それはもしかしたら孤独になることへの心理的な恐怖感も関係しているのかもしれない。誰にもSOSを発信できずに一人孤独にこの世を去ってしまう孤独死を迎えたい人は、どちらかというと少数派だろう。しかし、人間関係の幅や数が人生の幸福度には直結しないことは不思議なほど語られることが少ない。そして、友達が多いことを自慢したり誇りに思う人がいまだに多くいることも現実だし、「俺は友達少ないからね」と自虐的に言う人もいる。自分でそうしてきたのなら友達が少ないことなんて決して悪いことではないのに、少ない=自分の人間性に問題があると思われのではないか…という恐れは、一般的に友達は多い方が幸せであるという概念が強く残っている証拠でもある。
結局のところ、価値観は人それぞれなのだ。私は必要以上の人付き合いが子供の頃から苦手だったので、少ない友達と友人関係でいることを好んできた。そんな自分でさえ友達がわんさかいる人を見て羨ましく思ったり、友達が少ない自分が恥ずかしく感じることや、自分には決定的な欠点があるのではないかと悩んだこともあった。大人になるにつれてそんな苦しみからは解放されたけれど、年齢を問わず人間関係で悩んでいる方も多いのでないだろうか。そんな人に向けて私が言えることは、完全に孤独になるのは寂しいかもしれないので、できれば1人でもいいから心を許せる友人を作ること。
友達なんて一人もいないよ、という方。きっとこの先あなたが心を開けば友達になれる人との出会いが待ち受けているはずだ。この人何となく好きだなと思える人には身構えず、心の壁を少しだけ低く接してみよう。
既に大切な友達がいる方。あなたが所有している高価な腕時計よりもずっと価値があるので、これからも大切にしよう。
友達なんて100人以上いるぜ!という方。素晴らしい!友達が多い状態でしか体験できない楽しみや喜びを思いっきり堪能して。
友達はいなくても生きていけるけれど、少数でもいる方が人生は少しだけ楽になるし、楽しくなる。相手のことを尊重し、大切にしよう。一般的な価値観に振り回されてはいけない。幸せの基準は自分の中にあるはずだ。