Intelligent but naughty Rolex Explorer II

知性と不良性が共存する腕時計 – mazik_mineさんのロレックス・エクスプローラーⅡ

ひと昔前まではコアなファンだけが夢中になっていたエクスプローラーⅡをいち早く手に入れて大切にしてきたmazik_mineさん。〈ロレックス〉のスポーツウォッチを複数所有するmazik_mineさんにとってエクスプローラーⅡはどんな存在なのだろうか?


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : mazik_mine

〈ロレックス〉をこよなく愛するオーナーが語るエクスプローラーⅡの魅力

兄貴分であるエクスプローラーIが初心者からハードコアなファンまで幅広いファンを獲得しているのに対し、エクスプローラーⅡは長い間脚光を浴びることがなかった。1971年に発表された当時は個性的なデザインが受け入れられず不人気モデルだったという。確かに70年代初頭に生まれたデザインであることを考えるとやや奇抜なルックスをしているかもしれないけれど、それにしてもこのモデルは本当に長い間不当な評価を与えられてきたように思う。
ところが近年のロレックスバブルの影響か、長年マニア好みと言われてきたエクスプローラーⅡの市場価格がここ数年で一気に向上。モノによっては100万円を超える価格で取引されている。
今回で3回目のインタビューとなるmazik_mineさんは、そんなエクスプローラーⅡを人気が出るよりもずっと前から愛用してきた。〈ロレックス〉のスポーツウォッチはどれであっても決して安い買い物ではないし、何よりも世間的に正しく評価されていない時に購入するのは強い理由があったはず。このインタビューではmazik_mineさんのエクスプローラーⅡへの思いを深掘りし、長く目立つことのなかった素晴らしい腕時計の魅力を再発見していく。


清潔感溢れる白文字盤のエクスプローラーⅡ。シンプルながら完璧にバランスの取れたデザインは視認性も最高級。

クリアフレームのサングラスとロックTのようにちょっとワルなコーディネートにもピッタリ。

スポーツテイスト溢れる機能とルックスに惹かれて購入

――― エクスプローラーⅡは少し前まではどちらかというとマニアックでコアなファンが好むモデルでした。
通好みのエクスプローラーⅡを購入された理由は何でしょうか?
「エクスプローラーIを持っていたことです。ロレックスはサブマリーナとシードなど兄弟機はありますが、同じ名を冠したモデルはエクスプローラーだけかと。そして、シンプルな3針のエクスプローラーIに対して、GMT針などのスポーツテイスト溢れる機能に惹かれました。同じ名前なのに補う場所が対照的なところに心奪われました」
――― 実際に愛用されていて、エクスプローラーⅡのどんなところに魅力を感じていますか?
「着け心地はやや重みはありますが、安定感のある雰囲気と白文字盤ならではの視認性の高さも良いですね。何よりも40mmケースは着けていて洋服の邪魔にならないサイズ感だと思います。そして、購入当時はルミノバ仕様は価格も安定していて、メンテナンスも安心でしたので心置きなく様々なシーンで活躍しています」
――― 他に愛用されているロレックスのスポーツウォッチ(サブマリーナやエクスプローラーI、GMTマスターなど)とエクスプローラーⅡの違いは何でしょうか?
「ロレックスの腕時計のモデルひとつひとつにストーリーがありますが、エクスプローラーⅡの最大のポイントは、文字盤の選択ができることです。
購入するであろうすべての人が経験するであろう、白もしくは黒のどちらの文字盤が自分の腕にふさわしいか…これは自分が所有している洋服やファッションスタイルによって異なるため、他のロレックスと比べて大きな変化ではないかと思います」


〈ビズビム〉や〈リゾルト〉のデニムを愛するmazik_mineさんは、エクスプローラーⅡと共にデニムのエイジングも楽しんでいる。

24時間表記のベゼルを備えるエクスプローラーⅡは洞窟などの極地探検家のために作られた背景を持つプロフェッショナルウォッチ。実際に過酷な現場でミッションを果たすプロが愛用している。

