World's first one-wash denim reprinted

創業60周年を記念し、EDWINが国産初のジーンズとデニムジャケットを復刻

〈エドウィン〉が創業60周年を記念してブランドにとって原点である品番、359BFを数量限定で復刻。世界初のワンウォッシュデニムである伝説のモデルは色落ちもレジェンド級?


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : EDWIN

国産デニム第1号、世界初のワンウォッシュデニム
伝説級のジーンズが今に甦る

この記事を書いている私はもちろん、読んでいる大多数の読者(全員の可能性もある)が生まれる前の1947年、常見米八商店が東京・日暮里で創業。終戦から2年後で常に物資が不足していた時に常見米八商店は米軍払い下げ衣料品の卸しをスタートし、その一環としてアメリカから中古ジーンズを輸入。ウォッシュと破損している部分の補修を行ったうえで上野・アメ横の販売店へ供給していた。その後新品のジーンズが輸入されるようになってから特に問題となったのは、デニム特有の硬い穿き心地と洗濯による縮みだ。ジーンズに馴染みがなかった日本人にとってゴワゴワした生地感と洗いによって生じる数センチ単位の縮みはクレームに直結する。当時は米国製のジーンズが高価だったことも供給側として悩ましい問題だったという。
そこで常見米八商店は一念発起し、日本人の体型に合ったオリジナルのジーンズ作り。1963年に〈EDWIN(エドウィン)〉のブランド名でオリジナルジーンズの開発・製造を始める。そのファーストサンプルが359BF。国産デニム第1号(諸説あり。〈CANTON(キャントン)〉のジーンズが日本で初めての国産ジーンズという説もある。詳しくはこちらから)とも言われる359BFは世界初のワンウォッシュデニムを使ったモデル。一度見ると忘れられないレインボーカラーのセルヴィッジデニムを使ったオーセンティックな日本製ジーンズであり、ハードコアなジャパンデニムファンにとっては伝説的なモデルと言えるだろう。
今回限定で復刻した359BFは洗濯後に自立すると言われたほどのヘヴィーオンスなストロングデニムも再現。当時の膨大なアーカイブ資料を紐解き、初期モデルに採用されていた濃いインディゴブルーが特徴のデニムを日本綿布と開発し、オリジナルのセルヴィッジデニムを見事によみがえらせた。もちろん織りあげたままの生機デニムだ。


見た瞬間に〈エドウィン〉であることが分かる特徴的なW形のステッチ。

片側がマシンステッチのレインボーセルヴィッジ。もちろん裾はチェーンステッチだ。


洗濯後に自立するほどのヘヴィーオンスは海外でも絶賛されそう。

当時のモデルのシルエットをベースに微調整を施したオリジナルのストレート。


ジーンズと同じデニムを使ったデニムジャケットも復刻。いわゆる3rdタイプがベースとなる。

袖をまくった時の絶妙なアクセントとなるレインボーセルヴィッジ。

オリジナルの入手は不可能?デニムジャケットも併せて復刻

ジーンズは当時作られていたモデルをベースにしつつ、シルエットは現代に合わせて微調整されている。太もも部分はジャストフィットし、膝から足首に向かってまっすぐ落ちるストレートシルエットはラギッドと洗練が共存した〈エドウィン〉オリジナルのフィット感。また、ジーンズ以上に伝説的な存在であるデニムジャケットも同じ生地を使って復刻された。〈Levi’s®(リーバイス®)〉の3rdタイプをモチーフにオーセンティックな仕様で仕立てられたデニムジャケットも袖や前立ての内側にレインボーセルヴィッジがチラリ。オリジナルは極端に流通数が少ないので、生粋の〈エドウィン〉ファンにとってこのデニムジャケットも同時に復刻したことは最高のニュースではないだろうか。


太すぎず細すぎずの絶妙なシルエットは様々なファッションに合わせられるはず。

やや高い位置に取り付けられたヒップポケット。


創業60周年を記念する特製のタブが縫い付けられる。ボタンフライではなくジッパー仕様なのもこのモデルの特徴だ。

明るくポップなレインボーセルヴィッジ。これはロールアップしないともったいない!


〈リーバイス®〉の3rdタイプと比べてやや着丈を長く設定し着やすくしている。

スッキリとしたバックビュー。見るからにインディゴが濃いのも特徴だ。


アイコニックなブランドロゴが入るパッチの経年変化も楽しめる。

レインボーセルヴィッジがチラリ。ボタンはカッパー製。

日本製ならではのきめ細かい作りにも注目

日本製ならではのきめ細かいカットと縫製で丁寧に作られていることも本モデルの魅力であり、通常であれば気にも留めないようなパーツにもこだわりが注がれている。縫製糸は着用するごとに糸の退色などの風合いが増す綿糸を使いながら、強度が必要な個所には耐摩耗性に優れるエスコア糸を採用。ヴィンテージへのリスペクトとユーザー想いの思想が行き届いた、知れば知るほど好きになるアイテムと言えるだろう。写真からでも伝わる染めの濃さと毛羽立ったデニムの質感はまさに本物。コントラストが強めで迫力のある色落ちに成長してくれそうだ。
ジャパンデニムが誕生した当時はこうだったのか、というヘリテージ的側面を体験でき、かつ今の洋服としても長く楽しめる〈エドウィン〉359BFは公式オンラインサイトで発売中。価格はジーンズが22,000円、デニムジャケットが27,500円となる。

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