CRT Debut

「色褪せた文化に、色付けしていく」- 昭和レトロなアプローチが光る新たなデニムブランド CRT が誕生

デニムブランド〈KURO〉のデザイナーと「POPEYE」や「BRUTUS」などで活動する編集者が手掛ける期待のニューカマー。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : CRT

デニム復活の機運が高まる中、期待のニューブランドがデビュー

2023年春夏シーズン、ついにデニムが完全復活する。世界的にトレンドをリードするハイブランドたちの多くが、最新コレクションにおいてジーンズやジャケットを独自に解釈したデザインをすでに発表しており、それに追随する形で各メディアも「今年の春夏はデニムがいつにも増して復権する」と宣言。ここ日本でもデニムウェアは例年に増してヒップなファッションとして存在感を増していくことだろう。
そんな中、先日真新しいデニムブランドがデビューを飾った。日本製にこだわり高感度なデザインでコアなデニム好きやファッション好きにファンが多い〈KURO(クロ)〉のデザイナーを務める八橋佑輔氏と、雑誌「POPEYE(ポパイ)」や「BRUTUS(ブルータス)」などで活動するフリー編集者のトロピカル松村氏による〈CRT〉は、ノスタルジックな世界観とデザインで早くも注目を浴びている。
〈CRT〉のコンセプトは「色褪せた文化に、色付けしていく」。このコンセプトには、人々が豊かさを感じる瞬間のほとんどがアナログでいる時のように思えてならならないという考えが込められているという。デジタル技術やテクノロジーがひと昔前に比べると加速度的に進化した今の時代においても、人が幸福感を感じるのはアナログなモノに触れていたり、体感している時であるという考え方は本質を捉えていると共感できる方は多いのではないだろうか。お気に入りのウェアや時計、ジュエリーを身に着けるという究極にアナログな体感や、好きな人と一緒に過ごす時間、自宅でのんびりコーヒーを飲みながら過ごす時間など、どれだけデジタル化が進んでも私たちのリアルな生活にはアナログな幸せが数多く存在している。考えてみればずっと長く愛用できるモノは常にアナログ的なアイテムだ。〈CRT〉のコンセプトは普遍的で、これからも変わらない思想と言えるだろう。

CRT Debut
CRT Debut

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CRT Debut
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ひと癖ある個性的なデザインと作り

注目のファーストコレクションは、1970年代後半から1980年代前半のディナージーンズをベースにしたジーンズ4型が登場。ウエスト部分に切り替えのあるカーブベルトによってスラックスのような腰回りが特徴の 1CH ノンウォッシュ ストレートフィットジーンズ(1万9800円)や、腰回りのヨークをなくしヒップ周りをすっきりさせた 2CH ツインウォッシュ フレアフィットジーンズ(2万2000円)など、見た目からして通常のジーンズとはひと味違うところが興味深い。また、ジーンズだけではなくシルエットや生地の質感にこだわったスウェットも今後登場予定となる。

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売れやすい王道的なアプローチではない独自路線に期待

ご存じの通り日本にも数え切れないほどのデニムブランドが存在しており、その大多数が王道的なアプローチであることは否定できないだろう。それは、結局〈Levi’s®(リーバイス®)〉501® 的なデザインじゃなければ売れにくいというある意味で残酷な事実があるからだ。だからこそ、伝統的な5ポケットジーンズの流れを汲んだデザイン・仕様の中でいかに個性を確立できるか…という点がジャパンデニムの面白いところでもあるのだが、ともすれば無個性と感じることも多い。
考えてみると〈KURO〉もオーソドックスな5ポケットジーンズの主流派とは異なるデザインとブランディングで人気を確立しているが、〈CRT〉も恐らく安易な売れ筋に走らずに独自路線を突き進んでいくのではないだろうか。どことなく昭和の雰囲気が漂うノスタルジックなフラッシャーやキャンペーン画像を見ていても、今後どんなアイテムが登場するのか期待せずにはいられない。
〈CRT〉のデビューコレクションは同ブランドの「公式サイト」で販売中。
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