ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM

経産省や NTT による睡眠を改善するプロジェクト ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM が日本の不眠者を救う?

睡眠をまとめて取るのではなく、複数回に分ける「分眠」の考え方を採用し、ウェアラブルデバイスによって取得した心拍数や心拍変動をもとに自律神経やストレス値を計測することで、最適な睡眠環境を屋外でも提供する画期的なアイテム


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM

日本はOECD(経済協力開発機構)加盟国の中でもっとも睡眠が短い

人が心身ともに健やかに生きていくためにもっとも重要なことのひとつが良質な睡眠であることは、ここで改めて書くまでもないだろう。よく眠り、気持ちよく朝に目覚めること…もちろんできるだけ深く安らかな眠りにつき、途中で目覚めることなく、朝までぐっすりと眠れること…は、自分が思う以上に大切なことだ。私事で恐縮だが、何週間か前に一時的な不眠状態に陥った経験があった。夜中になってもまったく眠くならず、ベッドで無理やり目を閉じて眠ろうとしても睡魔が襲ってこない。それも数時間にわたって。普段は基本的によく眠れていることもあり、この「寝たいときに眠れない」時はかなり辛かった。誇張なしで、何度も寝返りを打ちながら半ば発狂しそうになることもあったほどだ。
日本は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でもっとも睡眠が短いのだという。確かに私の周りの友人にも睡眠時間が明らかに足りていない人もいるし、不眠のストレスを抱えている人もいる。そんな状況を憂いて発足したのが〈ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM(ZZZN スリープ アパレル システム)〉だ。経済産業省とNTT DXパートナー、〈コネル〉が合同で“睡眠後進国”と称される日本の睡眠環境を改善するために生まれたプロジェクトである〈ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM〉は、情報のあふれる社会の中で唯一の休息環境(=オフライン環境)を日常の中に生み出すために開発。「疲労回復」「疲労蓄積の予防」「作業効率アップ」といった効果があるとされる「仮眠」に対して、1日の睡眠を一度にまとめて取るのではなく、複数回に分けて取る「分眠」の考え方を採用し、ウェアラブルデバイスによって取得した心拍数や心拍変動をもとに自律神経やストレス値を計測することで、最適な睡眠環境を屋外でも提供するという。
睡眠不足をテクノロジーで解決する試みとして完成したのが、摩訶不思議な見た目を持つダウンコートのようなウェアと怪しげなヘッドギアだ。まずは以下フォトギャラリーからディテールをチェックしてみよう。

ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM
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ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM
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入眠から睡眠中、そして目覚めのプロセスに至るまで科学的に考えられた「ギア」

〈ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM〉を搭載したコンセプトモデルは、ダウンコート型のウェアとヘッドギア、睡眠計測スマートリングを展開する「SOXAI」のスマートリングの3アイテムで構成。スマートリングによって着用者の睡眠状態やストレス値などの生体データを計測し、個人の状態に合わせた最適な睡眠環境を提供するという。具体的には、顔まわりにフィットするヘッドギアにはヘッドホンを内蔵し、外の喧騒を遮断したうえで、入眠に適した周波数帯域の2種類の音楽(ニュートロミュージック)によって睡眠に没入できる環境を演出。また、額部分にあしらわれたライトが入眠時には夕焼けの色に近い赤色に明滅することで入眠を促進する。写真のライトは飾りではなく、最適な入眠を促すための立派な機能なのだ。そして起床時には心地よく起きることができる音楽と目の覚める青色照明が灯り、20分程度の分眠と起床をスムーズに切り替える。入眠から睡眠中、そして目覚めのプロセスに至るまで科学的に考えられた「ギア」であることがよく分かる。

ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM
ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM

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ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM

ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM
ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM

ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM

超こだわりの設計で全方位的に優れた睡眠をサポートするために設計

ウェアのデザインはロングタイプのダウンコートをベースに、日本古来の布団をかぶったような防寒着「夜着」から着想。目に優しいパステルカラーのブルーが採用された。袖や裾のドローコードや袖口のタブによって圧着感を調整できるので、着用者に合った「寝やすさ」と「快適な着心地」を実現しているほか、ヘッドピースの上からフードを被ることで着用時の眠気や温度、周辺環境に合わせて調整が可能だという。ちなみに着脱型フードエアパック入りの襟は、サポート構造で首元を支え、睡眠中の安定感を向上させることで首や肩の負担を軽減。エアパックは呼気吹き込み式を採用し、好みの大きさに調整ができるという超こだわりの仕様で、全方位的に優れた睡眠をサポートするために設計されている。なお本モデルはコンセプトモデルなのだが、今後の商用化に向けてコートやヘッドギア以外のアイテムの展開も予定しているという。
〈ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM〉はアパレルブランドではなく「睡眠システム」として展開していくというが、ご覧の通り、まるでモードブランドが作ったかのような先鋭的なデザインも魅力だ。街中でヘッドギア込みで着用するにはかなりの勇気が必要だけれど、睡眠に対する意識が今よりも高まれば、渋谷や銀座あたりで〈ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM〉を着用し、街中の片隅でついうたた寝してしまう人を見られるようになるかもしれない。
〈ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM〉は今年開催される大阪・関西万博で展示予定。良質な睡眠を求める方はZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM 公式サイトをチェックしてみてはいかがだろうか。
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