Supreme x Nike SB By Any Means

即完売→プレ値が予想されるSupreme × Nike SB Dunk High「By Any Means」の発売を前にして、レアなコラボアイテムに対して思うこと

欲しいけどいつも買えない、買った人は高額で転売する。この解消が難しいモヤモヤよ。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : Supreme

もうコラボレーションはうんざり?

ファッション業界におけるコラボレーションに対して異を唱える人が増えている。意味を感じない組み合わせや、売れ線を狙ったアイテム、大企業同士の思惑がチラチラと見え隠れする計算高さ…確かにそういった企画やモノは今も昔も数えきれないほど登場してきた。本来、コラボレーションというのは仲が良い人(ブランド)同士や、当人たちにとっては夢の実現のようなものが主流だったはず。「君のところの靴と俺のグラフィックを合わせたら面白くない?」という身内のノリだったり、「ずっとあなたのアートに憧れていたので、良かったらうちのTシャツに描いてもらえませんか」という半ば恋に近い感情が、混じりっ気のない純粋なコラボレーションと言っていいだろう。それに対して、五月雨式で次々と登場する昨今のコラボネタはあまりにビジネス調で、売れることと話題性を作ることを最初から狙っているようなモノが多すぎる…という感情は理解できる。
そして、多くの人が嫌悪感を示すのが転売行為だろう。話題性のあるアイテムをBOTのようなツールを使ってまでゲットし、定価の何倍もの値段で転売する。言うまでもなくブランド側は転売ヤーたちが小遣い稼ぎをするために苦労して作っているわけではないし、彼らが購入するほど純粋に手に入れたい消費者の手には適正な価格で渡らなくなってしまう。これはかなり解決が難しい問題だ。コラボレーションアイテムは総じて生産数が通常よりも少なく、それもまたコラボの大きな魅力でもあるため、争奪戦は免れない。自分で使うつもりで買ったのにセカンダリーマーケットで3倍の市場価値に化けていたら、右から左に流したくなるのも人情だろう。
だから、筆者はコラボレーションだからといって飛びつくのではなく、自分で本当に着たい(使いたい)アイテムなのか?を事前に吟味することが大切だと考えている。
Supreme(シュプリーム)〉はシーズンを問わず話題性の高いコラボレーションを頻発するブランドとして知られている。今週末は昨年から噂されていた〈Nike SB(ナイキSB)〉 Dunk High 「By Any Means」がついに登場。これも間違いなくプレミア価格で売買されるはずだ。

Supreme x Nike SB Dunk High By Any Means
Supreme x Nike SB Dunk High By Any Means

Supreme x Nike SB Dunk High By Any Means
Supreme x Nike SB Dunk High By Any Means

Supreme x Nike SB Dunk High By Any Means
Supreme x Nike SB Dunk High By Any Means

Supreme x Nike SB Dunk High By Any Means
Supreme x Nike SB Dunk High By Any Means

自分で着用したいか?を事前に見極める大切さ

ベーススタイルはいつものクラシックなダンクだが、パッと見て特別モデルであることが分かる装飾が施されている。本モデルは20世紀を代表するグラフィックデザイナー、Milton Glaser(ミルトン・グレイザー)による「I LOVE NY」を用いたトゥガードのキュートなハートアイコンが最大の特徴だ。ヒールカウンターには遊び心のあるフォントでモデル名でもある「By ANY Means」が刺繍されている。これは著名なクリエイティブディレクターであるJohn C Jay(ジョン・C・ジェイ)が手掛けた1993年の〈ナイキ〉キャンペーンに登場した「NIKE NYC」のロゴを引用したものだという。さらにシュータンのタグには〈Supreme〉の「SUP」がスウッシュとともに入っていて、コラボレーションでしかあり得ないデザインとして完成している。
グリーン/イエロー、ネイビー/レッド、ホワイト/ブラックのまったく異なる3色展開は幅広い好みに対応している。コラボならではの派手なインパクトを求める人はもちろん、モノトーン系でさり気なく楽しみたい人をもカバーできるラインアップは、「商売上手」な両ブランドならではとも言えるかもしれない。
結局、最初から売り飛ばす目的の場合は別にして、居ても立っても居られないほどそれが欲しいかどうかということに尽きるのだと思う。これはかっこいい、誰が何と言っても欲しい!と素直に思えるモノであれば、市場価値が低くても気にならないはずだ。企業同士の目論見がどうこうなんていう話もきっとどうでもいいだろう。だってそれが好きでたまらないのだから。
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〈シュプリーム〉も〈ナイキ〉も物欲を刺激することに掛けて天下一品の手腕を持っているし、時には悔しいくらい乗せられてしまっている自分もいる。しかし、マネーゲームばかり楽しむ人はともかく、ひとりのファッション好きの立場から考えると、やはりコラボレーションはファッション業界には決して欠かせないものだと思う。異なるブランド同士が手を組むことで生まれる相乗効果とワクワク感は他では味わえないものだし、ファッションからワクワク感をなくしたら一体何が残るだろう?真面目なモノ作りばかりだったらつまらないはずだ。
〈シュプリーム〉×〈ナイキSB〉Dunk High 「By Any Means」は3月5日(土)より〈シュプリーム〉直営店および公式オンラインストアにて発売。先に述べたようにほぼ間違いなく即完売し、翌日には法外なプレミア価格でセカンダリーマーケットに売りに出されるだろう。さて、あなたはこの素敵なスニーカーが欲しいだろうか?もし手に入れられたとして、転売せずに自ら着用したいと心から思えるだろうか?レアなコラボレーションアイテムを手に入れようと思う時は、そんなことを自問するのも時にはいいかもしれない。
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