HERMÈS 2024 First Half

HERMÈS 2024年度上半期は約1兆2525億円の売上高を記録

2023年の業績に対するボーナスとして、全世界の従業員に4000ユーロ(約67万円)のボーナスが支払われる


Written : LIVE IN RUGGED

日本では世界トップクラスとなる22%の成長

HERMÈS(エルメス)〉が2024年度上半期(2024年1月〜6月)の決算を発表。売上高は前年同期比15%増の75億ユーロ(約1兆2525億円)に達し、2023年の業績に対するボーナスとして、全世界の従業員に4000ユーロ(約67万円)が支払われた。
アパレル業界全体の不振がニュースになる中、ラグジュアリーブランドの大筆頭である〈エルメス〉が大躍進中だ。世界的な不況や新型コロナウイルスによるパンデミックのような “どうしようもない事情” が発生しても売れまくっているブランドではあったが、文字通り全世界の店舗で商品を展開している中(=多大なコストを掛けるというリスクを負いながら)、売上高の伸長が15%増はさすがの一言。世界的なハイブランドの中には大幅に売上が減少しているブランドもある。当たり前ではあるけれど、どれだけ有名であっても売上が保証されているわけではないのだ。
ちなみに各地域別の売上では、日本を除くアジアが10%、アメリカ大陸が13%、フランスを除くヨーロッパが18%、フランスが15%の成長を記録。日本では世界トップクラスとなる22%の成長となり、〈エルメス〉人気を数字の面から実感できる結果となっている。日本での成長率の高さは銀座と麻布台ヒルズの新店オープンが寄与している模様。

2万3242人の従業員全員に4000ユーロ(約67万円)のボーナスを支給

昨今の〈エルメス〉のヴィンテージジュエリーブームが強烈な印象を持っているため、宝飾部門の成長率が凄いことになっているのでは…と考えてしまうが、セクター別の結果を見ると、実際に宝飾品やホームグッズなどの部門が19%増ともっとも高い成長率を記録。それと並び、皮革製品・馬具部門がそれぞれ同19%増を記録したという。馬具部門ももっとも伸長しているというところが非常に〈エルメス〉らしい。こんなブランドは他に存在しないだろう。
続いてプレタポルテ部門とアクセサリー部門は同15%増、香水および美容部門は5%増、シルク・テキスタイル部門は同1%増という結果に落ち着いた。
2024年上半期の結果について、同ブランドのCEOを務めるAxel Dumas(アクセル・デュマ)は「より複雑な経済および地政学的状況下での堅調な上半期の結果は、エルメスのビジネスモデルの強さを反映している。グループは将来に自信を持ち、垂直統合プロジェクトを追求し、新たな雇用を創出し続ける一方で、エルメスの価値に忠実であり続けている」とコメント。時代から求められている事実を確信するとともに、ブランドが本質的に持つ強みをこれからも活かし続ける意思を表明した。
また、冒頭でも触れたように、2023年の業績に対するボーナスとして、全世界の〈エルメス〉の従業員に対して4000ユーロ(約67万円)のボーナスが支払われたという。〈エルメス〉は2024年6月末時点でグループの従業員数は2万3242人、フランスだけでも1万4320人も抱える大所帯。その一人一人に4000ユーロもの臨時ボーナスを支払うことは、どの企業でもできることではない。しっかりと従業員に還元する企業姿勢も含めて、やはり〈エルメス〉は憧れを集めるブランドなのだ。
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