マルタン・マルジェラがパーソナルアーカイブオークションをパリで開催
謎めいた“生きる伝説”、マルタン・マルジェラ自身が所有する超希少なアーカイブアイテムが出品されるオークションが7月にパリでスタート、併せてアーカイブアイテムが集結する展覧会も開催
不世出の天才、マルタン・マルジェラ
どの世界にも天才はいる。天才の定義はさまざまだが、ここでは「類まれな才能を持ち、それをするために生まれてきたような人」とする。その考えで、ファッション業界における不世出の天才は誰だろうと考えた時、真っ先に浮かんだのがMartin Margiela(マルタン・マルジェラ)だった。1988年にベルギーで〈Maison Martin Margiela(メゾン マルタン マルジェラ)〉を設立したマルタン・マルジェラは、既存のファッションの概念を覆す脱構築(デコンストラクション)や匿名性の美学を提唱し、ファッションデザインの概念自体を覆した。世界に与えたインパクトや影響力、成し遂げてきたことの偉大さは、〈COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)〉の川久保玲に匹敵するのではないだろうか(マルジェラ自身も川久保玲に強く影響を受けている)。
表舞台に出ることを極端に嫌うマルジェラは、その謎めいたイメージと相まって“生きる伝説”になっているが、100年後には文字通りファッション業界における伝説的な偉人としてリスペクトされているに違いない。100年後のファッション好きは、きっとこぞって「マルジェラが生きている時代に生まれたかった」と思うはずだ。
そんなマルジェラが、2026年7月9日午後2時(現地時間)に“アンラッピング(開封)”をテーマとしたパーソナルアーカイブオークションを開催する。「アーカイブを解封していく行為」そのものを体験として設計し、展示作品の多くは未公開とする予定。来場者は年月を経たアーカイブならではの質感や物質としての脆さ、そこに刻まれた時間や記憶と対峙するような特別な体験を味わうことができるという。会場はフランス・パリと言われているが、6月以降に発表されるそうだ。また、オークションに合わせてアーカイブアイテムの展覧会(現地時間7月4日から8日まで)も開催されるという。
世界に3足のみ現存するグラフィティペイントを施したタビブーツも登場
パーソナルアーカイブオークションは、パリのMAURICE AUCTION(モーリス オークション)とロンドンのKERRY TAYLOE AUCTIONS(ケリー テイラー オークションズ)の共催で実現。存命のクリエイター本人が直接オークションハウスと協業し、自身の衣服やデザインしたアーカイブアイテムを出品するのは史上初だという。
そもそも、マルジェラ本人が持つアーカイブとはどんなものなのか?が多くの人が気になるところ。ミニマリズムにも通じる世界を表現してきたマルジェラには、どちらかというとモノをたくさん所有しているイメージが希薄だ。しかし、本オークションでは、マルジェラが1984年にアントワープで発表した「Canette d’Or」のデザインから、2008年に〈メゾン マルタン マルジェラ〉を離れ、個人的なプロジェクトへ移行するまでの軌跡を辿る200点以上のアーカイブアイテムが出品されるという。その中にはマルジェラ本人が着用していたパーソナルホワイトコートや、コットンボイルを用いたマネキンヘッドの試作品、ランウェイショーのルックをまとった3体セットのバービードール、さらには世界に3足のみ(!)現存するグラフィティペイントを施したタビブーツなどがラインナップする。
マルジェラが母に贈った極めてパーソナルな〈エルメス〉の製品も出品
アイテム自体もすべてが貴重だが、作品として具現化する前の紙ベースのスケッチや資料も非常に希少だ。また、マルジェラの母が所有していた〈HERMÈS(エルメス)〉の製品のように極めてパーソナルなアイテムも登場。マルジェラが〈エルメス〉に在籍していた期間に母に贈った、ライトグレーのシルクジャージー ロングスリーブTシャツとミディアムグレーのシルク/カシミア素材によるボタンレスカーディガンのセットや、1998年にデザインされた『クロシェット』ネックレス、『Initial』バッグ、レザーシューズなどを含む約60点ものアイテムもオークションに出品されるという。
マルタン・マルジェラのパーソナルアーカイブオークションは、先に述べたように7月9日午後2時(現地時間)に開催。最新情報はMAURICE AUCTION 公式サイトから。
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