Rolex Explorer I reborn in a 36mm case

【原点回帰】36mmサイズで生まれ変わる新型ロレックス・エクスプローラーIに迫る

初代と同じコンパクトなケースサイズに生まれ変わる2021年新型エクスプローラーI。素材、ムーブメント、デザインなどあらゆる要素がアップデートされた新作をフィーチャーする。


Written : LIVE IN RUGGED
Photo : ROLEX

36mmケースに原点回帰し、イエローゴールドとのコンビモデルが新登場

ROLEX(ロレックス)〉が時計見本市「Watches and Wonders(ウォッチズ & ワンダーズ)」にて2021年の新作コレクションを発表。フルリニューアルされるExplorer I(エクスプローラーI)を含む複数の新作がアンベールされた。
もっとも注目されているのは36mmケースで生まれ変わるエクスプローラーIだ。現行モデルの39mmのケース径を3mmサイズダウンし36mmに。腕時計好きであればご存知の通り、3mmのサイズダウンはまったく異なるモデルに見えるくらい印象が異なる。もっとも、36mmというサイズは初代エクスプローラーIと同じサイズ。〈ロレックス〉自身が「原点回帰」とファンに向けてメッセージを送っており、常にヴィンテージモデルの人気も高いエクスプローラーIがコンパクトに生まれ変わることは、多くの〈ロレックス〉ファンにとって嬉しいニュースなのではないだろうか。
新型エクスプローラーIのもうひとつのニュースは、イエローロレゾールモデルの登場。オイスタースチールと18kイエローゴールドのコンビネーションであるイエローロレゾールが新色として加わり、同モデルによりラグジュアリーな選択肢が増えた。当然オイスタースチール版も継続して生産され、多くのユーザーはステンレススチール一色のモデルを購入するだろうけど、シンプルで普遍的なデザインのエクスプローラーIに素敵な選択肢が増えたことは純粋に嬉しいニュースだ。イエローゴールドコンビのラグジュアリーを堪能するか、ステンレススチール一色の渋さを楽しむか…新作を購入する際は大いに悩んでほしい。


ベゼルとリューズ、ブレスレットのセンターパーツにイエローゴールドが使われるイエローロレゾールモデル。見慣れたエクスプローラーIに華やかさが加わり、非常に新鮮な印象。

シルバー×ゴールドのコンビネーションは雰囲気的にもプライス的にも簡単には手を出せない大人のための一本。ブラックダイヤルがメンズライクな印象で腕時計全体を引き締めている。

高品質のツールウォッチを提供する使命を決して忘れない〈ロレックス〉

1953年に誕生したエクスプローラーIは、その名の通り探検家のための腕時計だった。1930年代からヒマラヤ登山隊に装備品として腕時計を提供しており、その中には標高8,848m(29,028フィート)のエベレスト山頂に初めて到達したサー・エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイという歴史に残る偉人たちもいた。腕時計に詳しくない人たちからは〈ロレックス〉はスイス製高級時計の代名詞的存在として認知されていて、それは間違いではないのだけれど、実際のところ〈ロレックス〉はプロフェッショナルのためのツールウォッチをひたすら追求してきた歴史を持つ。高級感が先行するのではなく、根底には最高峰のツールウォッチを作り続けてきたという矜持があるところが〈ロレックス〉の魅力のひとつと言えるだろう。
その思想は2021年の今も変わらず貫かれている。機械式時計として世界トップクラスの精度と耐久性を持ち、素材の開発はもちろん、ムーブメントも自社生産。陸海空の異なるフィールドで活躍するプロたちに試作品を提供し、そこから得たフィードバックを反映させることで100%の完成度を120%まで向上させる。その繰り返しが今の〈ロレックス〉を作り上げてきたのだ。


暗闇で青く光るクロマライト ディスプレイ。発光素材も常に研究し続け、より光が長続きするよう改善されている。

こちらはオールステンレススチールのエクスプローラーI。シルバー一色のソリッドな雰囲気は時代を超えて愛されてきた。

進化を止めずに原点回帰もしてしまう完全無欠のエクスプローラーI

新型エクスプローラーIには自社製ムーブメントのCal.3230を搭載。特許を取得したクロナジー エスケープメントは高いエネルギー効率と信頼性を両立させている。また、磁場の影響を受けにくいニッケル・リン合金製のため、PCやスマホなどデジタルガジェットから発生する電磁波の影響をより受けにくいムーブメントになっているようだ。
従来の10倍もの耐衝撃性を持つブルーパラクロム・ヘアスプリングを採用し、香箱の構造とエスケープメントの効率を向上させたことで、ムーブメントのパワーリザーブは約70時間まで延長された。機械式時計の弱点である「電磁波」と「パワーリザーブ」をしっかりアップデートしてくるところもさすが〈ロレックス〉。実際、デスクに放っておいても約70時間動き続けてくれるのはかなり使いやすい。特に複数の腕時計を所有し使い回している方にとって、新しいエクスプローラーIはより魅力的に見えるはずだ。
個人的には36mmというサイズにもっとも心が惹かれているが、LIVE IN RUGGED読者の皆さんはいかがだろうか?デカ厚ケースブームが落ち着いて一時よりは巨大な腕時計が減ったように感じるものの、いまだに40mmを軽く超えるモデルも多い。細身の日本人には36~38mm程度のサイズがもっとも似合うと思っているので、初代と同じ36mmへの原点回帰は私にとってはとても喜ばしいニュースだった。
なお、気になる価格はイエローロレゾールモデルが114万2,900円で、オイスタースチール製は67万6,500円。正規販売店に新作が並ぶのはまだ先になるが、購入を決断された方は今のうちからオフィシャルサイトを定期的にチェックしよう。
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