〈エルメス〉から〈シュプリーム〉まで
ジャンルを問わず自分が本物と思うブランドと腕時計をさり気なく合わせる

既に所有していたエクスプローラーIとの違いをしっかり感じられたこと、GMT針を備えたスポーティーなルックスと機能性に魅力を感じたためエクスプローラーⅡを購入したというところが、ロレックス愛好家らしい説得力のある理由だ。
mazik_mineさんは腕時計だけでなく洋服にも強いこだわりを持っている。派手さは求めず上質で長く身に着けられるものを嫌味なく着こなすスタイルは、筆者が常に刺激を受けるスタイルでもある。それでは、エクスプローラーⅡをどんなブランドやアイテムと合わせているのだろう?
――― エクスプローラーⅡと相性の良いファッションブランドやジュエリーブランドがあれば教えてください。
「白文字盤なので〈HERMES(エルメス)〉や〈TIFFANY(ティファニー)〉のシルバーアクセサリーはよく似合うと思います。シンプルな服装にこういったハイブランドのアクセサリーを合わせると、ニューリッチ世代な雰囲気がちょうどいいバランスで出るので相性が良いかなと思っています。
しかしながら、旧型のエクスプローラーなどは〈goro’s(ゴローズ)〉や〈WING ROCK(ウイングロック)〉のようなネイティブ系アクセサリーとの相性も素晴らしいです」
そう、mazik_mineさんは男が嫌味なく身に着けるにはハードルが高い〈エルメス〉や〈ティファニー〉のハイブランドのアクセサリーをさらりとさり気なく愛用している。また、洋服や腕時計とのバランスを考慮し、気分によって〈ゴローズ〉や〈ウイングロック〉のオーセンティックなアクセサリーをコンビさせるセンスの持ち主でもある。白文字盤のエクスプローラーⅡは男女問わず憧れのブレスレットである〈エルメス〉のシェーヌダンクルが素晴らしく似合うのだ。
ちなみにmazik_mineさんは〈ゴローズ〉や〈ウイングロック〉のネイティブ系アクセサリーを身に着ける際もジャラジャラと過度に重ね着けはせず、全体のバランスを考えて要所要所で上質なプロダクトを楽しんでいる。その辺りはインスタグラムでコーディネートセンスを堪能していただくとして、ファッションと腕時計の関係性についてもう少し深掘りして訊いてみよう。
――― mazik_mineさんは〈ビズビム〉のように上質なカジュアルウェアや、〈グッドイナフ〉のような90年代ファッション、そして〈エルメス〉のようなハイブランドまで分け隔てなくファッションを楽しんでいらっしゃいます。洋服のテイストによって腕時計の合わせ方を変えていますか?それとも、腕時計はあくまでもその時の気分やTPOを踏まえて選んでいますか?
「洋服のブランドというよりは、装いの色合いや柄、スタイルにより腕時計のセレクトは気をつけています。
しかし、基本的には好きな腕時計を着けたい気分の時は、時計中心に洋服のコーデを考えているんです。〈Supreme(シュプリーム)〉なんかも派手なプリントやいかにもって感じの物は着ないので、ボックス型のオックスフォードシャツにロレックスを合わせることは多いですね」


〈エルメス〉のシェーヌダンクルとエクスプローラーⅡ。まさに大人の男性だけが似合う組み合わせだ。

エクスプローラーⅡとエクスプローラーIの兄弟を一緒にパシャリ。兄弟モデルなのに見た目も中身も異なるところが面白い。

独自の個性があるエクスプローラーⅡは相手の印象にも残りやすい
文字盤の選びは自分が納得するまでとことん悩んで!

