My first Hermès is Chaine d'ancre

【初めてのエルメス】マルジェラ期のシェーヌダンクルを買ったぞ!

1月に購入したばかりなのに今年最大かつ最良の買い物になる可能性大。


Written / Photo : LIVE IN RUGGED

魅惑のマルジェラ期

ついに買ってしまった。そして、ついに今まで踏み入れてこなかった新しい「沼」に入ってしまった。
人生初の〈Hermès(エルメス)〉として、先日Chaine d’Ancre(シェーヌダンクル)を購入した。現行モデルではなく90年代のヴィンテージだ。
〈エルメス〉でもっとも有名なアイテムのひとつであり、ブランドを代表するジュエリーでもあるシェーヌダンクルを購入しようと決意したのは昨年の12月頃。LIVE IN RUGGEDの公式インスタグラムでフォローしている方々の中には〈エルメス〉好きも多く、愛用されているシェーヌダンクルの投稿を頻繁に目にするうちについに我慢できなくなった、というのが主な理由。もうひとつの大きな理由は、世界を代表するビッグメゾンである〈エルメス〉をいつか手に入れたい、そして手に入れるなら10代の頃から本能的に好きだと思っていたシェーヌダンクル以外にはない、というものだった。
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少し昔話をすると、筆者がシェーヌダンクルの存在を知った90年代後半は定価が12万円くらいで、今よりもはるかに手に入れやすかったと記憶している。もちろん当時も高い人気を持っていたけれど、今ほど需要と供給のバランスが狂っていなかった頃で、確か〈エルメス〉のブティックで普通に購入できたはずだ。当時高校生だった自分にとって〈エルメス〉はあまりに別世界の存在。手に入れようなんて思わなかったし、〈CHROME HEARTS(クロムハーツ)〉に夢中だったこともあって興味の範囲外だった。
ところが大人になるにつれて〈エルメス〉の良さを理解できるようになり、そういえば今はいくらくらいするんだっけ、なんて思いながら何年も前に調べたところ、いつの間にか定価もずいぶん上がり、男女問わず大人気アイテムになっていたのだ。〈エルメス〉のブティックでは半年~1年待ちは当たり前で、日本全国どのお店に行ってもショーケースに並ぶことはないらしい。こんなことになるのならもっと早く買っておけば良かった!と後悔しても遅い。この手の後悔は〈ROLEX(ロレックス)〉のヴィンテージウォッチやスポーツウォッチと共通している。
それでも居ても立っても居られないほど欲しい。そしてどうせ買うなら今後ますます価値が上がるであろう時代のモノを買いたい…。ということで、90年代~00年代に作られたシェーヌダンクルに的を絞ってひたすら探したところ、この時代のシェーヌダンクルは現行モデルと比べてはるかに流通数が少ないことがすぐに分かる。これも〈ロレックス〉や〈クロムハーツ〉と同様、基本的に古ければ古いほど価値が高いため、古い〈エルメス〉も取り扱うどこかのお店に入荷すると即売り切れになることが多いからだ。それでも人気モデルだけあってすぐに購入できるこの時代のシェーヌダンクルをいくつか発見し、状態の良さと価格、そして真贋が確かな個体を絞ったのちに購入した。写真のシェーヌダンクルは〈Martin Margiela(マルタン・マルジェラ)〉が〈エルメス〉に関わっていた90年代後半のモデル、俗に言う「マルジェラ期」のモノだ。

日常的なモチーフを超一級品に昇華させる〈エルメス〉の底力

〈エルメス〉に詳しい方ならご存じの通り、シェーヌダンクルはパーツの大きさ違いでいくつものバリエーションが存在している。私が購入したのは上から2番目に大きいGMというモデルで、12コマ。全長約20㎝で、手首が細めの自分にベストなサイズだ(ちなみに大きい順にTGM、GM、MM、PM、現在は廃盤のPPM)。GMはもっとも人気があり、12コマはその中でもゴールデンサイズのひとつ。錨をかたどった各パーツは大きすぎず小さすぎずの絶妙なサイズ感で、重量的にも重すぎず決して軽くない。TGMをとある店舗で試着した際はパーツの大きさ的にヘヴィーすぎると感じた自分にとって、GMはまさに理想のブレスレットなのだ。
ちなみにシェーヌダンクルは〈エルメス〉創業から約100年後の1938年に誕生した由緒ある逸品で、誕生当初はメンズ用のサイズしかラインアップしていなかったという。デザインは当時の〈エルメス〉の社長だったロベール・デュマ=エルメスが港を散歩していた時に目にした船の錨からインスピレーションを受けて生まれた、というのは有名なエピソード。シェーヌダンクルというモデル名自体が訳すると「錨の鎖」なのだから、これ以上ないほど直球のデザインとネーミングだったりする。しかし、本当のクラシックというのは日常に潜む普遍的な何かから生まれることが多い。アンカーチェーンをそのままシルバーのブレスレットにアレンジしたシェーヌダンクルも、普遍的で色褪せない見た目と旅や冒険を彷彿させるストーリー性、そして〈エルメス〉だからこそ作ることができた超一級品としての揺るぎないデザイン美と気品あふれるオーラが混然一体となって完成した奇跡のようなジュエリーであることが分かる。

ハンドメイドであることを強く感じる時代の美しい作りにうっとり
間違いなく生涯を共にする相棒になる!

実際に身に着けてみると程よい重量感があり、絶妙にズシリと感じる。ゆるやかにカーブを描く各パーツはシルクのように滑らかで、本当に良いモノを身に着けているんだと常に実感させられる。90年代のヴィンテージモデルとはいえかなり状態が良い個体なので、シルバーはくすみもなく新品のような輝きがある。今後長く愛用していくうちにスターリングシルバー特有のコントラストが生まれ、大小問わず傷なども増えていくだろう。もちろんそのエイジングの過程も今から楽しみで仕方ない。
90年代後半に作られたシェーヌダンクルの特徴のひとつであるマルカンにひとつだけ打たれた刻印。その手前の錨のコマに打たれているハンドメイド感たっぷりの「Hermès」スタンプ。現行モデルはきっちりと揃ったレーザー刻印で、それもまた美しくて好きなのだけれど、ジュエリーが本来手作業の結晶であることを考えるとこの時代のいかにも職人がひとつずつ制作していた名残を感じる手打ちのスタンプに強烈な愛着を感じてしまう。きっとヴィンテージモデルを愛用する方はみんなそうなのではないだろうか?
実は〈クロムハーツ〉のクラシックリンクブレスレットも購入候補だったし、〈エルメス〉でもTorsade(トルサード)やParade(パラード)にも惹かれていた。シェーヌダンクルは所有している人が多いし、よりレアでマニアックなモデルの方が自己満足度が高いのでは…?と。でも、実際シェーヌダンクルを手に入れてみて思ったのは、良いモノは本当に良いということ。90年近く愛されてきた本当のクラシックであることや、定番品としての安定感、そして先に述べたように完成されたデザインを目にすると、これが自分にとって最良の選択だったことが分かった。このブレスレットは、間違いなくこれからの人生を共にする大切な相棒になる。
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ITEM CREDIT
  • Hermès:Chaine d’Ancre

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