6 ways to identify leather items

良い革製品を見分ける6つの方法

革製品は星の数ほどあるのに、選び方の基準は意外とどこにも書いていなかったりする。この記事では良い革製品の見分け方について考えてみることにした。革モノ初心者の方はもちろん、ハードコアな革フェチの方はご自分の選定基準をぜひ教えていただきたい。


Written / Photo : LIVE IN RUGGED

1.革製品を作るブランドとして定評があること

良い革を使っているブランドは必ず世間から高い評価を得ている。これはごく当たり前のことなので、欲しい革製品を見つけたら世間からどう評価されているブランドなのかをチェックすると良いだろう。例えば特定の革を使ったアイテム作りに長けていたり、加工が得意なブランドもある。「革が得意」といっても内容は千差万別。自分が欲しいと思う商品は、もしかしたら他のブランドの方がずっと良い可能性もある。世の中の評価には重要なヒントがあることが多いのだ。


666のダブルライダースジャケットはステアハイド(牛革)を使ったオーセンティックなデザイン。メイドインジャパンの確かな作りも購入の決め手だった。

666はライダースジャケットをメインに作るブランドとして確固たる地位を確立しており、歴史も長い。そういった安心感も購入の後押しになるのは間違いない。左のシングルライダースジャケットはロエン。ディアスキンのしっとりした質感は何年経っても変わらない素晴らしい品質。

2.自分好みの革質(硬さや厚み、シボ感、光沢感など)であること

「これは素晴らしい革だ」と人に勧められても、自分の好みの質感じゃなければお金を出して買う気にはならないだろう。見た目が気に入ったとして、その革製品の革質も自分好みかどうかを確認することも非常に重要だ。例えばもっともポピュラーな牛革の場合、成長過程によって名称が変わる。そして多くの場合、同じ牛革であっても硬さやきめ細かさなどが大きく変化する。
例えばベジタブルタンニンのレザーは使い込むほどエイジングを楽しめるが、雨や汗といった水分には弱い。クロム鞣しのレザーは汚れや水分には強いが、長く使っても変化を感じにくいことが多い。これは革質の違いというよりは鞣し方の違いのように思うかもしれないが、鞣し方が違うと見た目にも強く影響を与えるため、目の前の製品がどんな鞣し方のレザーを使っているかが分からない場合は確認した方が良い。
革質の違いは実店舗で手に取って確認するのがベストだが、オンラインショッピングで購入する際はきちんと拡大画像を確認して理想に近いかどうかをチェックしよう。それでも不安であれば違うショップの画像を探すことをおすすめする。大抵の場合同じ商品を複数の店舗が取り扱っているので、根気よく探せばより高画質の画像を見つけることができるだろう。

3.日本や欧米で高い技術力を持つ職人が作っていること

高品質の革製品を手に入れようとする場合、これも非常に重要だ。日本やヨーロッパ(主にイタリアやイギリス、ドイツなど)、アメリカの名の知れたブランドや工場で作られる革製品はそれだけでクオリティが高い可能性があるだろう。日本に限って言うと、メイドインジャパンは今や国外の多くの人々に高品質であると認知されている。また、メイドインジャパンであることを主張することは、自国の優れた職人の手作業で作ることを誇りに思っていることの現れでもある。もちろんメイドインイタリアでも、メイドインUSAでも同じことだ。プライドと責任感を強く持って作られる製品の品質が高いことは至極当然のことなのだから。
そして優れた職人の手で作られるということは、その国の労働力に対してお金を払うということでもある。21世紀になってから、コストが安いという理由で多くの企業が中国を始めとしたアジアに生産拠点を移転した。我々消費者にとってはより安価な価格で手に入れられる利点もあるが、場合によっては劣悪な環境で作られていることも忘れてはいけない。信じられないほど安い賃金で長時間労働を強いる工場も多いという。
しっかりした工場で作られたモノを買うということは、「売れれば作る人間のことなんて知ったことではない」という企業に対して「No!」と言うことでもあるのだ。


