レッドウィングは最適な選択なのか?

レッドウィングは世界でもっとも人気の高いワークブーツブランドかもしれないが、中には「ありきたりでつまらない」と否定的な意見を持つ方もいる。それでは、レッドウィングはワークブーツ好きたちが手放しで絶賛するほど本当に素晴らしいブーツを作っているのだろうか?


Written / Photo : LIVE IN RUGGED
Made by : RED WING SHOES

レッドウィングは「ベストな選択」なのだろうか?

アメリカにはたくさんのブーツメーカーがあり、どれもそれぞれに個性的だ。1800年代~1900年代初頭に掛けて創業した老舗中の老舗はリーバイスが501を作るより前から労働者たちのためにワークブーツを製作してきた。そういったブーツメーカーは優に100年を超える長い年月を掛け、その時代ごとのワーカーたち…炭鉱労働者や鉄道機関士、自動車整備工や高所作業員など…がプロフェッショナルな仕事を行う際の「現場靴」として強い信頼を受けてきたのだ。アメリカが産業的に急成長を遂げてきた背景には常にこういったワーカーたちが存在してきたわけだが、ブーツメーカーはその足元を支えてきたとも言えるだろう。
レッドウィングは創業から110年を超える老舗ブランドのひとつ。ここ日本でも90年代後半に爆発的な流行を生み出し、00年代~10年代になっても変わらない人気を持っている。間違いなく世界でもっとも売れているワークブーツメーカーであり続けてきたレッドウィングは、果たして数多いライバルたちに比べて「ベストな選択」なのだろうか?
そんな素朴な疑問をふと感じ、本日はレッドウィングがどれくらいベストな選択なのかを考えてみようと思う。


筆者が所有するレッドウィング。手前は8172。奥は左から8179、右は手前の色違いの8172。どれも履きこんで味が出ているお気に入りたち。

今までの人生でもっとも愛用している8172。スッキリしたフォルムと上品なプレーントゥ、そしてタフなビブラムソールと、個人的な好みをすべて備えた完璧な逸品。

4万円台前半から購入できるメイドインUSAのワークブーツ

レッドウィングが他ブランドよりも明らかにアドバンテージがあるのは価格だ。ウエスコやホワイツが素晴らしいブーツを作っていることに何の意義もないが、価格はレッドウィングの方がずっと安い。4万円台前半から新品を購入できるメイドインUSAのワークブーツはレッドウィングを置いて他にはほとんど存在しない。いや、ないとは言わないが、あのクオリティの高さをもってこの価格で製作できるブランドは存在しないという言い方の方が正しい。レッドウィングに関しては「安かろう悪かろう」がまったく当てはまらないのだ。適切な価格で高品質のブーツを手に入れられること。いきなり答えを言うようだけど、これは強力な強みだ。


同じメイドインUSAを貫くクロムハーツとの相性も抜群。どちらもタフで永遠のスタンダードと呼ぶにふさわしいブランドである。

奥の中央はLINEMAN(2908)。高圧電線を整備するラインマンのために生まれたモデルで、シューレースの数が他モデルと比べて多い。高所で危険な作業を行うラインマンは足元に強いフィット感を求めるため、この仕様のブーツが誕生した。中央以外のブーツは上記と同様。

「軽い」は正義!?

次に挙げるべきレッドウィングの魅力は「軽いこと」。物理的な重量だけではなく、見た目から出る雰囲気においても他ブランドよりも軽いのだ。まずは前者について説明しよう。レッドウィングはレースアップブーツにしろエンジニアブーツにしろ、または短靴にしろ、最大のライバルであるウエスコやホワイツに比べ物理的にライトウェイトだ。重量は履き心地に直結する重要な要素なので、ここに関しては人によって好みが分かれる。重い方が好きな人もいれば重過ぎると疲れるという人もいる。ただ、一般的には重過ぎる靴は敬遠される傾向があり、より軽量なレッドウィングは履きやすいという評価が実際に多い。
そして、レッドウィングのデザインはウエスコやホワイツに比べスッキリしている…と言って伝わるだろうか。ブーツの見た目的な重量感を左右するのはソールから上、つまりアッパーがどんな形になっているか。レッドウィングのブーツは他社に比べてアッパーのデザインがスッキリしていて、革自体の厚さも抑えめになっている。
万人受けしやすいのがレッドウィングで、よりへヴィーなのがウエスコやホワイツと言っても良いかもしれない。ただ、この軽い感じが物理的にもイメージ的にもより多くのユーザーにとって買いやすさにつながったのではないだろうか。言うまでもなく「軽い」=「チャラい」「安っぽい」という意味ではない。


同じ品番の色違いを買うほど8172に夢中。履きやすさ、ルックスなどすべてが素晴らしい。見た目以上にタフなので雨や雪でもまったく気を遣わずに履くことができる。

8172は既に廃盤になってしまったので、今は中古しか手に入らないのが唯一の欠点か。どうやら日本ではビブラムソールよりもクレープソールの方がずっと人気があるらしい。

ぶれない普遍性とアメリカ製を強く感じるブランド力

様々なモデルが用意されている点も他ブランドよりも強みを感じる。もちろん廃盤になるモデルも一定数以上あるものの、よっぽどのファンかマニアじゃなければすべてのモデルを把握するのが困難なほど。更にカラーバリエーションも豊富なため、選択肢は無限。一年に何度も魅力的な新作や人気ショップとのコラボレーションモデルなども登場するところも見逃せない。こういった活気の良さは人気ブランドならではだ。
そして忘れてはいけない最大の魅力はオーセンティックであること。110年以上の歴史を持つレッドウィングはこれまで積み重ねていたヒストリーも非常に大切にしている。現在製作されているモデルは過去に作られた名作たちから少なからず影響を受けており、そこから逸脱するような靴を作ることはない。この普遍性もレッドウィングらしさだ。
レッドウィングのブーツはまさにアメリカを感じさせるオーセンティックさと優れたデザイン、そして価格以上のクオリティという武器を手に世界を席巻している。実際のところ、これほどバランスの良いブーツメーカーは他にないのではないだろうか。
やっぱり真面目の考察してみてもレッドウィングは無敵の存在だった。

ITEM CREDIT
  • Red Wing:8172 / 8179 / Lineman(2908)
  • Omega:Speedmaster Professional (1982 Vintage)
  • Chrome Hearts:Classic OTJ filigree leather belt