100年以上クロノグラフを自社生産するパイオニア – ギャレットのヴィンテージウォッチ

スイスには有名無名を問わず素晴らしい時計メーカーが無数に存在する。Gallet(ギャレット)はロレックスやオメガほどの知名度はないが、クロノグラフの世界で100年以上も前からパイオニアであり続けた。本日は1940年代の素晴らしいヴィンテージ・クロノグラフと共に「本物の」時計メーカーであるギャレットを紹介する。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : HODINKEE

100年以上クロノグラフを作り続ける名メーカー

Gallet(ギャレット)という時計メーカーをご存知の方は相当な時計マニアか業界人だと思う。それくらい日本では知られていないメーカーだが、実はスイスの時計業界においてギャレットは常に重要なポジションにいた。その起源は1826年までさかのぼる。創業者ジュリアン・ギャレットが設立した「ジュリアン・ギャレット社」時代からクロノグラフの製造にすべてを注いできたと言っても過言ではないほど、クロノグラフのプロフェッショナルメーカーなのだ。
1910~20年代にワンプッシュクロノグラフの開発に成功。これはリューズと同軸上に据えられたプッシャーひとつでクロノグラフ機能のすべてを制御するという優れもので、世界初のワンプッシュクロノグラフを1913年に開発したロンジンとほぼ同時期に技術を確立していたということになる。
1940年代には名機「フライングオフィサー」や「コマンダー」など、現在でも高値で取引される数々のクロノグラフウォッチをリリース。1940年代以降に高い盛り上がりを見せたスイス製クロノグラフの世界において第一線で活躍していたメーカーがギャレットなのである。


1940年代に作られたマルチクロン30M「クラムシェル」。いかにもスイスのヴィンテージ・クロノグラフ然としたルックスだ。

34mmというコンパクトなケースサイズはこの時代ならでは。当然腕回りへの収まりは抜群で、ジャケット、ニット、シャツなどあらゆるトップスと素晴らしい相性を見せる。

あらゆるシーンで着用できる素晴らしいルックス

この素晴らしいルックスを見てほしい。スイス製クロノグラフのお手本のような面構えだ。オフホワイトの文字盤上にタキメーターとテレメーターを備え、スケールの赤い色が製造から80年近く経過しても鮮やかに残っている。視認性も高く、今でも毎日実用的に使えるだろう。やや控えめな2カウンタータイプなので必要以上に主張することもなく、オンオフ問わずどんなシーンでも着用できる。きっとオフィスで身に着けても知的な印象を与えてくれるはずだ。
特徴的な2部構成のケースは1936年にSchmitz Freres&Co.が特許を取得し、1937年にギャレットが買収したもの。2つの部品を固定し、各ラグの下にあるネジによって4つの異なる点で留める構造になっており、当時としては高い防水性・防塵性を持っていたのだろう。もちろん年代物なので今日常使いしようとすれば防汗性があるくらいで認識しておいた方が良い。


80年近く経った時計とは思えないほどエッジが残っている。当然風防はプラスチック製。このぷっくりとした盛り上がりがヴィンテージファンにはたまらない。

エイジングしたレザーストラップを合わせると枯れた雰囲気になる。気分によってストラップの革やカラーを変えるのも楽しい。

適正な価格で購入できるスイス製ヴィンテージ・クロノグラフ

ここ日本でギャレットのヴィンテージ・クロノグラフを見つけることは簡単ではないかもしれないが、わざわざ探す価値があることは間違いない。飽きの来ない素晴らしいデザインのクロノグラフを適正な価格で購入できることもギャレットの魅力のひとつだからだ。クロノグラフを自社開発できるメーカーは今も昔も非常に少ないのに、ギャレットは私たちが生まれるずっと前から自ら開発してきた稀有な存在だ。そういった真面目なメーカーが作る腕時計を今も手に入れられること自体が素晴らしい。
手に入れるには数十万円の出費が必要になるが、ロレックスやゼニス、ホイヤーといった有名メーカーのヴィンテージ・クロノグラフの相場と比べると格安だ。ギャレットがロレックスより優れているとは言わないものの、劣っているとも思わない。どちらもスイスの一流職人たちがハンドメイドで製造していた時代の名品なのだから。

CAR CREDIT
  • Gallet:1940s MultiChron 30M ‘Clamshell’ Chronograph

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