2023 Rolex 1908 Ref.52508

【2023年新作】ROLEX がエレガントを極めた完全新作モデル、パーペチュアル 1908 を発表

1931年発表のオイスター パーペチュアルからインスピレーションを得ながら、伝統的な腕時計を現代的な解釈で作り上げたニューモデルが誕生した。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : ROLEX

チェリーニラインに代わるドレッシーな新作コレクションが誕生

これは〈ROLEX(ロレックス)〉に限った話ではないけれど、時計業界(と私たち一般ユーザー)はスポーツウォッチばかりに注目しがちの傾向がある。もちろん、スポーツウォッチは物凄くかっこいい。腕時計ならではのメカっぽさを強く感じるデザインや機能に特化した作りが世の男性たちを魅了するのは、本能レベルで自然なことだ(子供の頃にミニカーやラジコンに理由もなく夢中になったことと本質的には似ている)。だから、少なくとも現代においてドレスウォッチは男の本能に訴えかけるスポーツウォッチの陰に隠れがちであることは否めない。しかし、〈ロレックス〉が発表した新型ドレスウォッチ、パーペチュアル 1908 がその流れを変えるかもしれない。
パーペチュアル 1908 は1931年発表のオイスター パーペチュアルからインスピレーションを得たまったく新しい時計。18Kイエローゴールドまたはホワイトゴールドのケースに、ブラックまたはホワイトの文字盤を組み合わせた4種類の展開となり、これまで展開されてきたチェリーニラインに代わるコレクションとなる。

2023 Rolex 1908 Ref.52508
2023 Rolex 1908 Ref.52508

2023 Rolex 1908 Ref.52508
2023 Rolex 1908 Ref.52508

圧倒的な品位と格式

まるで1930年代からタイムスリップしてきたかのようなクラシカルなルックスは、過度な装飾や機能にあふれた現代的な時計の中において異彩を放つ。ホワイトカラーのダイヤルとイエローゴールドのインデックスの組み合わせはこの上なく上品で、清廉そのもの。そのクリーンな印象はインデックスがホワイトゴールドであっても変わらない。一方、ややマットなブラックダイヤルはよりシックな印象を受ける。3、9、12の数字と6時位置のスモールセコンドは1931年当時のオイスター パーペチュアルのデザインに則っており、ダイアル外周には「レイルロード」ミニッツトラックの目盛りが繊細に刻まれている。〈ロレックス〉のラインナップの中でも屈指のクラシック的デザインでありながら現代的な感覚も盛り込まれたパーペチュアル 1908 は、腕時計に品位と格式を求める人にとってもっとも魅力的な新作ではないだろうか。

2023 Rolex 1908 Ref.52508
2023 Rolex 1908 Ref.52508

2023 Rolex 1908 Ref.52508
2023 Rolex 1908 Ref.52508

フルーテッドベゼルとトランスペアレントケースバックで美しさをさらに強調

ケース径は39mmと見た目から受ける印象よりもややビッグサイズ。36~37mm程度であればより良かったと筆者は思ってしまったが、恐らくそのくらいのサイズ感にするとあまりにクラシックウォッチのイメージが強くなってしまうのかもしれない。個人的には繊細なフルーテッドベゼルも素晴らしいと感じた。文字盤の洗練されたデザインの外周に位置するベゼルをフラットにせず、細かい刻みのあるフルーテッドベゼルにすることで、この上品な時計をさらに格式高いものにしている。
極めつけは美しいムーブメントを覗くことができるトランスペアレントケースバックだ。縞模様の間に細かいポリッシュ仕上げの溝が入るコート・ド・ジュネーブ モチーフで装飾したトランスペアレントケースバックから見えるのは、センターの2つの針と6時位置のスモールセコンドを備える新しい自動巻ムーブメント、Cal.7140。5件もの特許を申請中だという完全自社開発・製造の Cal.7140 はシロキシ・ヘアスプリング、クロナジーエスケープメントとパラフレックス・ショック・アブソーバを備え、約66時間ものパワーリザーブと優れたクロノメーター精度(日差 -2~ +2秒以内)を保証。現代的な性能を確保しながらスリムなケースに収めるために、〈ロレックス〉のデザイナーと開発者たちはケースの厚みをオイスター パーペチュアル コレクションと比較して3分の1にすることに取り組み、成功させた。完璧に実現するためには、振動子の構成を完璧に習得するなどの革新的な技術的ソリューションの開発が必要だったという。
どれほど見た目がクラシックであっても中身は最新であり、現代的な性能を確保するのが〈ロレックス〉たるゆえん。とはいえ、スポーツウォッチ全盛の今の時代において完全に新しいドレスウォッチを投入することにこのブランドのブランディングの強さも感じた。人気のあるスポーツウォッチと比べると売れ行きという点ではあまり期待できないだろう。しかし、スイスの時計業界において高価格のドレスウォッチが今でも戦国時代であることも忘れてはいけない。パーペチュアル 1908 はイエローゴールド製が261万9,100円、ホワイトゴールド製が276万8,700円で10月に発売予定という情報があるが、この価格帯(もしくはさらに上の価格帯)は名門時計メーカーの逸品がひしめき合う。パーペチュアル 1908 が並みいるライバルたちに対してどのような存在感を放つかも楽しみだ。
LIVE IN RUGGED では今後も複数回に分けて〈ロレックス〉2023年新作モデルをフィーチャーしていくので、そちらもお楽しみに。
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