ダニエル・アーシャムが Team Ikuzawa とともにグッドウッド・リバイバルに参戦
マシン後部に“アーシャム”の名が入った〈PORSCHE〉904 GTSが、伝説的なグッドウッド・リバイバルのコースを爆走する
世界を代表する現代アーティスト、ダニエル・アーシャムがグッドウッドの地を踏んだ時
アメリカ・ニューヨークを拠点に活動する現代アーティスト、Daniel Arsham(ダニエル・アーシャム)がTeam Ikuzawa(チーム イクザワ)とともにGoodwood Revival(グッドウッド・リバイバル)に参戦した。
グッドウッド・リバイバルは、世界各国のレーシングカーやスーパーカー、ヴィンテージカーなどが勢ぞろいするグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに関連するモータースポーツイベント。毎年イングランドのウェスト・サセックスにあるグッドウッドで6月下旬から7月上旬に開催されるモータースポーツのイベントであるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、1993年に初開催され、20世紀初頭のクラシックカーや最新のレーシングカーに至るまで幅広く登場。10数万人もの観客を動員することでも知られている。その2ヵ月後に開催されるグッドウッド・リバイバルは、例えるならば「カーカルチャーとスピードを愛する文化人たちの集い」。ヴィンテージのレーシングカーがグッドウッド・サーキットを疾走するヒストリックマシンのレースイベントであり、失われつつある自動車文化の栄華を過去そのものの姿で体験できる、世界的に見ても希少な場でもある。
ダニエル・アーシャムは〈Tiffany & Co.(ティファニー)〉や〈HUBLOT(ウブロ)〉などの世界的なラグジュアリーブランド、さらにはPOKEMON(ポケモン)ともコラボレーションを果たす現代アーティスト。長い年月を重ねて経年変化を起こした様子を再現した“Future Relic(フューチャー レリック)”シリーズをはじめとする唯一無二の世界観の作品を制作し、ワールドクラスの人気と知名度を獲得している。
作品そのものが高い知名度を持っているアーティストなのだけれど、実は生粋のクルマ好きとしても有名だ。特に〈PORSCHE(ポルシェ)〉への情熱は尋常ではなく、フルカスタムモデルを製作したり、自身の作品としても彫刻のアートを手掛けるほど。クルマの造形をアートと捉え、スピードとスリルを愛するダニエル・アーシャムがグッドウッド・リバイバルに参戦することは、恐らく長年の夢だったのだろう。本稿では、ダニエル・アーシャム 公式インスタグラムにポストされた画像を交えながら、稀代のアーティストが伝説的なモータースポーツのイベントに参加する様子を紹介する。
「Team Ikuzawa」とダニエル・アーシャムのコラボレーション
熱心なモータースポーツ好きには説明不要だが、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは古き良きイギリスの荘園文化と解放的な雰囲気から“モータースポーツのガーデン・パーティー”と呼ばれている。メイン会場にはスーパーカー、スポーツカー、4ドアセダン、トラックなどありとあらゆる種類のクルマが新旧問わず多数展示される。グッドウッドがユニークな点は、一般的な名車と呼ばれるモデルだけではなく、超マニアックな珍車まで分け隔てなく展示されるほか、専門書籍の書店やパーツショップ、モデルカーショップなども出店し、さらには貴重なヴィンテージカーのコンクールやオークションも行われることだろう。まさにクルマ好きにとっては死ぬまでに一度は訪れてみたい“聖地”なのだ。
ダニエル・アーシャムは今回、伝説的なレーシングチームである「Team Ikuzawa(チーム イクザワ)」とタッグを組み、グッドウッド・リバイバルに参戦。1980年代のミニマルな赤と白のカラーリングと月相のグラフィック要素(アーシャムの初期の作品でよく見られるモチーフ)、そして「Tetsu Ikuzawa」の中心的なエンブレムである太陽のモチーフを採り入れた特別なパッケージで彩られたヒストリックな〈ポルシェ〉904 GTSがコースを疾走した。
ライフスタイルそのものを豊かなアートへと作り変えるダニエル・アーシャム
「Team Ikuzawa」についても簡単に説明しよう。元レーシングドライバー・ライダーであり、日本のモータースポーツ創成期に活躍したスター選手である生沢 徹氏が設立した「Team Ikuzawa」は、現在生沢 徹氏の娘であり、デザイナー・クリエイティブディレクターとして活動する生沢 舞氏が主導。モータースポーツとファッションを融合させるという独自のアプローチで、国内外のモータースポーツやラグジュアリー業界の関係者から高い注目を集めている。業界の垣根を超えて活躍する「Team Ikuzawa」および生沢 舞氏とダニエル・アーシャムが深い関係性を築いたことは、ごく自然な流れと言っていいだろう。
イベントにはダニエル・アーシャムや生沢 徹氏はもちろん、国内外の著名人も多く参加。日本からは松田翔太も足を運び、ヒストリックな雰囲気漂う特別なレースを大いに楽しんでいたようだ(松田翔太も非常に熱心なクルマ好きとして知られている)。
現代では決して量産化されることのない歴史的な〈ポルシェ〉904 GTSがコースを疾走する姿は、クルマ好きであれば思わず目を奪われてしまうはず。“アーシャム&Team Ikuzawa仕様”にカスタムした素晴らしすぎるデザインもシャレが効いていて最高だ。心なしかダニエル・アーシャム自身も普段より童心に帰ったような充実感あふれる表情をしている気がするのは、筆者だけではないはず。
彫刻や絵画といったオーソドックスな素材でも独自の着眼点で完全なオリジナルへと昇華する手法で世界に名を馳せたダニエル・アーシャムが、「Team Ikuzawa」とともにグッドウッド・リバイバルに参戦した姿からは、ライフスタイルそのものを豊かなアートへと作り変える彼の人生の一部を感じられる。
現代では決して量産化されることのない歴史的な〈ポルシェ〉904 GTSがコースを疾走する姿は、クルマ好きであれば思わず目を奪われてしまうはず。“アーシャム&Team Ikuzawa仕様”にカスタムした素晴らしすぎるデザインもシャレが効いていて最高だ。心なしかダニエル・アーシャム自身も普段より童心に帰ったような充実感あふれる表情をしている気がするのは、筆者だけではないはず。
彫刻や絵画といったオーソドックスな素材でも独自の着眼点で完全なオリジナルへと昇華する手法で世界に名を馳せたダニエル・アーシャムが、「Team Ikuzawa」とともにグッドウッド・リバイバルに参戦した姿からは、ライフスタイルそのものを豊かなアートへと作り変える彼の人生の一部を感じられる。