2023 Ferrari Purosangue

フェラーリが満を持してローンチする Purosangue が、高級SUVの世界を一変させる

〈FERRARI〉初となる4ドアSUVは、跳ね馬のプライドをかけて開発された超ハイパフォーマンスモデル。並みのスーパーカーを軒並み蹴散らす性能の高さとラグジュアリーを極めたデザインでSUV界の常識をぶち壊す。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : NETCARSHOW

ついに跳ね馬もSUV市場に本格参入

このニューモデルほど「待ってました」と感じるか、「この世界にだけは踏み入れてほしくなかった」と感じるかが分かれるクルマはないかもしれない。〈FERRARI(フェラーリ)〉が来年ローンチする新型モデル、Purosangue(プロサングエ)は、同社初となる4ドアSUV。これまで決して参入してこなかった高級SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)市場へと、ついに足を踏み入れる。
クルマ好きであればご存じの通り、高級SUV市場はスーパーカーメーカーにとっても欠かせないフィールドへと成長した。イタリアの〈Lamborghini(ランボルギーニ)〉は最高出力650ps・最大トルク850NmのV型8気筒4.0L・DOHC32バルブツインターボエンジンを搭載し、最高速度はSUV初の305km/hをマークするUrus(ウルス)を2018年からデリバリー。猛牛の名にふさわしい超ド級のモデルを完成させた。
また、イギリスを代表するスポーツカーメーカー〈Aston Martin(アストン・マーティン)〉は2019年に同社初のクロスオーバーSUVであるDBXを発表。〈Mercedes(メルセデス)AMG〉が開発した最大出力550PSの4リッターV8ツインターボエンジンを搭載し、世界トップクラスのハイパフォーマンスSUV戦争に名乗りを上げている。
高級車=セダンというかつての図式が成り立たなくなってきた現代において、SUV市場は顧客ニーズと開発能力の両面で自動車メーカーが絶対にシェアを取りたいフィールドと言っていいだろう。とはいえ、スーパーカー/スポーツカーメーカーがSUV市場に参入するのはファンにとって複雑な気持ちになるのも事実。地を這うようなスーパーカーだけを作り続けてほしいと願う人も多いはずだ。
そんな中「最後の砦」である〈フェラーリ〉が満を持してSUV市場に参入することは、これからの自動車業界においても、SUV市場にとっても、そしてスーパーカー/スポーツカー市場にとってもひとつの区切りになり得る。〈フェラーリ〉がこのフィールドに本格的に参入することはそれほど大きなニュースなのだ。

2023 Ferrari Purosangue
2023 Ferrari Purosangue

2023 Ferrari Purosangue
2023 Ferrari Purosangue

世界トップクラスの速さを持つサラブレッド

もっとも、どんな形であっても〈フェラーリ〉製のクルマの性能が低いわけがない。Purosangue(プロサングエ)というモデル名はサラブレッドのイタリア語であり、類まれな性能と美しさ、運転の楽しさ、快適性、そして〈フェラーリ〉が何よりも大切にしているDNAを完璧に調和させたことが由来だという。
〈フェラーリ〉は同社初のSUVに最高のパフォーマンスを与えるために、既成概念に捉われないエンジニアリングを発揮。通常SUVはどのメーカーであってもエンジンはボンネットに収められ、ギアボックスが直接連結されたフロントアクスルにまたがっている。しかしそのレイアウトでは前後の重量配分が最適とは言えず、〈フェラーリ〉ファンや生粋のスーパーカーオーナーが求めるドライビング体験とは程遠いものになってしまう。そのため、プロサングエはエンジンをフロントミッドに搭載。ギアボックスをリアに配置することでスポーティーなトランスアクスルレイアウトを実現し、49対51という理想的な重量配分を実現した。
また、ボディワーク、アンダーボディ、リア ディフューザーを可能な限り効率的にすることに重点を置き、SUV用とは思えないレベルの空力開発を行っているほか、独立した4輪ステアリングや6ウェイシャーシダイナミックセンサー(6w-CDS)を備えた ABS「evo」を搭載。コーナーでのボディロールなどを制御する新しいアクティブサスペンションシステムを開発し、専用のシャーシにはカーボンファイバールーフを標準装備するなど、ハード面・ソフト面両方に惜しみない技術を与えている。
心臓部がもっとも〈フェラーリ〉らしい自然吸気V12エンジンである点もファンを歓喜させる要素だろう。インテーク、タイミング、エグゾーストシステムを完全に再設計したV12エンジンは過去に生産していたあらゆる4シーターモデルよりも強力なパワーを誇り、最高出力725馬力、最大トルク716Nmを備え、その最大トルクの80%を2100rpmで発揮する。その結果、2033kgというヘヴィー級の重さにもかかわらず最高時速は310km/hをマークし、0→100km/h加速は純粋なスーパーカー顔負けの3.3秒を記録。まさに世界屈指の速さを持つSUVが完成した。

2023 Ferrari Purosangue
2023 Ferrari Purosangue

2023 Ferrari Purosangue
2023 Ferrari Purosangue

高級SUVの世界をルールづける一台

スタイリングにも目を向けてみよう。プロサングエのプロポーションはSUVでありながら非常にスポーティーで、〈フェラーリ〉らしい優雅なラグジュアリーをしっかり備えていることが分かるはず。しなやかで堂々としたアッパーは彫刻的な造形を感じさせ、迫力のある足元が大地をしっかり踏みしめて前へ前へと突き進む力強さにあふれている。軽快でありながら重厚という矛盾は〈フェラーリ〉スタイリングセンターがゼロから手掛けたもの。この威風堂々としたデザインはスーパーカー/スポーツカーファンの琴線にも響くことは間違いない。近未来的でシャープな顔立ちは好みが分かれるところかもしれないが、これからの〈フェラーリ〉の未来を強く感じさせる造形のようにも思える。
もちろんSUVらしく車内は広々とした空間が広がっており、都会的な使い方はもちろん、アウトドアアクティビティにも対応できる機能性を備えている。ライバルの多くが5シーター仕様を採用する中、スポーティーな4シーター仕様にしたところも〈フェラーリ〉らしい。優雅で完璧な休日を過ごすため、リアシートの中央にはシャンパンが収納できるキャビネットとクールボックスが備えられているという。内装のトリムはレザー、カーボンファイバー、アルカンターラの素材から選択でき、オーナーの嗜好に沿った空間を作り上げることができる。また、観音開きのリヤドアはパワー式で、サイドウインドウの前方下にあるレバーを引くと静かに開閉。ドアひとつとっても一般的なSUVとは明らかに次元が異なるようだ。
〈フェラーリ〉プロサングエは2023年末にデリバリーがスタートする予定で、価格は約5,600万円前後に落ち着く模様。とはいえ、現時点で既存の顧客に優先的に案内がされており、すでに予約が殺到しているようだ。上顧客以外がこの魅力的なモデルを手に入れるには、少なくとも2024年以降になると思われる。
イタリアン・スーパースポーツの頂点に立つ〈フェラーリ〉が満を持してローンチするプロサングエは、高級SUVの世界のルールを一変させるかもしれない。少なくとも、エコカー全盛の今の時代に自然吸気V12エンジンを搭載するという英断を敢行した〈フェラーリ〉に拍手を送りたい。
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