玄人が興奮する腕時計 – タフでラギッドなオメガ・シーマスター

アメカジを愛するタフでラギッドな男の腕元にこれ以上ないほどピッタリなのがオメガ・シーマスターSM300。この夏はミルスペックをも感じさせる骨太ウォッチをおすすめしたい。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : bulangandsons

ロレックスという王道をあえて避けるという選択

ロレックス・サブマリーナはダイバーズウォッチの金字塔として常に人気を集めているし、素晴らしい腕時計であることは疑いようがない。ルックス良し、機能性良し、おまけに換金性まで高いのだから完璧なモデルだ。実際、ダイバーズウォッチ=サブマリーナ(もしくはシードゥエラー)という人は時計好きの間でも物凄く多い。ダイバーズウォッチを新しく手に入れようとする場合、ロレックスは間違いない選択のひとつだろう。
しかし、もしあなたがロレックスという王道以外で探したい場合…そしてロレックスよりもタフでラギッドなダイバーズウォッチを希望する場合…オメガ・シーマスターSM300はベストな選択になり得る。


ケース径41mmという60年代の時計にしては巨大なサイズ。極太のベゼルやインデックスが実に男らしい。

暗闇での視認性を確保するインデックスと針。正面からのルックスはまさにラギッド。

タフ&ワイルドな世界観を堪能できるヴィンテージ・シーマスター

見るからにタフでワイルドな風貌はこの時代のシーマスター特有のものだ。ベゼルは潜水時の時間を正確に把握できるよう1分刻みで目盛りが刻まれている。文字盤には極太のインデックスがズラリと鎮座していて、夜間の視認性にもまったく不安はない。この時代の腕時計は夜光にトリチウムが使われているため、劣化でほとんど光らない個体も多いが、写真を見る限りこの個体はまだまだ光ってくれるだろう。
針は分針と秒針で太さが違うことと、夜光の面積も異なるため、文字盤の数字を見なくても現在時刻を瞬時に確認できる。当たり前と言えば当たり前なのだが、シーマスターSM300はUI的に理にかなった思想で作られていることがよく分かるのだ。
それもそのはず、このモデルはイギリス軍に採用された過去がある。ミリタリーウォッチである以上機能性はもっとも優先されるべき事項。というよりも、機能的に優れていなければ絶対に採用されることはないと考えてよいだろう。SM300の高い視認性と防水性は軍用時計としても適切だった。


オリジナルのブレスレットが付属する。ヴィンテージウォッチはブレスレットがオリジナルだと価値に影響するため、日常使いする際はNATOブレスレットなどに交換する方が無難。

ぷっくりと盛り上がるプラ風防もヴィンテージならでは。わずかに黄色く灼けたインデックスやところどころに散見される傷が雰囲気たっぷり。

玄人が興奮する腕時計

シーマスターSM300、実はヴィンテージを買おうとするとなかなか見つからない。前述の通りミリタリーウォッチとして実戦で使われてきた過去もあるため、自分が納得できる状態の個体を探そうとすると長期戦を覚悟する必要がありそうだ。
41mmという絶妙な大きさのケース径と無骨なデザイン、そしてミリタリー的な野性味溢れる雰囲気。それらすべてがタフでラギッドなオーラを醸し出す。人とは被らない本格的なヴィンテージのダイバーズウォッチをお探しであれば、シーマスターSM300はコアな選択としてとてもカッコいいと思う。

ITEM CREDIT
  • OMEGA:1968 Seamaster SM300

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