アートを身にまとう – 現代アーティスト Tom Sachs の手書き風イラストが映えるTシャツコレクション
誰もがシーズンを問わず着用するTシャツをキャンバスに見立てて、独創的なグラフィックやタイポグラフィを載せる Tom Sachs。ヘタウマな手書き風デザインはファッション好きとアート好きから羨望の眼差しを集める。
理想のTシャツを探し求める終わりのない旅
間もなくTシャツ1枚で外出できる素晴らしいシーズンが到来する。ジメジメと暑苦しい日本の暑さには毎年辟易させられるけれど、Tシャツを思う存分楽しめることは大好きだ。私たちはコートやライダースジャケット、ダウンジャケットといったアウターから、ニットやシャツなどのインナーまで年間を通して様々な洋服に袖を通す。それらの中でもTシャツはあらゆる洋服の中でもっともピュアな形をしていて、色やグラフィック、シルエットなどで自由に印象を変える。年齢や性別を問わずあらゆる人々がTシャツを愛するのは、そんな魅力があるからではないだろうか。
だから、既にクローゼットがパンパンになるほどたくさんの量を持っていたとしても、時には「これこそが長年探し求めていた理想のTシャツだ！」とインスタグラム上で叫びたくなるほどのお気に入りを見つけたとしても、私たちは毎年必ずTシャツを買い足し続ける。そして本稿で紹介する Tom Sachs（トム・サックス）のTシャツも、まさにそんな類の逸品だ。
トム・サックスとは？
トム・サックスはアメリカ・ニューヨークを拠点に活躍する現代アーティスト。アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動する建築家、Frank Gehry（フランク・ゲーリー）のもとで家具制作に2年間携わった後にアーティストとしての活動を始めたトム・サックスは、有名ブランドのロゴやキャラクター、オブジェクトをDIY的な作風で独自に再解釈した彫刻作品などを発表し、一躍人気アーティストへと昇りつめる。特に知られている作品は〈PRADA（プラダ）〉のシューズボックスを転用して制作した便器「Prada Toilet」や、手書きの〈HERMÈS（エルメス）〉の包装紙を用いた McDonald’s（マクドナルド）のハンバーガーセットを模した作品「Hermés Value Meal」、そしてあの NASA（ナサ） や〈Nike（ナイキ）〉とのコラボレーションだろう。
多くの作品がトム・サックスの手書きのタイポグラフィを最大限に活かしたデザインになっており、そのヘタウマ的なフォントが醸し出す独創的な空気感がアート好きはもちろん、ファッション好きも魅了。自身のブランドとして制作しているアパレルコレクションやグッズ類はもちろん、〈ナイキ〉とのコラボレーションプロジェクトである〈NikeCraft（ナイキクラフト）〉からローンチされる General Purpose Shoe（ジェネラル・パーパス・シュー）は世界的な人気を博している。
Tシャツというキャンバスの上で踊る自由なアート
Tシャツを自己表現のためのキャンバスと捉えると、稀代のアーティストが描くグラフィックやタイポグラフィが躍るデザインはアートと同類と捉えることができる。かつて制作した椅子「Shop Chair」のラフ画をプリントしたデザインのように分かりやすいものもあれば、意味不明のメモやイラスト、グラフィックを描いたものもある。この謎めいた雰囲気と手書きならではのリラックスしたテイスト、そして本物のアーティストだからこそ作ることのできる作風は、ご覧のようにTシャツとの相性が素晴らしく良い。
少量生産であること、アーティストとして非常に人気が高いことから、定価よりもはるかに高いプレミアが付いているのが玉に瑕だが、手に入れるチャンスがあればぜひ欲しいと思う方は多いだろう。現在「HBX 公式オンラインサイト」では、トム・サックスのTシャツ アーカイブコレクションがセール価格で販売されているので、アートなTシャツをお探しの方はチェックしてみてはいかがだろうか。
ITEM CREDIT
- Tom Sachs：T-Shirt Archiv Collection
