N.HOOLYWOOD × New Manual – 尾花大輔氏が愛用する私物を参考に制作したデニムコレクションを発表
古着が持つ良さを活かしながら現代的なファッションへとアレンジする〈N.HOOLYWOOD〉と、ヴィンテージウェアを知り尽くした藤原裕氏がディレクターを務める〈New Manual〉が初コラボレーション。両ブランドの熱いこだわりが凝縮されたデニムウェアが完成した。
90~00年代にファッションに目覚めた人は感涙モノのコラボ
アメリカ古着のこなれたテイストを独自に解釈し、タイムレスに着用できるモダンで都会的な洋服を作る〈N.HOOLYWOOD(N ハリウッド)〉。言わずと知れた名ディレクター、尾花大輔氏が手掛ける重鎮ブランドは、90年代から日本のメンズファッションシーンで独特の立ち位置を確立してきた。一方、日本のヴィンテージウェアを取り扱うショップとして名実ともに業界を代表する名店へと成長した〈BerBerJin(ベルベルジン)〉のディレクターを務める藤原裕氏がディレクションを担当する〈New Manual(ニューマニュアル)〉は、昨年のブランド立ち上げ時点で古着好きはもちろん、デニム狂や純粋なファッション好きからも熱い注目を集める期待のニューカマー。両ディレクターは年齢が近いこともあり、見てきたモノや経験してきたことに多くの共通点があるのだろう。2月4日(土)に初となるコラボレーションコレクションがローンチする。
記念すべき初コラボレーションは、両者にとってど真ん中ストレートのフィールドである「原宿」と「古着」が主なキーワード。日本のメンズファッションにとって欠かせない要素である「原宿」や「古着」といった共通言語をクロスオーバーさせ、尾花大輔氏が愛用しているデニムのセットアップをベースにデニムジャケットとジーンズが完成した。
20年以上続く両者の親交と洋服への愛情が結実した至高のデニムセットアップ
デニムジャケットは3rdタイプを踏襲しながらオリジナルのシルエットを採用。洋服にとって最大の要のひとつであるシルエットの構築に関しては、現行・ヴィンテージを問わず気に入った無数のパターンを組み合わせながら探っていったという。また、本コラボレーションアイテムを制作するにあたり、両ディレクターが岡山の工場まで実際に足を運びながらデザインやディテール、仕様などを作り上げていくという完全現場主義を採ったというのが興味深い。これはファッション業界に限らない話だが、売れれば売れるほどデザイナーやディレクターが他県の工場に実際に赴いて洋服作りを行う機会は減っていく。デニムを知り尽くした藤原氏はもちろん、長年洋服作りを行ってきた尾花氏のような重鎮的存在が現場に積極的に足を運んでモノ作りをしていたというエピソードは、洋服好きであれば思わず嬉しくなってしまうのではないだろうか。
激しいダメージ加工が施され、アタリやヒゲといったデニム特有のエイジングもかなりリアルに再現されたデニムジャケットとジーンズは、ヴィンテージのような風合いと強い存在感がありながら、不思議なほど現在のファッションとの親和性が高く感じる。コテコテのヴィンテージ風でもなく、変にカッコつけたハイファッション系でもないニュートラルなテイストは、時代やトレンドを超えて着ることのできる〈N ハリウッド〉とのコラボレーションならではと言えるだろう。何年も掛けて着倒したような色落ちやほつれ、リアルなリペア跡、デニムウェアならではのステッチの運針をじっくり見ていると、心の底からメンズウェアが大好きな人たちが作ったんだなと思える。20年以上の付き合いがあるという尾花氏と藤原氏が紡いできた「原宿」や「古着」の世界が生み出した至高のデニムセットアップは、きっと今も10年後もクールでリアルな洋服であり続けるはずだ。
ITEM CREDIT
- N.HOOLYWOOD x New Manual:Collaboration Collection