Jonathan Anderson LOEWE Quit

ジョナサン・アンダーソンが LOEWE のクリエイティブディレクターを退任

約11年間にわたって〈LOEWE〉に貢献してきた若手デザイナー/クリエイティブディレクターが電撃的な退任を発表


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : Jonathan Anderson

後任は未定

Jonathan Anderson(ジョナサン・アンダーソン)が〈LOEWE(ロエベ)〉のクリエイティブディレクターを退任することを自身のインスタグラムで発表した。
ジョナサン・アンダーソンは1984年に北アイルランドで生まれ、2005年にロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、2008年に自身のシグネチャーブランドである〈J.W. ANDERSON(J.W. アンダーソン)〉を設立。当初はメンズコレクションのみの展開だったが、2011年にウィメンズコレクションもスタートし、2012年にはブリティッシュ・ファッション・アワードでエマージング・タレント・アワードを受賞した。
〈ロエベ〉には2013年からクリエイティブディレクターとしてブランドに加わり、それ以来約11年間にわたってスペイン発のラグジュアリーブランドを独自のセンスとバランス感覚、若手とは思えないほど巧みなプロデュース力で世界的な人気メゾンへと成長させている。

Jonathan Anderson LOEWE Quit
Jonathan Anderson LOEWE Quit
Jonathan Anderson LOEWE Quit

ファッション史に記憶される〈ロエベ〉でのジョナサン・アンダーソンの貢献

退任を発表したインスタグラムの投稿では、〈ロエベ〉で共に働く仲間たちへのメッセージを投稿。以下に全文を翻訳する。
「11年前、私はもっとも素晴らしい機会を与えられ、179年の歴史に1章を刻む機会を得ました。〈ロエベ〉での最初の日から、デザインスタジオとアトリエで、当時も今も誰にも負けない才能を持つ同志たちを見つけました。あなたたちの技術を共有してくれてありがとう。
この11年間、私は幸運にも、想像力、スキル、粘り強さ、機知に富んだ人々に囲まれ、私の野心的なアイデアすべてに「イエス」と言う方法を見つけることができました。振り返ってみると、ブランドは最初のショーの1年で築かれるのではなく、シーズンごとに、年ごとに、ブランドにとって何が正しいかに基づいてゆっくりと築かれるのだということに気付きました。
私がもっとも誇りに思っている業績の1つは、クラフトプライズの立ち上げです。私たちは、消えゆく工芸品、若い職人、古い職人、新しいアイデアを真にサポートし、目立たせるプラットフォームを作りました。財団チーム、審査員、専門家パネルの皆さんに、時間と献身的な努力をいただいたことに感謝いたします。
初日から、私は文化的なブランドを創ることを思い描いていました。このアイデアは、作品を寄贈してくれた多くのアーティスト、職人、遺産、財団、美術館、ギャラリーの信頼と寛大さに大きく依存していました。皆さんに心から感謝しています。
私と私のビジョンをサポートしてくれたすべての方々、そしてすべてのショーを可能にしてくれたすべての方々に感謝します。そして、キャンペーンに出演してくれた方々、記事を書いてくれた方々、製品を購入してくれた方々、あるいは単に投稿に「いいね」をしてくれた方々、皆さんのおかげでこのすべてが可能になりました。
良いことは必ず終わると言われていますが、私はそうは思いません。私自身の章は終わりに近づいていますが、〈ロエベ〉の物語はこれから何年も続くでしょう。私は誇りを持って見守っていきます。

愛を込めて、ジョナサン」

斬新な発想を具現化したアイテムの制作やインパクトの強い広告手法も記憶に強く残るが、上のコメントにもあるように、ファッションに深い観点でカルチャーを織り交ぜたことも大きな功績ではないだろうか。ジョナサン・アンダーソンは常に新しさを提供しながら、〈ロエベ〉が元々は革製品を作る工房であったことを決して忘れず、職人的なもの作りへのリスペクトを感じるクリエイティブを貫いていた。この約11年間の〈ロエベ〉の成功は、ジョナサン・アンダーソンなくしては決して成し遂げられなかっただろう。
後任のクリエイティブディレクターは本稿執筆時点では発表されていない。ジョナサン・アンダーソンの引退の発表はこちらから。
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〈J.W. ANDERSON〉の記事はこちらをチェック。
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