1968 Rolex Daytona Paul Newman Ref.6241

永遠のアイコン – ポール・ニューマンが愛用していた Rolex Daytona Ref.6241 の色褪せない魅力

ヴィンテージウォッチの世界におけるトップオブトップの座に君臨する〈Rolex〉Daytona Paul Newman Ref.6241の、アイコニックなデザインとディテール、神々しい佇まいを改めて見つめ直す


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : WIND VINTAGE

50数年の年月を経ても強烈な魅力を放つ「聖杯」

男性が身に着ける装飾品の中でもっとも神聖化され、マニアックなこだわりを注がれる腕時計は、デジタルに支配された現代においても魅力を失わない。それどころか、昨今のヴィンテージウォッチブームに押されてますます重要な存在として崇められる傾向がある。そして、偏愛的でハードコアな愛が行き交う時計業界において完全無欠の「HOLY GRAIL(聖杯)」であり続けるのが、〈ROLEX(ロレックス)〉が1965年から1970年代初期の数年間だけ生産していたエキゾチックダイヤルを持つDAYTONA(デイトナ)だ。
通常モデルとは異なる15分刻みの60分清算計の目盛りを配したインダイヤルが搭載されたこの年代のデイトナは、俳優でありレーサーでもあったPaul Newman(ポール・ニューマン)が愛用していたことから、後に「ポール・ニューマンモデル」と称されるようになった…というストーリーは、時計好きには耳にタコだろう。当時盛り上がっていた宇宙開発にあやかったブランディング戦略が採られながら、アメリカ・フロリダ州の伝説的なサーキットであるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイから名付けられた〈ロレックス〉デイトナは、レーシングクロノグラフの頂点的存在であり、スポーツウォッチの金字塔でもある。そして、ポール・ニューマン本人が愛用していた白いエキゾチックダイヤルのRef.6241は、今もって腕時計のアイコンであり続けている。
当時の〈ロレックス〉は、デイトナのデザインを確立させる前の変革期を過ごしていた。シルバーダイヤルにブラックのインダイヤルを備える通常モデル以外に試験的なデザインのモデルがいくつも製作されており、ホワイトダイヤルにブラックとレッドの目盛りを与えられたRef.6241もその中のひとつ。質実剛健を好む〈ロレックス〉にしてはいささか派手なデザインとカラーを持つこのモデルは、当時日本ではまったくと言っていいほど人気がなかったという話もある(海外では富裕層を中心に売れていたそう)。確かに万人受けするデザインではないが、完成されたバランスにアイキャッチなディテールとカラーを与えたRef.6241は、50数年の年月を経ても強烈な魅力を放っている。

1968 Rolex Daytona Paul Newman Ref.6241
1968 Rolex Daytona Paul Newman Ref.6241

1968 Rolex Daytona Paul Newman Ref.6241
1968 Rolex Daytona Paul Newman Ref.6241

1968 Rolex Daytona Paul Newman Ref.6241

突き抜けたデザインの力を持つ稀有な時計

「ポール・ニューマンモデル」と言えば、2017年10月26日に「Phillips(フィリップス)」のオークションに出品された本人愛用モデル(正真正銘ポール・ニューマン本人が身に着けていた実物)であるRef.6239が腕時計史上最高額となる約20.3億円(1,775万2,500ドル)で落札されたという衝撃的なニュースが記憶に新しい。たった一本の古い時計が20億円超で落札されたというある意味でクレイジーな事実は、〈ロレックス〉の人気をますます後押しし、ヴィンテージのデイトナをさらに神格化した。
唯一の欠点は、どれだけ欲しくても決して手に入らない市場相場に化けてしまったことだろうか。白いエキゾチックダイヤルを持つデイトナは、最低でも数千万円の価格をキープしており、1億円を超える個体も珍しくない。一般的な会社員はもちろん、富裕層であってもためらう価格帯だ。
〈ロレックス〉の長い歴史においても非常に珍しいエキゾチックダイヤルを装備し、伝説的な俳優であるポール・ニューマンが愛用していたという事実によって他に類を見ないほどの逸品になった「ポール・ニューマンモデル」は、まさに雲上の存在。一時期に比べてややブームは落ち着きつつあるとはいえ、いまだに世界中の時計マニアが血眼で探す「聖杯」であることは変わらない。何よりも、非常に個性的でありながら時代を超えた強い魅力を持ち続けている突き抜けたデザインの力をストレートに感じられるモデルであることが、この年代のデイトナの魅力ではないだろうか。
そんなレジェンド級ウォッチの〈ロレックス〉デイトナ ポール・ニューマン Ref.6241が、箱と書類が付属する完品状態でヴィンテージウォッチのみを取り扱う海外の時計店「WIND VINTAGE 公式サイト」に入荷。現在はステータスが「ON HOLD」になっているため恐らくこのままソールドアウトになるかと思われるが、神々しいほど美しい画像だけでもチェックしてみてはいかがだろうか。
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