2024 Lamborghini Revuelto

ランボルギーニ初の HPEV、レヴエルトが描く圧倒的なスーパーカーの未来

9500rpmまで回る超高回転型のV12エンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせ、最大出力1015psという途方もない大パワーを発揮するモンスターマシンが誕生


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : Net Cat Show

〈Lamborghini〉はやはり時代が変わっても〈Lamborghini〉だった

イタリアを代表するスーパーカーメーカー〈Lamborghini(ランボルギーニ)〉が、同社初となるHPEV(ハイパフォーマンスEV)となるRevuelto(レヴエルト)を発表した。
他の多くのメディアが報じているように、〈ランボルギーニ〉レヴエルトの最大の特徴はV12エンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせた画期的なスーパーカーであることだ。環境問題への解決策を提示することがこれからの社会にとって必須条件となりつつある今の時代において、自動車業界でも急ピッチでエコカーが普及している。クルマ好きには説明不要かと思うが、この流れは昔ながらのスーパーカー/スポーツカーメーカーにとっては頭の痛い問題だ。とりわけ、イタリアのスーパーカーメーカー/スポーツカーメーカーにとっては死活問題と言ってもいい。大きくパワフルなエンジンで大パワーを出力することによって強い憧れを集めてきたメーカーが作るクルマがハイブリッドカー、もしくは電気自動車になると、重要なアイデンティティが大きく揺らぐことになってしまう。
実は筆者はこの問題を数年前から興味深く注視していた。エコであることが強く求められる時代に突入している今、〈ランボルギーニ〉や〈FERRARI(フェラーリ)〉のようなスーパーカーメーカーは、今後どのように自社が培ってきた本質的な価値を維持し、磨いていくのだろう?
それに対する答えのひとつが、今回〈ランボルギーニ〉が発表したレヴエルトなのだと思う。レヴエルトの心臓部は、9500rpmまで回る超高回転型のV12エンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせ、最大出力1015psという途方もない大パワーを発揮する。V12エンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせたカタログモデルは、世界広しと言えどもレヴエルトが史上初になるという。どう考えてもToo muchな大パワーを当たり前のように市販車に与え、しかも伝統的でありながら最新のV12エンジンを搭載する…こんな離れ業を成し遂げてしまう〈ランボルギーニ〉は、やはり凄い自動車メーカーだ。

2024 Lamborghini Revuelto
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2024 Lamborghini Revuelto
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2024 Lamborghini Revuelto
2024 Lamborghini Revuelto

カウンタック時代から続く航空宇宙要素から強いインスピレーションを得たデザイン

0-100km/h加速はわずか2.5秒、最高速度は350km/h以上というレーシングカー顔負けのスペックもさることながら、新時代を予感させるデザイン言語が反映された最新のデザインにも注目したい。1971年に発表された伝説的なV12スーパーカー、Countach(カウンタック)の宇宙的なデザインアプローチを精神的な支柱としながら、それに続くDiablo(ディアブロ)の地を這うようなプロポーションとリアフェンダーのフローティングブレードを踏襲。その後継モデルであるMurcielago(ムルシエラゴ)からは筋肉質なイメージと斜め前に傾斜したフロントを継承し、数十年間に及ぶV12スーパーカーの伝統と革新を見事なまでに表現している。
歴代モデルにも使われたアイコニックなY字型の意匠は、ライトをはじめとした外観部分はもちろん、インテリアのダッシュボードとセンターコンソールにも多用されていることが分かるはず。ちなみにレヴエルトは航空宇宙要素から強いインスピレーションを得ており、未来的なフロントマスクやキャビン、車体後部にある六角形の排気口などにフューチャリスティックで彫刻的なアプローチが見受けられる。例えば、フロントホイールアーチの後ろにあるサイドフィンひとつに注目しても、空気の流れをサイドエアインテークに導く鋭いエッジを誰もが感じるだろう。全体からも細部のディテールからも絶大なパワーとエネルギーを感じさせるマッシブなモデリングは、〈ランボルギーニ〉の強烈な個性とアイデンティティが凝縮されている。

2024 Lamborghini Revuelto
2024 Lamborghini Revuelto

2024 Lamborghini Revuelto
2024 Lamborghini Revuelto

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最先端のデジタル技術も搭載

インテリアに目を向けると、外観と同等かそれ以上に未来的なデザインが反映されていることが分かる。ドライバーとパッセンジャーシートに座る乗員は運転席側に設けられた12.3インチのデジタルコックピットにあるディスプレイと、助手席側に設置された9.1インチディスプレイで同じ情報を同時に見ることができるという。また、新しい「スワイプ」機能により、ドライバーと乗員がスマートフォンを使用するのと同じ感覚でアプリケーションや情報を操作することが可能になった。車内に設けられた3つのデジタルスクリーンにより、過去のスーパーカーに必須だった物理的なボタンはほとんど排除された。この事実に一抹の寂しさを覚える方はきっと多いだろう。とはいえ、機能性を突き詰めた最新のUI技術により、よりドライバーがレースカーと同じように運転に集中できる環境にアップデートされたことも事実だ。
2024年にデリバリーが開始される予定の〈ランボルギーニ〉レヴエルトは、同社の量産モデルの中でカスタマイズの可能性がもっとも高いことも付け加えておきたい。用意されるボディカラーはなんと400色。さらに多くのパーソナライゼーションオプションが与えられ、それらの組み合わせによって限りなく世界に一台だけのスーパーカーを作り上げることも可能だ。
本来は完全に相反する要素であるはずのスーパーカーとサステナビリティを見事なまでに両立させた〈ランボルギーニ〉レヴエルトは、先に述べたように2024年以降にデリバリーが開始される。しかし、すでに世界中から注文が殺到し、今すぐに発注しても納車までに2年以上もの時間が掛かるという。日本国内の路上で見かける機会はまだ先の未来になりそうだが、スーパーカーの未来を圧倒的なスケールで描く〈ランボルギーニ〉レヴエルトは、クルマ好きであれば目を離せない存在になるだろう。
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