グレンロイヤルの革小物はのどかなスコットランドで熟練職人たちがひとつひとつ手作りしていることも魅力。ブランド側も自社の職人の技術力を誇りに思っていることが伝わってくるブランドで好感を持てる。

パンタレイはメイドインジャパンのレザーブランド。柔らかく鞣されたクロコダイルがポップなレッドカラーに染められており、使い込むうちに部分的に色濃く変化してきた。革質はもちろん、縫製などの技術も高い。

4.素材や製法に関する情報があること

販売ページの商品詳細を見ても「牛革」「日本製」としか書いていないことも多々あるし、それで良しとするのもまったく問題ない。ただ、自分が手に入れようと思っている商品についてより知りたいと思うことはないだろうか?
革製品にこだわりを持つブランドであれば、使っている皮革について産地や鞣し方などの情報がどこかに書かれているものだし、カットや縫製、仕上げなどに関することも記載があるかもしれない。それらを知ることは私たちが「安心」を買うこととイコールであることを覚えておきたい。

5.作り手側に熱意や信念があること

熱意や信念は感情論に近い話なので人によって感じ方は違ってくるし、これまで述べてきたことと比べて判断が難しい要素かもしれない。しかし、作り手側にこういった熱い思いがあるかどうかも判断の材料として大切にしたい。デザイナーや職人の思いをウェブサイトや店頭で触れることができれば、それは理想的なケースといって良いだろう。もしかしたら接客してくれる若いスタッフが熱意たっぷりに商品やブランドの説明をしてくれるかもしれない。それもまた作り手側の思いを感じるという点では良い判断材料になるだろう。
革製品である以上、それがライダースであれ財布やベルトであれ、できれば長い年月を掛けて愛用したいと思うはずだ。熱意と信念を持って作られている商品は結果的に長持ちすることが多い。これは革製品じゃなくても当てはまる事実だ。


レッドウィングのブーツはデザイン、革質、作り、値段などあらゆる要素が完璧にバランスしている。頑なにメイドインUSAを守り、レザーから自社で開発・生産する稀有なブランド。

トリッカーズも男の足元を飾るオーセンティックなブランドのひとつ。流れ作業も積極的に採用しつつ、要所要所で職人の手作業を必ず入れる生産方法で品質と値段のバランスを取っている。

6.そのアイテムを見た時に、居ても立ってもいられなくなるほど「好きだ!」と思えること

1~5までつらつらと判断方法を書いてきたが、もっとも重要なことは自分が好きであるかどうかだ。逆に言えば、自分がそれを大好きであれば1~5のうちいくつかに該当しなくても問題ない。人から何と思われようとも、その革製品を見て好きだと思う感情を最重要視すべきである。

革製品との素晴らしい出会いを願って

この記事を書くきっかけになったのは、インスタグラム版LIVE IN RUGGEDでフォロワーさんからいただいた「良い革製品をどうやって見分けていますか?」という質問だった。自分が革製品を購入する際はどういう判断基準だろう?と自問し、これは外せないという要素をまとめてみたのが今回の記事ということになる。この記事が読者の方々と優れた革製品の出会いに役立てば、こんなに嬉しいことはない。

ITEM CREDIT
  • 666:LJM-1TF Tight fit U.K. Side belt rider’s jacket / Steer hide
  • Roen:Deerskin single rider’s jacket
  • Glenroyal:Zip around long purse (Dark blue / New black) – Personal order
  • Glenroyal:Bridle leather bi-fold wallet
  • CHROME HEARTS:Keeper ring / Celtic in band ring
  • MOCA VINTAGE:Ring
  • Denime:New 507 type denim jacket
  • Pantarhei:Chrocodile leather wallet
  • Studio D’artisan:SD-103 Tight straight
  • Naked & Famous:ELEPHANT 2 REVENGE 22oz
  • Van Amburg Leathers:American bison leather triple fold wallet / stingray cross inray
  • Red Wing:8172
  • Mujirushi Ryouhin:Check shirt
  • Burgus Plus:lot.770
  • Tricker’s:Bourton brogues