地に足のついた大人が選ぶ ROLEX Air-King Ref.14000
ヴィンテージウォッチの市場相場が軒並み上昇した現在でも少し頑張れば手に入る〈ROLEX〉がある。1990年製のAir-Kingは、やや枯れた風合いとオンオフ問わず常に身に着けられるデザインが魅力
〈ROLEX〉は完全に庶民の手を離れてしまったのか?
腕時計が好きな人と話していると、市場相場が上昇しすぎたことがよく話題に上がる。昔はヴィンテージウォッチという概念すらあまりなかった。スイス製の一流ブランドがつくったモデルでも、古いものは“中古”という価値観の方が強かったと思う。ところが10年前に比べて驚くほど値段が上がってしまい、いい年をした大人が「20年前にタイムスリップしてロレックスを買い占めたい」と飲み会でこぼす始末。あまりかっこいい話ではない。それでもいつかは憧れのモデルを欲しいと思うのは、特に男性にとって腕時計がいかに魅力的かを物語っていると言えるかもしれない。
ヴィンテージウォッチが好きな人がもっとも注目するのは常に〈ROLEX(ロレックス)〉だ。かつては数十万円も出せばスポーツウォッチも難なく購入できたが、今では100万円を切ることはまずない。〈ロレックス〉は完全に庶民の手から離れてしまったのだろうか。この素朴な問いに「No」を返すのが、球数が多く現在でもそこまで相場が上昇していない定番モデル。DATE-JUST(デイトジャスト)やOYSTER PERPETUAL(オイスター パーペチュアル)といったドレスウォッチも狙いめだが、本稿ではAir-King(エアキング)のセミヴィンテージモデルを紹介する。
この値段で購入できる〈ロレックス〉として最適な選択肢のひとつ
1990年頃のEシリアルナンバーが刻まれる本モデルは、Ref.14000のなかでも比較的初期に製造された個体。文字盤は品格あふれるシルバーダイヤルで、上部にはアイコニックな王冠と“ROLEX”“OYSTER PERPETUAL”“Air-King”、下部には“PRECISION”とトリチウム夜光が使われていることを示す“T SWISS MADE T”の文字が入る。それらすべてが鮮明に残っているのは1990年製という比較的高年式であることはもちろん、前オーナーが大切に使っていたのだろう。全体にコンディションがよく、これからも長く使えそうなヴィンテージウォッチだ。また、オリジナルと思われるオイスターケースと併せて未研磨である点も嬉しい。
〈ロレックス〉エアキング Ref.14000はのちにエンドリンクからのみバネ棒を取り出せるソリッドな「ノーホールケース」へとマイナーチェンジを行うのだが、本モデルは4つのラグそれぞれにブレスレットを固定するためのバネ棒を取り出すための穴が開けられた「ホールズケース」を採用した初期型の個体。もちろんリューズやブレスレットのクラスプ部分にも王冠マークが刻まれ、毎日〈ロレックス〉を身に着けていることを実感できる。そして、この時代のエアキングは華美さが一切ないミニマルなデザインであることも大きな魅力だ。品がありながらツールウォッチとしての実用性も備えており、〈ロレックス〉というウォッチメーカーの原点を思わせる普遍性がある。オンオフを問わず常に身に着けていられる腕時計として、超が付くほど優秀なのだ。
1990年製の〈ロレックス〉エアキング Ref.14000は4,900ドルでWIND VINTAGE 公式オンランサイトにて発売中。この値段で購入できる〈ロレックス〉として最適な選択肢のひとつであることは間違いない。
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