Life is exploration Rolex Sea-Dweller

オーバースペックを楽しめるのは大人の特権 – ロレックス・シードゥエラー

名実ともにプロフェッショナル向けであるダイバーズウォッチ、ロレックス・シードゥエラーを日常使いすることは、精神的なリッチさを持つ大人だけの楽しみ方かもしれない。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : HODINKEE

世界トップクラスの耐防水性を実現
プロダイバーと共同で開発した海のプロフェッショナルウォッチ

オーセンティックで普遍的なデザインの〈ROLEX(ロレックス)〉Sea-Dweller(シードゥエラー)の写真を眺めていて、このタフでリッチな腕時計を身に着けるのはどんな人なのだろうと思いを馳せる。潜水会社のプロダイバー?週末の波乗りが生きがいの陽に焼けたサーファー?それともビルが乱立する大都会に通うビジネスマンだろうか?どれも正解で、こういう人は身に着けてはいけないという決まりはない。
〈ロレックス〉シードゥエラーは何十年にも渡りプロダイバーたちと共同で開発してきた海のプロフェッショナルウォッチ。そう、紛れもなくプロユースの腕時計なのだが、私たちのようなアマチュアでも堂々と身に着けることができる。もしあなたが素潜りの達人ではなく、マリンスポーツもしない都会派だとしても、この腕時計を身に着けることに気後れすることはない。
〈ロレックス〉のもっとも有名で人気の高いダイバーズウォッチであるサブマリーナの上位モデルとして位置づけられるシードゥエラーは、1967年に誕生。1stモデルのRef.1665は当時のサブマリーナデイトの約3倍にあたる610m防水を誇り、ダイバーズウォッチの新しい世界を切り開いた。その後2ndモデルのRef.16660、そして3rdモデルのRef.16600は初代の倍にあたる1,220m防水という異次元のスペックを実現。市販される腕時計としては名実ともに類を見ない機能性を備えるプロフェッショナルウォッチとして君臨している。


文字盤はサブマリーナとほぼ同じデザイン。「2000ft=610m」の文字が誇らしげだ。

逆回転防止ベゼルは傷が付きやすいが、この個体はスクラッチなどがない美品。

水深数百メートルの世界で何事もなく機能する腕時計

こちらのシードゥエラーは初代にあたるRef.1665で、1978年製のヴィンテージウォッチ。今から43年前に作られたとは思えないほどの美観を保っている。ルックスはサブマリーナに酷似しているものの、文字盤のモデル名や「2000ft=610m」の文字が更なるプロフェッショナル向けであるシードゥエラーであることを主張。ケースサイドのヘリウムガスエスケープバルブもシードゥエラーに欠かせないアイデンティティだ。
直系40mm、厚さ12mmのケースサイズは当時としては相当ビッグに感じたはず。デカ厚時計が一般的になった現代の私たちにとっても、このサイズは重厚感たっぷりだ。もちろんこのファットなサイズ感はデザインファーストで設計されたのではなく、超深海で問題なく稼働するための機能性を優先した結果。水深数百メートルの世界でプロダイバーが心から信頼できる腕時計であるためには、万が一にも破損や故障があってはならない。ダイバーたちは回転式ベゼルを使いながらガスボンベの残量時間を計算して潜水するため、腕時計の故障は死に直結する。そんな超シビアな世界で仕事をする人々に向けて作られたシードゥエラーは、何よりも機能性を優先して作られた腕時計なのだ。


金属の塊のようなゴツゴツした質感。まさに男のための腕時計。

この分厚さゆえスーツスタイルにはToo muchになってしまうかもしれないが、カジュアルベースであれば基本的にどんな服装にも違和感なくマッチする。


特殊なプロのためのツールウォッチであっても気品に満ちているところが〈ロレックス〉らしい。タフでも美しいのは本当に凄いことだ。

1978年のヴィンテージウォッチとしては珍しく、オフィシャルのボックスが付属。ヴィンテージ・ロレックスはボックスが付くと値段が跳ね上がる。

〈ロレックス〉の高い機能性を日常生活で思う存分楽しもう

さて、これだけの機能を持つ腕時計を素人の私たちが本当に身に着けて良いのだろうか?先に述べたように、もちろんその答えはイエス。水に濡れるのは台所仕事をする時だけであっても、気兼ねなくダイバーズウォッチを愛用しよう。オーバースペックを楽しめるのは大人であることの特権だ。シードゥエラーを身に着けることは、私たちが想像もできない世界に生きるプロフェッショナルたちが生み出した機能と、生き方に対する賛辞でもある。また、例え海の底に潜ることはなく普通に生きる人間であっても、人生は冒険であることに変わりはない。〈ロレックス〉シードゥエラーは、どんな人生であってもオーナーにそっと寄り添いながらともに冒険を進んでくれる。
世界に48本しか存在しない、〈ロレックス〉が英陸軍ヘリコプター部隊のために製造したエクスプローラーIIも併せてご一読を。