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SCHOTT × ENGINEERED GARMENTS タフでラギッドなメイドインUSAのライダースジャケット

上質なカウレザーを使った〈SCHOTT〉のライダースを〈エンジニアード・ガーメンツ〉の鈴木大器氏がアレンジ。アメリカンブランドの名品として歴史に残りそうなライダースジャケットが誕生した。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : NEPENTHES

本物だけが持つ重厚なオーラと今の時代に合った程よいリラックス感を兼ね備えたデザイン

1913年創業のアメリカを代表するレザーブランド〈SCHOTT(ショット)〉と1999年に〈NEPENTHES(ネペンテス)〉のオリジナルブランドとして誕生した〈ENGINEERED GARMENTS(エンジニアード・ガーメンツ)〉がコラボレーション。メイドインUSAのライダースジャケットをローンチする。
両者がタッグを組むのは今回が初めてではなく、1回目はアメリカ製のメルトンウールを使ったコートを制作。2回目となる今回のアイテムがライダースジャケットなのは単純に「SCHOTT=ライダース」という理由ではなく、ちょっとしたエピソードがあったようだ。初めてコラボレーションをすることになった際、〈エンジニアード・ガーメンツ〉のデザイナーである鈴木大器氏が〈SCHOTT〉のファクトリーに訪問。レザージャケットの制作現場を見学し、もし次があるのならレザージャケットを手掛けたいと伝えたのだという。また、10代の頃に雑誌「POPEYE」に掲載されていたダブルライダースジャケット(ONE STAR)を目にした時が鈴木氏と〈SCHOTT〉の言わば初めての出会いだった。大人になり〈NEPENTHES〉以前に働いていた伝説のショップ「REDWOOD」時代にレザーを部分使いしたダウンジャケットを購入するなど、公私ともに鈴木氏は〈SCHOTT〉のアイテムを実際に着用してきた。
今回登場するダブルライダースジャケットとシングルライダースジャケットはどちらもクラシックでオーセンティックなスタイルが特徴。ダブルライダースは胸元が二重になったダブルブレストタイプ、シングルライダースはスタンドカラー仕様になっているのだが、どちらも〈SCHOTT〉を〈SCHOTT〉たらしめている肩のエポレットやウエストベルト、背中のアクションプリーツなどをあえて取り除くことで無骨さの中に洗練されたテイストをミックスさせている。なるほど、確かにアイコニックなエポレットやウエストベルトがないことで強い新鮮さを感じるほどスッキリとした見た目に変化している。このリクエストを受け入れる〈SCHOTT〉の柔軟さも素晴らしい。
この、デザイン要素を足すのではなく引く形でデザインすることにしたのは、ヴィンテージのライダースジャケットがインスピレーション源であることと、〈エンジニアード・ガーメンツ〉との合わせやすさを考慮したことが理由のようだ。まず最初にジッパーの配置を決めて、次にエポレットやウエストベルトをなくす。そうすると〈エンジニアード・ガーメンツ〉の服に合わせやすい大人っぽいアメリカン・クラシックスタイルに変化するのだという。また、タイトフィットではなくリラックスドフィットにすることでも大人の余裕を演出している。ダブルタイプは斜めにカットされたジッパーにつながる前襟や防風・防寒性を高めるチンタブで機能性とルックスを兼ね備え、シングルタイプはフロントに5つものポケットを装備。もちろんレザーは〈SCHOTT〉謹製の上質なカウレザーだ。オイルをたっぷりと使った重厚なレザーは本物だけが持つオーラを高めており、一過性のトレンドとは距離を置いた普遍的な逸品であることを物語っている。


初見でこれが〈SCHOTT〉のライダースジャケットであることは恐らくほとんどの人が気づかないはず。すべてにおいて完成されている〈SCHOTT〉のライダースジャケットを〈エンジニアード・ガーメンツ〉の鈴木大器氏がアレンジ…メイドインUSA好きにはたまらない。

斜めに配置されたポケットが独創的な雰囲気。しかし奇をてらったデザインではなく、あくまでもオーセンティックである点は「らしさ」を感じるところ。


リラックスドフィットなので、年齢を重ねて体型が変化しても着続けることができそうだ。

強烈に冷え込む真冬のニューヨークでも着用することを考慮したのか、首周りの防風・防寒対策はご覧の通り。


いわゆるバイカースタイルに合わせても良いのだけれど、気合を入れすぎない日常的なウェアにもマッチするのが本コラボの特徴。いつものシャツとパンツスタイルに男らしさをプラスしてくれる。

鈴木氏は強いて言うならシングルタイプの方がお気に入りだという。

メイドインUSAを守り続ける両ブランドの愛とプライドが詰まった逸品

アメリカで生まれたブランドが作る洋服は昔からトレンド最前線というよりもワークや音楽、クルマやモーターサイクルなど実生活とカルチャー的側面が混ざったスタイルが多い。〈SCHOTT〉と〈エンジニアード・ガーメンツ〉はどちらもメイドインUSAであることに強いこだわりを持つブランド。それが根強いファンを多数獲得した大きな理由であることは、メンズファッションに詳しい方であればご存じだろう。鈴木氏は〈SCHOTT〉というブランドについて「多くのアメリカブランドが生産地を国外に移すなか、創業時から現在に至るまでメイドインUSAを頑なに守り続けてきた歴史と、それを支える工場の設備や昔ながらの生産システム、職人たちの技術力の高さ。プロダクトのクオリティもレディメイドのレザージャケットとして素晴らしいと思います」とコメント。この鈴木氏の言葉に今回のコラボレーションの意義があると感じるのは筆者だけではないはず。
〈SCHOTT〉×〈エンジニアード・ガーメンツ〉のダブルライダースジャケットは132,000円。シングルライダースジャケットは125,400円で、本日10月30日(土)から世界同時に発売される。タフでラギッドなメイドインUSAの素晴らしさを今に伝える渾身のライダースジャケット、この秋冬の最後の買い物としていかがだろうか。
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