Watches & Stars Pt.4 Sean Connery

【第4回】腕時計とスター – ショーン・コネリーとロレックス・サブマリーナ

サー・トマス・ショーン・コネリーが死去した。007時代に身に着けた伝説的なロレックス・サブマリーナのストーリーと共に、映画史に残る名優中の名優であるショーン・コネリー氏に思いを馳せる。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : imdb

007シリーズを始め、多くの映画で伝説を作った名優中の名優

2020年は既に多くの著名人が亡くなられていて、「もうたくさんだ」と思っている矢先に、ショーン・コネリー氏が亡くなられたというニュースが突然飛び込んできた。ニュースサイトのトップに出た「英名優ショーン・コネリーさん死去 90歳」という見出しを見て、私は驚きと共に寂しさでいっぱいになっている。
コネリー氏は私の子供時代の憧れであり、大人になってからは決して到達できない渋さとカッコ良さを持つ男性だった。小学生の時に父に連れられてスクリーンで見た「インディー・ジョーンズ 最後の聖戦」での少しとぼけた(でも決める時は決める)インディー・ジョーンズの父親役が、初めて観たコネリー氏の作品。少し偏屈な変わり者で、冒険心に溢れ、それらと同じくらい優しさと包容力のあるヘンリー・ジョーンズ役はまさにはまり役だったと思う。ハリソン・フォード氏との親子役は子供だった私から見てこれ以上ないほど本物の親子のようだった。確執を抱えながら気持ちの深い部分ではお互いを強く思いやり、命を投げても助け合える関係。冒険活劇が売りのインディー・ジョーンズシリーズは普通に生きていれば絶対に遭遇しないハラハラ・ドキドキするシーンがジェットコースターのように連続するけれど、ジョーンズ親子の不器用で時に滑稽な関係は多くの人が自分の父や息子と経験することだ。だから、「インディー・ジョーンズ 最後の聖戦」での親子関係の絆を描いたシーンは今でも心の中に強く残っている。
ケビン・コスナー氏と共演した「ロビン・フッド」では最後の最後にコネリー氏が登場し、「美味しいところを持っていくな~!」と驚きながらも笑ってしまったし、同じくコスナー氏と共演した「アンタッチャブル」では渋い老警官役にしびれた。どちらも子供心にショーン・コネリーは渋くてカッコいい!と憧れを持つのに充分だった。どこかチャーミングな人間味が滲み出ていることも憧れを強くした理由だと思う。
もちろん多くの人にとって「ショーン・コネリー=007」だろう。1961年、コネリー氏はジェームズ・ボンド役として5本のボンド映画に出演する契約を交わす。翌1962年に発表された「007 ドクター・ノオ」はコネリー氏の知名度を一気に高めることとなった。以降「ロシアより愛をこめて」「ゴールドフィンガー」「サンダーボール作戦」「007は二度死ぬ」などに出演し、世界でもっとも有名なスパイ役で映画界のスーパースターへ。60年近く経った今も007と言えばショーン・コネリー!という映画ファンはとても多い。
そして、ダニエル・クレイグ氏演ずる現代の007シリーズではジェームズ・ボンドはオメガ・シーマスターを愛用しているが、コネリー氏時代の007はロレックス・サブマリーナをスパイ活動の伴にしていたことは、腕時計ファンの間でも特に伝説的なエピソードだったりもする。コネリー氏が007シリーズで身に着けていたロレックスはサブマリーナ Ref.6538。大きなリューズとクラウンガードのない初期型のサブマリーナだ。ボンドがサブマリーナを身に着けた理由は、コネリー氏が選んだというよりも原作のボンドがロレックスを身に着けていたのと、原作者のイアン・フレミング氏自身がロレックス好きだったから。ボンドが身に着けていたサブマリーナは多くのロレックスファンの間で伝説的なのだ。「ドクター・ノオ」でウルスラ・アンドレスが白いビキニでカリブ海から現れた時のシーンや、タキシードで決めたボンドの腕元から見え隠れするヴィンテージ・サブマリーナのカッコ良さは、時計ファンの心に焼き付いて離れない。英国紳士の象徴のようなジェームズ・ボンドにはいくつもの小道具や愛車があり、サブマリーナはそれらの中でも特にファンを魅了するアイテムだったのだ。


007シリーズを演じた若き日のコネリー氏。左腕に伝説的なロレックス・サブマリーナ Ref.6538が巻かれている。

同じく007の1ショット。防水性能の高いサブマリーナは実用面でもアクションシーンの多い007シリーズで使われるスパイの腕時計として最適だったのだろう。


2枚目なのにどこかチャーミングな親しみやすさがあるところもコネリー氏が多くの映画ファンから愛された理由。007シリーズでのタキシードの着こなしは今も参考にされている。

「インディー・ジョーンズ 最後の聖戦」にて、主人公を演じたハリソン・フォード氏と。偏屈な考古学教授という役柄なので、クラシカルなツイードのジャケットとベスト、蝶ネクタイ、野暮ったい帽子というファッションで固められている。インディーのようなワイルドさはない代わりに、英国紳士を思わせる枯れた老人のカッコ良さがある。

これまでもこれからも、コネリー氏は映画界の伝説として作品と共に生き続ける

連載「Watches & Stars」ではこれまでジョージ・クルーニーブラッド・ピットキース・リチャーズの愛用時計をフィーチャーしてきた。第4回となるこの記事の主役であるショーン・コネリー氏が亡くなられたことが残念でならない。コネリー氏は出演された映画を通して私たちを様々な世界に連れていってくれた。ありがとうございました。コネリー氏のご冥福を心からお祈りいたします。

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