高価な腕時計であっても気負うことなく自然体で愛用すること。〈ロレックス〉のような高級時計はつい必要以上に過保護にしてしまったり、ステレオタイプな洋服の合わせ方をしてしまいがち。でも、飾り過ぎない本来の自分のまま身に着けることこそがもっともナチュラルでカッコいい…mazik_mineさんのお話からは地に足を付けて日々を楽しむことの大切さが伝わってくる。
先に書いたようにmaik_mineさんはエクスプローラーⅡ以外にも複数の腕時計を所有しており、〈ロレックス〉のスポーツモデルだけでもサブマリーナやGMTマスター、そしてエクスプローラーIを以前からデイリーユースで愛用中。いずれも現在のように全体的な市場価格が高騰する前に手に入れたものだとはいえ、ここ数年のバブルのような高騰ぶりについてはどう感じているのだろう。また、今後エクスプローラーⅡの購入を検討されている方へのアドバイスも併せて訊いてみた。
「今から20年近く前は、ヴィンテージロレックスに対して世界的に見てもそれほど高い価値を見出していなかったように思います。それを、ヴィンテージデニムブームに沸く日本がその価値に気付き、世界中のヴィンテージロレックスを買い漁っていた背景がありました。あの頃は様々な稀少なモデルを実際に手に取り使うことができたので、本当に貴重な経験になりました。
だからこそ、そんな経験をしていると現在の高騰にはいささか抵抗を感じます。投資目的の人がいることも大きな価格の底上げになっていると思いますが、あまり詳しく知識がなく、時計に興味のない方が投資目的で買うのは勿体ない気がしますね」
「エクスプローラーⅡをこれから購入する場合、トリチウムまでのモデルは高騰しているのでそれなりの覚悟が必要です。
しかしながら、他のブランドにはない独創的なデザインや年代等で変わる個性豊かなGMT針のようなディテールが着けている自分自身もそれに気がつく相手にも印象深く、記憶に残る腕時計だと思います。そして、好みで分かれる文字盤の選択は何度も着け比べて決めることをおすすめしますね。最後まで悩みますが、その悩みを越えたからこそ愛せる腕時計へと昇華してくれます」


ステンレススチール製のケースとブレスレットは、その素材が金属の塊であることを質感と重量の両面で教えてくれる。エクスプローラーⅡはケースに厚みがあり、メンズライクな重厚感のあるモデルだ。

10年後のヴィンテージ〈ロレックス〉の相場はどうなっているだろう。こればかりは今は誰も分からない。

クリーンな白文字盤にはスマートさと不良っぽさが両立している

〈ロレックス〉は奇抜なデザインはほとんど作っていない。他社との差別化を図るためにちょっと変わったデザインにしてみよう、みたいなことは一度もしたことがない。なぜなら〈ロレックス〉こそがベンチマークであり、トレンドセッターだからだ。〈ロレックス〉のデザインはモデルごとの根底にあるコンセプトと、そのコンセプトを具現化するための技術と機能から成り立っているため、デザインファーストでモノ作りをすることはないはずだ。
洞窟などの極地を探検するプロフェッショナルが実務で使える腕時計というミッションが与えられたエクスプローラーⅡは、文字盤こそ非常にシンプルなルックスではあるものの、24時間表記のベゼルやカラフルなGMT針などが絶妙なデザインアクセントになっている。
mazik_mineさんのエクスプローラーⅡへの愛情を深掘りするインタビュー、最後は以下の返答が返ってきた。
「デイトナの白文字盤が流行してからは、白文字盤への注目も集まっています。そして、スポーツロレックスの中での白文字盤は、プラチナ仕様などの特別なモデルを除いては数少ないモデルの一つです。
僕の買ったモデルは、白文字盤という都会的な雰囲気がでありながら、身体は限りなくワイルドで筋肉質。 知的でありながら少し不良な雰囲気がどこかアウトローな空気感も醸し出しています。
16570は、ロレックスが時計本来の目的や道具的な価値を見出してきた、最期のモデルではないかと思っています。」
知的で不良…この一言にエクスプローラーⅡの普遍的な魅力が詰まっている。世のエクスプローラーⅡ愛好家たちは、もしかしたらmazik_mineさんと同様に両極端のキャラクターを感じる部分に夢中になっているのかもしれない。

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