AURALEE の2024年秋冬コレクションに見る、極上の “クワイエット ラグジュアリー” ムード
デイタイムからナイトタイムへの移ろいを意識した〈AURALEE〉流の “クワイエット ラグジュアリー”
気を張り詰めた日中からホッとする夜の時間の変化と高揚感をニュアンス豊かに表現
2024年1月16日(火)、〈AURALEE(オーラリー)〉の2024年秋冬コレクションが発表された。
最新コレクションでは昼から夜へと移ろう人々の装いに着目。デイタイムは働き、ナイトタイムは誰かと待合せたり、あるいは家族と共に過ごす。誰もが当たり前のように過ごす日常生活の中で、気を張り詰めた日中からホッとする夜の時間の変化と高揚感をニュアンス豊かに表現している。
興味深いのは、2023年秋冬シーズンから世界的に盛り上がりを見せている “クワイエット ラグジュアリー” との親和性が非常に高いことだ。”クワイエット ラグジュアリー(静かな贅沢)” とはその名の通り、抑えた色や柄を主調としながら洋服本来の良さを引き立てるファッションのこと。例えばPhoebe Philo(フィービー・ファイロ)がクリエイティブ・ディレクターを務めていた約10年前の〈CELINE(セリーヌ)〉、そして2000年頃の〈LOEWE(ロエベ)〉のコレクションがこの言葉で評されていた。フィービー・ファイロが自身の名を冠して2023年に立ち上げた新ブランドなどは、まさに “クワイエット ラグジュアリー” を象徴するデザインと言っていいだろう。
もちろん〈オーラリー〉が世間のトレンドにクリエイションを寄せたわけではなく、むしろトレンドの方が〈オーラリー〉に近づいたという見方の方が正しい。同ブランドは世の中のトレンドには関係なく、以前から落ち着いた大人っぽいムードを匂わせるコレクションを発表してきた。端正なデザインと抑えた美学、多くは語らないながら伝わってくる上質感にこそ〈オーラリー〉の魅力であり、フィロソフィーでもある。
大人の余裕を感じさせるリラクシングサイズ
コレクションの基盤となったのは、日中に身にまとうテーラリングやワークウェア、そしてナイトタイムに着たいワンピースをはじめとしたドレッシーなウェア。いずれも端正な佇まいで統一し、テーラードジャケットやレザーブルゾン、パファージャケットなどは全体的にゆとりのあるリラクシングサイズに仕上げられている。
〈オーラリー〉なら、極上の “クワイエット ラグジュアリー” を楽しめる
カラーも “クワイエット ラグジュアリー” に最適なパレットが用意されるようだ。ブラックやブラウン、ベージュといったベーシックなカラーを中心としながら、昼から夜への移ろいを思わせる豊かな色彩が登場。ターコイズブルーやライトグリーン、淡いピンクカラーといった繊細なペールトーンも積極的に採り入れられている。全体的にいつもの〈オーラリー〉でありながら、時折鮮烈な色を織り交ぜている点も、2024年秋冬シーズンの特徴と言えるだろう。
また、ウールにアルパカを組み合わせたツイードや最高の手触りを持つベビーキャメル、ウールといった秋冬らしい素材を採用。ショートジャケットの下に丈感の異なるパーカーやニットを重ねるなどのハイセンスなレイヤースタイルも目を惹く。
AURALEE 2024年秋冬コレクションが登場するのはまだ先となるが、各アイテムが店頭に揃う頃には “クワイエット ラグジュアリー” を感じさせるファッションはますます主流になっているはず。大人の余裕を感じさせるテイストがお好きの方はお楽しみに。