100年前の洋服を復活させ、後世に繋げていく TCB Jeans の 20’s デニムジャケット
ジャパンデニムの雄が生地~パターン作り~縫製~仕上げまでこだわり抜いた新型デニムジャケットは、リアルヴィンテージを参考に作られた渾身の一着。
ハードコアなデニム好きに向けて作られたジャケット
うだるような暑さが薄らぎ、秋が目の前に迫った今の季節。まだTシャツ一枚で過ごす日が続いているとはいえ、そろそろLIVE IN RUGGED読者の皆様のターゲットも秋冬の洋服に定まっているはず。そこでおすすめしたいのがオーセンティックなデニムジャケットだ。ライトアウターとしても真冬のインナーとしても優秀なデニムジャケットが一着あると、秋冬シーズンは想像以上に便利なもの。肌寒い外出時はもちろん、在宅勤務時の羽織物としても使えるデニムジャケットはまさに万能的な存在なのだ。
そして、もし一着選ぶとすれば今も数年後も変わらずに着続けられるベーシックなモノが一番。ジャパンデニムファンはもちろん、ヴィンテージデニム愛好家にもファンが多い〈TCB Jeans(TCBジーンズ)〉が現在予約を受け付けている 20’s デニムジャケットであれば、デニムに対してうるさ型のLIVE IN RUGGED読者の方々でもご満足いただけるだろう。
モデル名の通り1920年代のデニムジャケットからインスパイアされて作られた 20’s デニムジャケットは、細部に至るまでこの年代のディテールを再現。右胸にだけポケットが付く基本形はもちろん、角度が付いておらず四角に近い形状の襟やプリーツを留めるスクウェアステッチの大きさなど、マニアじゃないと絶対に気付かない細部までしっかりと再現されている。
モデル名の通り1920年代のデニムジャケットからインスパイアされて作られた 20’s デニムジャケットは、細部に至るまでこの年代のディテールを再現。右胸にだけポケットが付く基本形はもちろん、角度が付いておらず四角に近い形状の襟やプリーツを留めるスクウェアステッチの大きさなど、マニアじゃないと絶対に気付かない細部までしっかりと再現されている。
合理化が徹底される前の縫製仕様まで再現
右胸のポケットに付くフラップは角がなく丸みのある形状であることも20年代の特徴。これ以降の年代にあるとフラップに角が出るため、見比べるとその違いは一目瞭然だ。また、大戦期以降は二本針でポケットとフラップの糸を切らずに一気に縫製されているが、20年代のモノはフラップとポケットは別工程で縫製される。他の産業と同じように、年月を重ねるごとに合理化が図られるようになっていくのに対し、この年代はまだある程度時間を掛けて作られていた名残りが強く残っている。とはいえ当時のヴィンテージが一着一着丁寧に時間を掛けて作られていたというわけでもなく、アメリカ製ならではの雑さも感じるところも魅力。そういったラフな表情も再現しているのが〈TCBジーンズ〉の強みと言えるだろう。
背面に付くシンチバックの形状や縫い方も当時のヴィンテージを参考に忠実に再現。目につきやすい表側だけではなく裏側の構造にまでこだわり、バックルは経年変化を見越した素材を採用するなど、これ以上は望めないほどの再現性を備えている。
しかし、一方でジャケット自体のシルエットはヴィンテージを忠実に再現するのではなく現代的に着用できるよう微調整されているのもポイント。 20’s デニムジャケットの場合はアームホールに余裕があり、着丈が他の年代のデニムジャケットよりもやや短めなので、良い意味で野暮ったさのあるシェイプに仕上がっているのだ。ワーク感たっぷりにオーバーサイズを選んでゆったりと着用する方がサマになるだろう。下の写真のように女性がオーバーサイズをざっくりと羽織る姿もかっこいい。
しかし、一方でジャケット自体のシルエットはヴィンテージを忠実に再現するのではなく現代的に着用できるよう微調整されているのもポイント。 20’s デニムジャケットの場合はアームホールに余裕があり、着丈が他の年代のデニムジャケットよりもやや短めなので、良い意味で野暮ったさのあるシェイプに仕上がっているのだ。ワーク感たっぷりにオーバーサイズを選んでゆったりと着用する方がサマになるだろう。下の写真のように女性がオーバーサイズをざっくりと羽織る姿もかっこいい。
100年前の洋服のDNAが今も残り、これからも繋がっていく
ちなみにこのジャケットのデニムは〈TCBジーンズ〉代表の井上一氏が米綿の種類から指定して作ったという別注生地を採用している。経糸・緯糸ともにメンフィス綿100%の12.5ozの生機デニムは当然旧式の力織機にて生産される貴重な素材。着心地を損なうほどのヘヴィーオンスではなく、かといって腕のハチノスが出にくいような柔らかすぎるライトオンスでもないため、着れば着るほどオーナーそれぞれのクセに従ったエイジングに成長していく。程よい重さはアウターとしてもインナーとしても優秀であることは言うまでもない。
約100年前のヴィンテージを今の時代に復活させることは、言葉で言うほど簡単なことではない。製造する機械もノウハウを持つ職人の技術や経験も、時代背景も何もかも違う。何よりも当時はデニムジャケットをファッションとして着る文化などなかった。それでも1920年代のデニムジャケットを再現して今もかっこよく見えるのは、ワークジャケットとして完成度が高いからに他ならない。 20’s デニムジャケットは〈TCBジーンズ〉の井上氏が近年意識するようになってきたという「後の世代に繋ぐ」ための一着でもあるのだという。ヴィンテージを後世に繋ぐこと。デニムウェアを作る技術を後世に繋ぐこと。100年も昔のモノ作りのDNAが2022年の今も消えずに残り、これからも繋がっていくこと自体に私たちは喜びと感動を感じる。
ITEM CREDIT
- TCB JEANS:20’s Denim jacket